第94回 健康寿命を最大限に伸ばせる生活習慣とは?

この対談について

健康人生塾の塾長にしてホリスティックニュートリション(総括的栄養学)研究家の久保さんと、「健康とは何か」を深堀りしていく対談企画。「健康と不健康は何が違うのか」「人間は不健康では幸せになれないのか」など、様々な角度から「健康」を考えます。

第94回 健康寿命を最大限に伸ばせる生活習慣とは?

安田
今日は「健康寿命」についてお話を伺いたいと思います。確か久保さんは以前、「人間は125歳までは生きられる」と仰っていましたよね。

久保
そうですね。理論上の限界は125歳くらいではないかと言われている、というお話をしました。
安田

その話を聞いていて、ある矛盾に行き着いたんですよ。というのは、125歳まで生きるなら「肉体的」にも「精神的」にも完璧に健康でなければならないと思うんですが、「肉体的に完璧に健康」な生活なんて、ものすごくストレスフルなんじゃないかと(笑)。


久保
なるほどなるほど(笑)。体に悪いことは一切やらないというのは、かえって心には良くないんじゃないか、というわけですね。
安田
そうそう。となると「体と心、両方が100%完璧に健康」という状態なんてあり得ない。つまり、125歳まで生きることも不可能だという気がしているわけです。久保さん、その辺りはどうお考えですか?

久保
えっと…ぶっちゃけたお話をしてもいいですか?(笑)
安田
ええ、ぜひお願いします(笑)。

久保
私は「健康」というテーマでいろいろなお話をさせてもらっていますが、根本的に「病気はなくならない」と思っているんですよ。
安田
へぇ。健康で居続けることは無理だと?

久保
はい。お釈迦様も「四百四病」あると仰っていますからね。ただ私は「病気」というのはあくまでも「サイン」だと考えていて、自然の摂理から外れて無理をしている時に、「誤った行動」を矯正するために体が出すサイン、それが病気なんじゃないかと。
安田
なるほどなるほど。例えば熱が出たとしたら、それは体が出す「休め」というサインだということですね。そういう意味では「解熱剤を飲んで無理して会社に行く」なんてもってのほかだと。

久保
仰るとおりです。風邪を引いて熱を出すのは、体が菌と戦っている証で、それはむしろ「健康だからこその反応」なんですよ。そうやって自分自身で「自然の摂理」のサインを見落とさないようにし、修正していく。それが本来の「健康」なんだろうと思うわけです。
安田
ふ〜む、そう言われてみると、大きな病気が発覚する前には、小さな兆候がいくつも出てくるっていいますもんね。

久保
そうそう。そのサインを見逃すと、結果として大病に繋がってしまいますよね。そういう意味で私が皆さんに何よりお伝えしたいのは、「生活習慣病」に注意しましょうということで。
安田
ほう。つまり普段の生活に意識を向けるということですか。

久保
そういうことです。この対談でも度々お話してきましたが、糖尿病や高血圧といった生活習慣病の約7〜8割は、生活習慣を改めることで改善するんですよ。名前に「生活習慣病」とあるくらいだから、当然と言えば当然なんですけど(笑)。
安田
確かに(笑)。過度な飲酒、喫煙、ジャンクフード爆食い、みたいなことを続けていたら、そりゃ具合が悪くなるのも当然ですもんね。ただ、そういう習慣は改めるべきですけど、中には改めようがない習慣もありません?

久保
例えばどんなものですか?
安田
そうですね…例えばエアコンが効いた部屋にいること、とか。エアコンは自然の状態にはないので「自然の摂理」に反しているけど、昨今の気温だとエアコンなしじゃ熱中症で死んでしまうかもしれない。電車や車の移動も同じです。自然な状態ではないけど、それがない生活なんてもはや不可能と言うか。

久保
ああ、なるほど。要は原始時代みたいな生活には戻れないよね、ってことですよね。
安田
そうなんですよ。クーラーの話はむしろ「自然の摂理に反さないと健康が害されてしまう」という話で。そう考えれば、健康寿命を伸ばすには「改めない方がいい生活習慣」もあるんじゃないかと思って。

久保
まぁ、現実的にはそうですよね。もう昔の生活に戻ることはできない。特に先進国ではそうでしょうね。
安田
ええ。でも一方で、ある意味原始的な生活をしている後進国だって、衛生的でない生活を送ることで病気になったり早死にしたりしている。のんびりとした生活だからストレスは少ないかもしれませんけど。

久保
確かにそうですね。日本だったら清潔な環境の中、便利な生活が送れる一方、日々仕事に追われていろんなストレスを抱えることになるかもしれない。逆に、仕事がないことがストレスに感じる人だっているわけで、なかなか「これが正解」とは言えませんね。
安田
本当ですね。そう考えると、その時代に合わせて「生活習慣の守るべきルール」も変わっていくのかもしれません。

 


対談している二人

久保 光弘(くぼ みつひろ)
健康人生塾 塾長/ホリスティックニュートリション研究家

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仙台出身、神奈川大学卒。すかいらーくグループ藍屋入社後、ファンケルへ。約20年サプリメントの営業として勤務後、2013年独立し「健康人生塾」立ち上げ。食をテーマにした「健康人生アドバイザー」としての活動を開始。JHNA認定講師・JHNA認定ストレスニュートリショニスト。ら・べるびい予防医学研究所・ミネラル検査パートナー。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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