第90回 お母さんが夢中になるクレーンゲーム?

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第90回 お母さんが夢中になるクレーンゲーム?

安田

最近はクレーンゲームで遊ぶお母さんが増えてると聞いて驚いたんです。本当なんだろうかと。


倉橋

ああ、実際増えてますよ。全体の男女比ではまだまだ男性が圧倒的に多いですけど、以前に比べればお母さんたちも当たり前に遊ぶようになってますね。

安田

そうなんですか? 温泉とかに行っても、子どもにつきあってお父さんが遊んでるのは見かけますけど、お母さんが遊んでる姿は見たことなくて。


倉橋

ああ、なるほど。温泉などではわかりませんが、ウチの店舗では結構当たり前に遊んでくれてますね。まぁウチは「ファミリー全体」がターゲットということで、「お母さん向けの景品」を用意したりしていて。だから余計によく見かけるのかもしれません。

安田

は〜、なるほど。ちなみにその景品はどうやって選ぶんです?


倉橋

現役主婦の方に「自分が欲しいと思うもの」を教えてもらうんです。彼女自身にバイヤーになってもらって、商品構成に取り入れていきました。例えばちょっと高級なカレールーとか。

安田

ああ、確かにそれはお母さんたちが喜びそうです。クレーンゲームの楽しさを知ってもらえれば、リピートもしてくれそうだし。


倉橋

ええ、まさに仰るとおりで、一度成功するとまた挑戦したくなるんですよ。週末は家族と一緒に遊びに来て、平日の午前中に1人で再来店されるお母さんもいたりして。

安田

えっ、お母さんが1人でクレーンゲームしに来るんですか?


倉橋

そうなんです。万代のクレーンゲームは、以前も話しましたが「とにかく取れる」という設計にしてあって。それもあって「またやりたい」と思っていただけるんだと思います。

安田

なるほどなぁ。ちなみにお母さん向けの景品って、やっぱり食品が多いんですか?


倉橋

食品や日用品がメインですね。今の時期だと花粉対策の高級ティッシュペーパーとか。あとはコスメなんかも人気があります。

安田

ティッシュをスーパーで買わずクレーンゲームで取るわけですね(笑)。要は「子どものために取ってあげる」んじゃなく「自分が欲しいものを取る」と。


倉橋

そうですね。取ってあげるのもいいんですけど、やっぱり自分が欲しいものをゲットする方が楽しいですからね。

安田

確かに確かに。子どもだって取ってもらうより自分で取りたいですもんね。ちなみに「お父さん向けの景品」はどんなものがあるんですか?

倉橋

フィギュア系やお酒のつまみですね。それもスーパーではなかなか見かけないような、ちょっと特別感のあるものとか。

安田

いいですねぇ。しかもそれが遊びながら手に入るわけですから。スーパーで買うより燃えそうです(笑)。

倉橋

そうそう。クレーンゲームって「買い物の新しい形」だと思うんです。いわば「レジャーショッピング」というか。商品のグレードについてもこだわっていて、近所のスーパーではなかなか売ってないような、例えば東急ハンズなんかにありそうな商材を選ぶのがポイントですね。

安田

なるほど。「わざわざ自分では買わないけど、手に入ると嬉しい」という絶妙なラインですね。

倉橋

仰るとおりで。役に立つかどうかよりも「欲しくなるもの」というのが大事なんです。普段だったら買うのをちょっと迷ってしまうような。

安田

ああ、確かに。景品で取ったなら罪悪感もないですしね。でも平日の昼間に主婦同士でばったり会ったりしたら気まずそうですね(笑)。

倉橋

いや、それが結構たくさんいらっしゃるので、もしかしたら待ち合わせて一緒に遊んでいるのかもしれません(笑)。

 


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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