“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。
第120回 ミャクミャクが「セオリー無視」でも大ヒットした理由

大阪万博が終わってしばらく経ちましたけど、公式キャラクターの「ミャクミャク」っていたじゃないですか。

確かに確かに。ところが蓋を開けてみればグッズの売上は絶好調。万博終了と同時に打ち切り予定だったのが、人気が出すぎて来年3月までグッズ販売が延長になるくらいの人気ぶりで。このあたり倉橋さんはどう見ていました?

ええ。特にキャラクターものって、科学的なロジックに基づいて売れていくと思っていたんです。でもそうではなかった。そういう意味でも「一体、人は何に惹かれて購買に至るのか」を深く考えさせられるニュースでした。

倉橋さんは常々「プロダクトアウト(作り手の理論)」ではなく「マーケットイン(市場の声)」が重要だと仰っていますよね。その理論からすると、「気持ち悪い」という市場の声が届いた時点で、可愛いデザインに変更するなどの選択肢もあったわけじゃないですか。

そうかもしれませんけど、私も最初に見たときは、正直「センス悪いな」と思いましたからね。奈良の「せんとくん」の時もまったく同じことを思ったんです。でもせんとくんもミャクミャクも、結果的にはどちらも大人気キャラになった。

結果的にはそういうことですよね。世のゆるキャラって可愛いものばかりだから、その異質さが逆にものすごく目立つ。でもそもそもね、一般の反応がどうと言う前に、よく大阪府がこんな一か八かのデザインを通したなって思いません?

対抗できるとしたら1970年の大阪万博の「太陽の塔」くらいでしょうか。…でも太陽の塔も、建設当時は「なんだあれは」と非常に評判が悪かったらしいですね。でも結局は万博の象徴として、今も生き残り続けている。そう考えると、発表当初の大衆の意見ってあまりアテにならないのかもしれませんね。
対談している二人
倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表
株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。


















