第72回 学校では教えてくれない「商売における脳の使い方」

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第72回 学校では教えてくれない「商売における脳の使い方」

安田

今日は「脳みその使い方」について、お聞きしてみたいなと。よく受験勉強と商売では脳の使い方がまるで違うと言われますよね。受験は答えが決まっていて、それを覚えることが大事。でも社会に出るとそういう暗記型の知識だけだとうまくいかないことが多い。


倉橋

確かに商売では「何をするか」を自分で考えなきゃいけませんから、全然違いますよね。

安田

そうそう。それなのになぜ日本の教育は、社会で必要な脳の使い方を教えないんだろうと。真逆のことを教えている気すらするんです。ちなみに倉橋さんが学校で教えるなら、どんなことを教えますか?


倉橋

何度かこの対談でも触れてますが、やっぱり「編集力」じゃないかな。情報をどれだけ自分なりに意味づけできるかがポイントになる気がします。

安田

ああ、やっぱり編集力なんですね。


倉橋

そうですね。でも暗記力というか、学校のような知識をインプットする勉強が全く必要ないかというとそうでもなくて。

安田

と言いますと?


倉橋

「これをこうするとうまくいく」というようなセオリーは、知識として持っておいて損はないわけです。例えば売場の陳列でも、2段目のフェイス、つまりパッケージを見せる陳列とそれ以外では売上が2.5~3倍違うという科学的なデータが出ているんです。そういうことは覚えておいて損はない。

安田

ははぁ、なるほど。確かにそれは「単純に知ってるか知らないか」という違いですもんね。そして知っている方が明らかに有利という。


倉橋

仰るとおりです。なのでそういう知識を入れるために勉強したり、セミナーに参加したりするのは意味があると思います。逆に言えば、曖昧な精神論ばかりのセミナーに行って、その人の言ったことを一生懸命メモっても意味はないんじゃないかな(笑)。

安田

ああ、確かにありますね。「朝から皆でゴミ拾いをしよう!そうすれば売上が上がる!」みたいな(笑)。


倉橋

そうそう(笑)。もちろん掃除やゴミ拾いは素晴らしいことですけど、それさえやっておけばビジネスは成長する、というのはあまりに雑な理論です。だったらさっき言ったような科学的な事実を覚えた方がいい。

安田

私も意味が感じられないことはできないタイプなので、よくわかります。ともあれ、商売のハウツーとかノウハウがメインのセミナーや情報商材もあるじゃないですか。ああいうのはどうですか?


倉橋

うーん、Googleもなかったような時代なら、確かに一定の価値はあったんでしょうね。でも今はもうそこを有料にするのは難しいんじゃないかな。本気で調べようと思えば誰でも調べられちゃうので。

安田

そうですよね。でも経営者さんって皆さん真面目なのか、「今どういう商売が儲かっているのか」「どういうやり方が正しいのか」を、とにかく勉強したがる人が多いじゃないですか。

倉橋

確かに(笑)。でもこれからはそれじゃ厳しいと思いますよ。セミナーに参加しただけで仕事した気になったりしているんだとしたら、すごく危険だと思いますね。

安田

本当ですね。セミナーに行ったから即業績が上がるわけでもないですからね。逆に言えば、セミナー等をきっかけに会社の業績が伸ばせた人は、別にそのセミナーに行かなくてもどこかでヒントを得て、それを自分のビジネスに活かせる人だったような気もします。

倉橋

ああ、確かに確かに。常にアンテナを張ってる人なんでしょうね。たまたまそのセミナーがキッカケになっただけで、別にそこに頼って生きているわけじゃないというか。

安田

そうそう。ということは、答えそのものを知ろうとするよりも、「答えの紡ぎ出し方」を身に付けることが大事なのかもしれませんね。そうしないと自分のビジネスに応用できませんし。

倉橋

そこで編集力が生きてくるんだと思いますね。それがないと、どのセミナーを受ければいいのか、どんな情報やノウハウに価値があるのかもわからないですから。

安田

本当ですね。ちなみに倉橋さんがセミナーに参加するとしたら、どういう理由ですか?

倉橋

うーん、「この人と接点がほしい」という時には参加したりしますね。つまり、その人の話を聞きたいからというより、その人自身と知り合いたいケースです。実際そういう経緯で食事する仲になった経営者さんもいますよ。

安田

へぇ、素晴らしい行動力だなぁ。でも確かにそういう明確な目的があって参加するならすごく価値がありますね。「流行りのセミナーには全部参加してみよう」みたいなマインドじゃダメってことですね。


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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