その19 オシャレすぎて辛い

こんにちは。
男性のかたがた、
毎日、ヒゲ、剃ってますか。

社会人であればそりゃ当然だろう、といわれるかもしれませんが、
昨今の意識高い若い人だとそれに飽きたらず
永久脱毛とか、メンズメイクとかに取り組んでいるのだとか。

しかし個人的な記憶の範囲では
こういった風潮はそんなに以前からではなかったように思います。

15年くらい前であれば、
ファッションコンシャスで、
かつちょっと環境的に自由にできた男性ですと、
どいつもこいつもヒゲ野郎でありました。
いやほんとにもう、どいつもこいつもです。
若い人も体質的に薄めの人も、とりあえず無理にでも生やしていたように思います。

人種的に日本人のヒゲとは密度は薄く毛が硬いという特徴があり、
顔の下半分を覆いつくすようなもっさりとしたヒゲを
「たくわえる」のは不向きなのですが、
ファッション的にはそれにも相性は悪くありませんでした。

現代生活の様式にスパイス程度に機能する男らしさには、
トゥーマッチにワイルドなヒゲよりも
口にちょっと、アゴにちょっと、生える程度の濃さと
2、3週間も伸ばせばできあがるようなヒゲがちょうどよかったのです。

今でもあるのかわかりませんが、
雑誌の中盤当たりの余興コーナーで、
若い女性たちに男の「アリ」「ナシ」を
語らせるような企画がときたまあり、そこでは
「少しぐらい生やしてる方が色気があっていい。不潔だとダメだけど」
などといわれていたものです。
なにをもって清潔なのか、不潔なのかといいますと、
とにかく濃すぎる長すぎる、仙人ライクなのは、
ジジイのようでイヤだということでした。

しかし仙人ライクなヒゲ男も、いないわけではなかったのです。

同じ雑誌の花形である特集にからめた「スタイルサンプル」に
出てくる「業界人」や「玄人」の中に、
フツーでない長ヒゲの持ち主がちょこちょこ存在していました。

オシャレのトップランナーが、流行のベースから少し外れた挙動を取る。

これすなわち、世間の10人中9人がやっていることについて、
その9人と同じことをしてはもはやオシャレではないということを
意味しています。
トップランナーは、世間の潮流は十分意識しつつ、
どこかトガっている部分、一般人が追従しえない何かを
個性として表現していかなければならないのです。

……その結果、
「オシャレすぎて不潔にみられてモテない」としても、なのかな。

 

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著者自己紹介

「ぐぐっても名前が出てこない人」、略してGGです。フツーのサラリーマン。キャリアもフツー。

リーマン20年のキャリアを3ヶ月分に集約し、フツーだけど濃度はまあまあすごいエッセンスをご提供するカリキュラム、「グッドゴーイング」を制作中です。

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