読むPodcast大久保圭太のマネトレシリーズ。第2回(番組音声配信ページへ)「お金の相談は税理士にするな!?」の後半です。前半では「会社はB/Sで倒産する。P/Lでは倒産しない。B/Sを分かるようになろう。」というところまでお伝えしました。
【訂正連絡】前半の前置きに誤りがありました。「第1回 なぜ財務アタマが必要なのか」の更新回とお伝えしていましたが、正しくは「第2回 お金の相談は税理士にするな!?」です。
なるほど。B/S見ないと、何が分かんないってことですか?調達・回収・投資・・・
そもそも大前提に、経営において必要なのは現預金をしっかり持つこと、と初めにおっしゃってましたけど、そもそも現預金がどれだけ持ってるかがP/Lだと分からない?
たしかにそうですね。いくら残ったかっていうのは分かっても。
じゃあ、経営の状況が把握できないと?
把握できないですね。「現金増えた・減った」が分かってるほうがよっぽど経営のことを分かってると思いますよ、経営者で。
なるほど。なんとなくなぜB/Sかは。
多分ね、経営者の方は税理士の言ってる試算表の意味が分かんないっていう人も結構多いと思うんですよ。
うんうん、よく聞きますよね、その話は。
多分経営者はお金で捉えてるから。それが正しいんですよ、財務としては。なんだけど、税理士の訳分からないP/Lが出てくると「現金減ってんのに利益出てるって言われて税金払えって言われる」みたいなね。それでなんかおかしいなと思ってて「会計・財務って分かんないね」ってなっちゃうと思うんだけど。現預金の残高をおってるほうが正しいです。それが表れてるのがB/Sなんだけど、その説明をされてないから分からなくなっちゃってるのかなっていう。
そこの大前提で言っていた、なんとなく分かるけど分かってないんですけど。「現預金を、要はキャッシュをちゃんと持つこと」だというのはなんでなんですっけ?
ん??
あ、まずいこと聞きました?(笑)。
だって、お金なきゃ潰れるんじゃないですか。
まあ、そりゃそうですね。
で、お金があれば伸ばせるし。金稼ぎたかったりするんですよね、起業したら。金稼ぎたいだけじゃないと思うけど。
まあ、資本主義社会においてやってる以上、お金を稼ぐことが全て。
やってる以上お金増やさなきゃだめでしょ?
はい。
って思ったのに、なんでお金を増やさないで売上増やすこと頑張ってるんだろう、みたいなね。お金が増えりゃ良いんですよ。
ほうほう。売上を増やすんじゃなくて現預金を増やす?
そう、現預金を増やす。「売上が上がった!」って喜んでるってことは、売掛金が増えて喜んでるってことだから。回収して喜ぶでしょ。
たしかに。
っていうことまでP/Lじゃ見えないし、税理士さんは言わないじゃないですか、売上の計上基準とかは言うけど。早く回収しろって話なんですよ。請求書来たら遅く払えって話なんですよ。それが現金一番残るんですよ。っていうマネジメントをしていくのが財務でしょうね。
おお、なるほど。それが「財務アタマ」の一部の要素なんですね。
そう。やっぱ奪い合いじゃないですか。
え?
キャッシュの奪い合い。
世の中にある?
牌は決まってますからね。増えていくかもしれないけれど。
なるほどですね。そういう意味でお金の相談は税理士にするなと。そういう話ができないからってことなんですね。
現実として税理士の先生が保険を売られてたりとか。
うん、儲かりますからね。
そういうことですね。
本命商品(笑)。どことは言わないけど本命商品ですよ。儲かるから売るんですよ、ジャンジャン。だって、事業計画作って、期首にね、「頑張って今年も利益出すぞ!」ってやって、期末2か月ぐらい前になって順調に来てると「税金減らしたいんだけど」って言って利益を要らないものと保険会社にぶち込むっていうね。で、利益減らして、現金減らして、どんどん弱くしていくっていうね。
それだけ聞くと怖い実態ですね。
保険会社のために経営してるみたいですもんね。
はぁ~、そう見ますか。でも、お金のフローっていう見方をしちゃうとそういうふうにも解釈できますよね。
だって、貯まって戻ってくるから貯めときゃ良いですよね、会社の中に。
たしかに。で、然るべきときに投資したりすると。
そうそうそう。
どこかのタイミングで、じゃあどれだけ現預金を持つと良いのかみたいなお話とかもちょっと聞いてみたいっていうのはあるんですけど、最後に、今回のテーマというかご質問が「お金の相談は税理士にするな」ということでしたけど、総括してこの回は何かありますか?
もう総括されてるでしょ(笑)。お金の相談は税理士にするな。税理士に1個だけ聞いて良いことがあって、お金を残すっていう意味の節税で、「お金使わない節税ってできませんか?」って聞いてみてください。
「お金使わない節税ってありませんか?」と聞いてみる?
うん。それが答えられたら良い税理士かなって思います。
怖いこと言いますね(笑)。大丈夫ですか?それ。
大丈夫です。
そのときの模範解答は教えてくださらないんですね。
もちろん。顧問先にしか教えませんよ(笑)
1つ良い、何かあるんでしょうね、回答が。
あります。
「この回答をするとちゃんと財務が分かってる」という形のものがあるわけですね。
そうですね。
なるほど。それを知りたければ大久保先生のところに?
顧問契約を。
ただ、クライアントさん多すぎて取れないというふうに聞いてますけど。
取れないです。
まあ、何か相談があるのであれば。最近は全国でもかなり講演をされているというふうに聞いてますし。
どのくらいなんですか?今。月に結構やってますよね。
いや、大事なお話をちゃんとしていただいて。
漫才おじさんの税理士というわけで、お金の相談を税理士にするなという意図は、しっかりと財務アタマを鍛えてB/Sを見れるようになれと、そして現預金を増やすんだというところの前提があるからそういう話だったということで、言葉は悪いですが非常に貴重なお話ありがとうございました。
大久保 圭太氏のご紹介
Colorz Consulting株式会社代表取締役。Colorz国際税理士法人代表社員。税理士。
早稲田大学卒業後、会計事務所を経て中央青山PwCコンサルティング株式会社(現みらいコンサルティング株式会社)に入社。中堅中小企業から上場企業まで幅広い企業に対する財務アドバイザリー業務・企業再生業務・M&A業務に従事。企業再生案件において、過去節税のために生命保険に加入した経営者が、業績悪化ともに借入等が返済できなくなり、保険金欲しさに自殺するのを間近にみて、自分の無力さに悩む。税理士の適切でないアドバイスにより会社の財務が毀損し、苦しんでいる経営者が多数いる現実を変えるには、税理士業界の意識を変える必要があることを痛感。2011年に独立し税理士法人ACS(現Colorz国際税理士法人)・株式会社ACS(現Colorz Consulting株式会社)を立ち上げ、成長企業に対する財務コンサルティングを中心に、累計1000社以上の財務戦略を立案している。
本記事構成の元番組である大久保 圭太の「財務アタマを鍛えるラジオ~マネトレ~」は随時配信中。