第27回 今も昔も、寿命の長さは変わらない?

この対談について

健康人生塾の塾長にしてホリスティックニュートリション(総括的栄養学)研究家の久保さんと、「健康とは何か」を深堀りしていく対談企画。「健康と不健康は何が違うのか」「人間は不健康では幸せになれないのか」など、様々な角度から「健康」を考えます。

第27回 今も昔も、寿命の長さは変わらない?

安田
人間って、怪我や病気がなければ本来200歳くらいまで生きられるらしいですね。本当にそんなに生きられるもんなんでしょうか。

久保
寿命に関しては諸説ありますよね。私も興味があって昔からいろいろ調べているんですが、一番多くのお医者さんが提言しているのが、だいたい125歳のようです。
安田
ほぉ、125歳。それは平均ですか? たとえば中には130歳とか150歳まで生きられる人もいるんでしょうか。

久保
いえ、最大です。カラダを大事にしていけば、MAXで125歳までは生きられると。
安田
ということは、みんながストレスもなく、カラダに良いものだけを食べ、しっかり運動し、健康に過ごす。そういうパーフェクトな人生を過ごせば、平均寿命は125歳に近づくということですね。

久保
はい、理論上はそうなると思います。
安田
では仮に平均寿命が125歳まで伸びた時代がきたとしましょう。そのときの100歳って、現代の100歳よりも若々しくなるんでしょうか。

久保
どうですかねぇ。確かに現代の50代って、私たちが子どもの頃の50代とは全然違って若々しいですよね。
安田
まさにそうなんですよ。なぜ今の50代60代の人たちは若々しく見えるんでしょうね。

久保
うーん。私が思うに、何百年も前…それこそ江戸時代の頃から、本来の「寿命」は今とあまり変わらない気がしていて。
安田
本来の寿命…それは肉体としての寿命ということですか。

久保
そうですそうです。江戸時代の平均寿命って、確か40歳前後だったと思うんです。でもそれは子どもが成人まで生き延びる確率が低かったから、つまり子どもの死亡率が高かった結果、平均が極端に引き下げられているからだという説もあります。
安田
確かに、文献などで70歳とか80歳まで生きたと記されている人もいますもんね。戦国時代ですら80歳まで生きた人もいますし。

久保
仰る通りです。何百年前にも、現代と変わらず長寿な人がいたわけです。
安田
ということは、現代になって「平均寿命」が伸びてきたのは、単に命を落とす子どもが少なくなった結果なんですかね。

久保
それが理由の一つだと思っています。医療が発展したこと、そして良い栄養素が摂れるようになったことで、より多くの人が健康なカラダを手に入れられたんだと。
安田
現代は、生まれた子どものほぼ全員が成人していますもんね。

久保
ええ。その一方で、お年寄りが亡くならなくなった、という側面もありますよね。本来なら亡くなってもおかしくない年代の方が、医療の力を借りて延命されるようになった。
安田
ああ、確かに仰る通りですね。こういう言い方をしてもいいのかわかりませんが、病院で無理やり生かされ続けているというか…。

久保
はい。結果、数値としての平均寿命はどんどん伸びていく。でもね、寿命だけ伸びても意味がないと思うんですよ。
安田
それはつまり、健康的に長生きしなければ意味がない、という話ですか?

久保
まさにそういうことです。今って「平均寿命」と「健康寿命」の差が10年あるんですよ。ご存知でしたか?
安田
そうなんですか! 知りませんでした。その10年の間は、何が起きているんですか。

久保
基本的に、寝たきりですね。
安田
うわぁ…それは嫌ですね(笑)。

久保
同感です(笑)。だからこそ私はこの「10年」という差を、なんとか1年や半年まで縮めていきたい。そういう大きな野望をもっているんです。
安田
素晴らしいですね。私もなるべく最期の最期まで健康な状態で生き続けられるようにしたいです(笑)。

久保
ええ、頑張りましょう(笑)。
安田
ところで先ほど、今の50代は昔の50代に比べて若いという話ですが。これ、実は私はちょっと違うんじゃないかと思っていて。

久保
え、そうですか? かなり若々しいと思いますけど(笑)。
安田
若くなったのではなく、実は単に「若作り」がうまくなっただけなんじゃないかと。

久保
あぁ、そういうことですか! それは確かにあるかもしれない(笑)。
安田
例えば私と同年代の人でも、白髪染めやスキンケアをしたり、洋服にも気をつかったりして。歯が抜けても、昔は入れ歯だったんでしょうけど、今はインプラントでキレイな歯が入れられますし。

久保
昔に比べて、自分を若く見せるのが上手になってきているのかもしれませんね。ファッションや美容でうまくカバーできている(笑)。
安田
そうなんですよ。でも体力面とか健康面はどうかなと。江戸時代と現代の50代を比べた時、本当に現代人のほうが若いとは言い切れない気がしていて。

久保
仰る通りかもしれません。江戸時代の50代、米俵を担いで走っていそうですもんね(笑)。現代人は、外見は若く見えていても中身はそれなりに老けているのかも。
安田
笑。そう考えると、江戸時代だろうと現代だろうと、人間の寿命や若さって、根本的なところではほとんど変わっていないのかもしれませんね。

 


対談している二人

久保 光弘(くぼ みつひろ)
健康人生塾 塾長/ホリスティックニュートリション研究家

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仙台出身、神奈川大学卒。すかいらーくグループ藍屋入社後、ファンケルへ。約20年サプリメントの営業として勤務後、2013年独立し「健康人生塾」立ち上げ。食をテーマにした「健康人生アドバイザー」としての活動を開始。JHNA認定講師・JHNA認定ストレスニュートリショニスト。ら・べるびい予防医学研究所・ミネラル検査パートナー。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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