第72回 理想的な「ピンピンコロリ」を目指すには…

この対談について

健康人生塾の塾長にしてホリスティックニュートリション(総括的栄養学)研究家の久保さんと、「健康とは何か」を深堀りしていく対談企画。「健康と不健康は何が違うのか」「人間は不健康では幸せになれないのか」など、様々な角度から「健康」を考えます。

第72回 理想的な「ピンピンコロリ」を目指すには…

安田
私は自分の理想的な最期として「ピンピンコロリ」を目指しているんです(笑)。

久保
ほう、そうでしたか(笑)。
安田
それで「ピンピンコロリ」とはどういうことなのか自分なりに考えてみた結果、「なんらかの病気が見つかってから死ぬまでの期間が短いこと」がピンピンコロリなんじゃないかと思ったわけです。

久保
なるほどなるほど。病気が発覚してから、長い間闘病生活を送るようであれば、それはピンピンコロリとは言えない、と。
安田
そういうことです。さらに言うと、「医者に行ってしまったら、ピンピンコロリは実現できないんじゃないか?」という気がしているんですよ。

久保
あぁ…病院に行くことで、病気を「見つけられて」しまうから、ということですね(笑)。
安田
ええ。ほとんどの人が「病気なんて早く見つけて治療した方がいいに決まっている」って言いますけど、それは違うんじゃないのかなと。だって「あなたは病気です」って言われる直前までは普通に生きていられたわけじゃないですか。

久保
確かに自覚していない病気が発覚するのって、健康診断や人間ドックの時という場合も多いです。
安田
いろんな検査をして「無理やり」病気を見つけられ、5年10年と長い時間をかけて死んでいく…これはもうピンピンコロリじゃないですよ。末期状態になった時に初めて診察を受けるくらいがちょうどいいんじゃないかと思っていて。

久保
病気がわかった時には、もう余命半年とか1年でいいと?
安田
そうそう。それまではピンピン元気に過ごしていて、「あれ? なんかちょっと調子悪いかも?」と思って病院に行って、「末期です」って言われるのが、一番理想的だと思いませんか?

久保
確かに安田さんのように正しい食生活や生活習慣を送っている方であれば、わざわざ焦って病院に行く必要はないです。でも残念ながら多くの日本人は不健康な生活をしているから、なかなか「ピンピンコロリ」は難しいでしょうねぇ。
安田
長生きしたいと言いながら、体に悪いものばかり食べ、ストレスの溜まる仕事を嫌々こなして、休みの日は運動もせずにゴロゴロ寝てばかり…それじゃあ長生きなんてできませんよね(笑)。

久保
仰るとおりです(笑)。特に食生活で言えば、体に不自然なものをたくさん食べれば、当然、体内ではいろんな変化が起きているんです。ところがそれはすぐに気付けないので、長い時間をかけて病気になっていくんですよ。
安田
そういう人たちが「ピンピンコロリ」を目指すには、どうしたらいいんでしょうか? やっぱり今すぐ食生活を変えるべきですか?

久保
そうですね。まずは普段の食生活を整えましょう、というのは言いたいです。体が劣化していくのは自然の摂理ですが、それこそ「老衰」になるまでは、健康的に生き続ける努力をしたいですよね。
安田
となると、以前の対談で久保さんが仰っていたように、早い段階から血液検査などで「自分がどんな病気にかかりやすいのか」ということを知っておくのも良さそうですね。

久保
そうですそうです。病気を見つけに行くのではなく、「病気にならないような対策を練る」ことが、きっと「正しい生き方」なんだと思います。
安田
ふむふむ。ちなみに久保さんは、医者はどういう存在であるべきだと思います?

久保
本来は「健康のスペシャリスト」であるべきだと思っています。でも現実は、ほとんどのお医者様は健康な人を相手にしない。むしろ「病気のスペシャリスト」として病気の早期発見・早期治療に力を注いでいますよね。
安田
それってやっぱり日本の医療業界が「健康な人はお金にならない」という仕組みになっているからなんでしょうか。

久保
だと思います。病気の人には診察ができるし薬も出せる。そうやって医療費を稼ぐことができますから。「健康な人をより健康にする」ことが医者の仕事だと思っているお医者様は、残念ながらほとんどいないと思います。
安田
今の話で思い出したんですが、私の知り合いの医者が「高齢者の癌は老衰と同じなんだ」と言っていました。「わざわざ病院に来て調べてもらっちゃうから、死因が癌になる。昔だったらそれは老衰だった」って(笑)。

久保
へぇ〜。なかなか思い切った発言をされるお医者様ですね(笑)。
安田
ええ、ここまで言い切るのってすごく勇気があるなと思いました(笑)。でも私としては、お医者さんにこそこういう発言をどんどんしていって欲しいんですよ。

久保
同感です。医学の知識を持った人が、しっかりと根拠を持って健康増進のための手立てを考える。それこそが本来の医者としてあるべき姿なんだと、声を大にして言いたいですね。
安田
そうですよね。私もピンピンコロリという「健全な死に方」ができるように、どんなことができるのか、もっと勉強していきたいと思います!

 


対談している二人

久保 光弘(くぼ みつひろ)
健康人生塾 塾長/ホリスティックニュートリション研究家

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仙台出身、神奈川大学卒。すかいらーくグループ藍屋入社後、ファンケルへ。約20年サプリメントの営業として勤務後、2013年独立し「健康人生塾」立ち上げ。食をテーマにした「健康人生アドバイザー」としての活動を開始。JHNA認定講師・JHNA認定ストレスニュートリショニスト。ら・べるびい予防医学研究所・ミネラル検査パートナー。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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