“生粋の商売人”倉橋純一。全国18店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。
第48回 経営者に求められる「勝負強さ」
今回は「経営者の素質」についての話を聞いてみたいと思います。経営者ってある程度「ギャンブラー的な思考」が必要だと思うんですよ。
ああ、同感です。ここぞという時に何もしなければジリ貧になってしまうので。
そうですよね。ちなみに私自身はギャンブラー気質じゃないんです。まあ、世間の目は違っているかもしれませんけど(笑)。でも、じゃあなぜギャンブラー気質じゃないんだろう、どこが苦手なんだろうと細分化してみたんです
そうなんですか。レートが上がると燃えてくる人が多い印象ですけどね。
皆そう言いますよね。でも私にはそれがストレスで。
ははぁ、でもビジネスでもそういうストレスというか緊張感ってありますよね。金融機関から資金調達するときとか。
ね。でも資金調達できればそれが結果的に顧客の評価にも繋がるわけで。そういう意味では幸福感に繋がるギャンブルもある気がしますけどね。
それは確かにありますね。そういえばサラリーマンだったころ、営業数字を追いかけるのがすごく嫌で。でも、「将来経営者になる」という目標があったから、必死に頑張って全国一位を取ったんです。
そうですよね。だからこそ、経営者の資質なんだと思うんです。本当に経営者に向いてる人って、無理せずギャンブルできるんだろうなと。そういう意味ではやっぱり私は経営者向きではなかった。
それで言うと、私は勝負事に勝ちたいわけじゃなくて、自由になりたくて経営者になったんだと思います。
なるほど。高校野球でいうと、まずは甲子園に出るために勝てる場所でチームを作ると。
それはかなりの勝負好きですね(笑)。まぁ、人間だれしも負けず嫌いなところはありますから。ただ、今後はそれを手放した方が遥かに人生が楽しいんじゃないかと思い始めていて。
そういうのは当時から苦手でしたね。そう考えると、生粋の「オンリーワン志向」なんだと思います。主流から外れたところで生きていきたいというか。
敵視するほど刺激がないのかもしれませんけどね(笑)。とはいえ事業を大きくしたい、たくさん稼ぎたい、という欲求はあるんですよ。できるだけ勝負を避けてゴールに辿り着きたいだけで(笑)。
そうはいっても、社員を雇って事業をやっているからには常に勝負をしていかないといけませんもんね。今は時代の変わり目だからこそ、特に勝負強さが求められている気がします。
そりゃそうですよね。私ももし今ワイキューブが続いていて、それを誰かに譲るとなったら、勝負が好きで勝負強い人に委ねたいです。自分とは真逆のタイプになっちゃいますが(笑)。
ありがとうございます。なんだか人生相談みたいになってしまいましたね(笑)。
対談している二人
倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表
株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。