この記事について
半世紀も生きてきますと、【ことわざ】の持つ意味が、より深く染みるようになりました。昔の人はうまいこと言ったもんだなぁと、しみじみ。時代の転換期、大きく世の中が変わってゆく中でも、人やこの世の本質的な部分は、案外変わらなかったりします。結構スルドイところを突いてくるのです。
本日のことわざ
「新しき酒は新しき革袋に盛れ」
本日のことわざ【新しき酒は新しき革袋に盛れ】
お酒を革袋!
「新しい葡萄酒を誰も古い革袋には入れない。そんなことをしたら革袋が破れて酒は漏れ、袋もダメになる。新しい葡萄酒は新しい革袋に入れよ。そうすれば両方保たれるだろう。」新約聖書から由来したことわざだそうだよ。
新しい葡萄酒は発酵力が強いので古い袋だと破けやすい!
ことわざの意味は【 新しい思想や考えを表現するには、それに応じた新しい形式や方法が必要】
新しいモノを古い入れものに入れたらどちらもダメになっちゃうよってことだな。
以前さ、とある大企業の社長さんがインタビュー受けていたのを読んだことがあるのだけど、今回のことわざでそれを思い出したなあ。
ほう
その社長さん、新会社を設立するって話をしてた。現在の業種は巨大なマーケットなのだけど、この先衰退していくのが目に見えているからって。そしたらそのインタビュアーがさ、、
何て?
「どうして今の会社でその事業をやらないのですか?」と。わざわざ今の会社を整理してゼロから立ち上げるより、雇用もし直さなくていいし、社屋や設備もそのまま使えるのに、コストも労力もかけて新会社を設立する理由がわからないと。
まあ、フツーそう思うわな。
だけどさ「ホントわかるわ~」って読んでいて思った。社長さんの気持ち。
ほう
新しいことやろうと思ったら、新しい会社・組織を作り直した方が、よっぽど早いしラクなんだ!
フフフ・・確かにそうかもね。人間の脳には「安定化指向」「可塑性」という基本、変化を避けたがる特徴があるからな。
ほんっとにさ、ウチの会社みたいに小さな組織であってもさあ、DX化すすめるの大変だったし、本社移転や横浜に営業所つくるってときも大変だった。会社にとって、つまりはみんなの給与や賞与を支払い続けるためには必要な事だと、どんなに説明しても、反発する従業員はでてくる。とにかく変化を嫌がるんだよ。
全員が100%納得するのは難しいよな。
経営者側からしても、本当は変化なんかしない方がラクなんだよ。リスクなんてわざわざ取りたくはないさ!でもさ、時代はどんどん変化する。それが目に見えてわかっているから、どちらに舵をきって進んでいけば転覆しないで進めるのか、常に考えている結果からの行動なのだけどね。
それが経営者の仕事だがねww
これまでの知識や経験を生かした独自のサービスを、社内で新規部署を立ち上げて、若手社員メインに進めていて、チームワークもよくてなかなか順調だったのだけど、、
ほう
メインの業務が繁忙期になると、やっぱり新規プロジェクトに専念しづらくなる。
人的にも余力あんまりなかったからね、君の会社。
他にも新しくやりたいこと色々あるんだよ、本当は。
色々トライしたけど、すでにこれまでの価値体系が確立してるからやっぱり難しい。
既存の組織では、なかなか【新しいコト】はやりづらいという訳だな。
そう!本日のことわざ【新しき酒は新しき革袋に盛れ】
新しき事業は新しき会社でやれ
だから、前述の社長さんの言う通りなんだよな。
ほ~う、さては新しい入れ物をつくるという気だな☆
著者について
黒須 貴子(くろす たかこ)
https://tempurayama.com/
数々のアルバイトや専業主婦などを経て、消防設備の会社を設立。下請けからの脱却、女性消防設備士の登用など、難題に直面してきた経験をシェアして生かせる〈社長峠の茶屋〉を始める。学生時代はパンクロッカー、現在はヴィジュアル系のキャンサーサバイバー。