第88回 テレビCMの終焉と新時代の集客戦略

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第88回 テレビCMの終焉と新時代の集客戦略

安田

前回のお話では、採用はリファラルが主流になっていくということでしたね。それって採用にとどまらないんじゃないかと思いまして。例えば集客でも、「テレビCMを出しておけば勝手に物が売れる」という時代がありましたけど、もう今は全くそんなことないじゃないですか。


倉橋

確かに。今はテレビ自体見ている人が少なくなってきましたし。

安田

そうそう。特に若い世代はもう100%ネット広告ですよね。「テレビCMをやっているからすごい会社だ」という発想自体がないでしょう。


倉橋

ええ。集客という意味で言えば、広告媒体はテレビからネットに完全に移行していると思います。この変化はすごく大きい。広告自体の作り方も大きく変わってますし。

安田

というと?


倉橋

一番大きいのは、「ターゲット設定」という部分ですよね。テレビだと、極端に言えば「全世帯が見る」もので、細かいターゲット設定って難しかったんです。さらに言えば、どれだけの効果があったのかの測定もかなり難しい。

安田

ああ、なるほど。視聴率という指標はあるけれど、それが本当にターゲットにリーチしていたかどうかはわからないですもんね。逆にネット広告なら、Analyticsなどを使って細かいデータも取れますし。


倉橋

そうなんです。もちろん現在でもテレビCMの方が向いている商品はあります。高齢者向けのものとかね。でも万代でいうと、「40代の夫婦と小学生の子どもがいる家庭」がメインターゲットなので、そこにアプローチするならネット広告の方がやりやすい。それぞれのスマホにPRするのが手っ取り早いわけです。

安田

確かに確かに。いまどき家族揃ってテレビを見る機会なんてほとんどないですからね。それぞれがスマホで好きなコンテンツを見る方が圧倒的に多い。


倉橋

そうなんです。だからこそ、テレビ業界は今後大きく変わっていく必要があると思います。実際、今テレビCMを出しているのもアルコールや保険などの限られた業種になってきている。テレビというメディアの影響力が、ここ1〜2年で明らかに変わってきているなと感じます。

安田

もともとそういう流れでしたよね。最近フジテレビの問題が話題になっていましたけど、ああいうことがなかろうが、この流れは変わらなかっただろうなと。


倉橋

そう思います。「スポンサーから広告費をもらうことで無料で視聴できる」という、テレビの仕組みそのものが時代に合わなくなっているんでしょう。

安田

あとは「広告スポンサーに対してネガティブな報道ができない」という制約もありますしね。そもそも公平性が担保できない構造になっている。


倉橋

そうそう。例えば飲酒運転に関する報道でも、スポンサーに影響が出ないよう慎重な内容にせざるを得ない。そうなるとコンテンツの信頼性は薄れてしまうわけですよね。

安田

実際、テレビの情報を信用しない人が増えてますよね。それがビジネスにも大きな影響を与えている。ボクシングの井上尚弥選手も、活動の拠点をテレビからネットに切り替えたら収益が大幅に増えたらしいですよ。

倉橋

へぇ〜、そうなんですね。でも実際、テレビの放映料より、ネットのペイパービューの方が収益性が高そうですもんね。ちなみにうちはもうテレビCMをやらないと決めたんです。

安田

へぇ! そうなんですね。ということはPRはすべてネットでやると。ちなみにネット広告といってもいろいろあると思うんですが、例えばどんな媒体でやるんでしょう。

倉橋

メインはYouTube広告ですね。地域や年齢層などでターゲットを細かくセグメントできるので。もちろん他のSNS広告も有効だと思いますが、どこに出すにしろ、広告の作り方が重要です。あまり露骨にPRしても見てもらえないので。

安田

確かに今の消費者は「広告で誘導される」のは大嫌いですもんね(笑)。あくまで「自分で見つけた」「自分が好きになった」という感覚を大事にする。

倉橋

そうなんですよね。とどのつまり、ビジネスは人の心理を理解することが不可欠なんです。

安田

なるほどなぁ。そう考えると結局のところ、集客も採用も本質的には同じなのかもしれませんね。

 

 


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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