資本金300万の会社経営者さんからのご質問。「ものすごくフワッとした質問で、『ググれバカ』と怒られそうなのですが、増資というのはどのように考えればよいのでしょうか?」とのこと。資本金の取り扱いは一筋縄ではいきません。(音声はこちら)
僕が社会に出たときには、有限会社ってなかったっすもん、社会に出たときは。
マジか。
そう。残ってるだけ。
会社法は、そっか、10何年前だもんね。たしかに。
はい。
すごいね。若いね。
そうなんですよ。
株式会社が1,000万だったもんね。
ですね。あ、そうか、有限会社は300万か。
有限会社は300万。でも、有限会社みたいな零細企業すら300万なきゃつくれなかったのに、って感じだよね。だから、今はつくれすぎちゃうよね。
ですね。
ホントにそれでスタートアップ支援してんのか?っていう感じもするけどね。
たしかに。
777円とかいたもんね。ホント殺そうかと思ったよね(笑)
えっ、資本金が?
資本金が。登記されてて。「これ、誰か止めなかったの?これ」みたいな。
いや、でも、学生のときのノリの企業って、そんなもんなとこありますよね。
だったら1円のほうがよくない?ちょっとバカにしてるよね、777円って(笑)
そんな人が相談に来たら、さすがにイラッとしますね。
ちょっとイラッとするよね。コンビニで「777円」って出て「ラッキー」って思うぐらいでさ。なんなんだっていう。777万ぐらいだったらまだ許せるけどさ(笑)それにしてもギャンブル要素は……まあね(笑)
しょーもないネタ持ってますねえ(笑)
うるせえよ。そうなんだよ。誰か止めないのかね。笑うよね。まあ、司法書士とか士業は言われたことをやる人だからさ。「資本金いくらですか」ってさ、そのアドバイスもないから。
まあ、だって、手数料もらえるのに。
だって、いま、設立って「黄色いとこ埋めてください」みたいになっててさ、いくらって入れてさ、目的をテキトーに書いてさ、それで登記するだけじゃん。オンラインでいいよね、どう考えても。
そうっすね。実際はね。
うん。
そう思います。
その仕組みあるなら、もういらねえよって思うけどさ。
そうですね。
で、なんだっけ?
増資。
増資のタイミングって、ホントに資本を集めるんだったら、そのときどきというか、資本政策組んで集めていくわけだけど、うーん、なんていうか、そのときは、どれぐらい集めるかによるけど、やっぱ1億超えないように。
1億超えると?
1億超えると、まあ、いい・悪いはあるんだけど、大企業に区分されるので、中小の特典が使えなくなるっていうことと、外形標準課税っていう課税をされる。赤字でも……
納税しなきゃいけない?
納税する部分が。ただ、所得割が下がるから、もしかしたら利益すげえ出てると得するかもしれない、みたいな。
微妙な、こう、あるんですね、計算してみないとわからない。
そうそうそう。赤字でも払わなきゃいけないみたいな。給与とか利子とか賃貸料に対して税金がかかる。俺、外形標準課税で本書いたことあるんだよ、雇われるとき。いま思いだしたけど。
要はゴーストっていうこと?
ゴーストというか、一応編集したのかな、改訂したのかな。俺、入ったばっかで、ヒマだったからやらされたんだけどさ……あ、やらせていただいたんだけど、外形標準課税やったことなかったから、ググりながら書いたから(笑)ひどいよね。
その暴露聞きたくなかった。
あと、ベトナムの本も前の会社で出しててさ、税務のとこは俺が書いたんだけど、ググって書いた(笑)
そんな暴露っていいんですか?大丈夫ですか?
(笑)まあ、べつにいいんじゃないの。
まあ、悪いことしてないしね。
悪いことじゃないもんね。事実だから。
事実ですね(笑)
法律のことって法律読んだら書いてるから、そんな、なんか、何もないもんね。
まあ、たしかにね。基本ググってるようなもんですもんね。
うそ書いてないから、べつにね。
意外とやってたんですね。
意外に。たしかに。なんにも覚えてないけどね、ベトナムの税務とか(笑)
いま思いだしたでしょ?(笑)
そうそうそう(笑)外形標準課税、懐かしいっていうか、あんまないじゃん。そうすると、えっと、ごめん、一応超えないように資本準備金と半々にして。
資本準備金と半々にして?
半々にする、みたいな、感じ。
どういうことですか?
だから、2億円集めたときに、1億資本金で、1億資本準備金とかにできるから。半分までできるから。資本金でデメリットにならないよう中小企業の中でいられるように、半分資本金、半分資本準備金にして、要は純資産の額は2億円なんだけど、資本金としては1億みたいな見せ方にするとか、そういうのはやったりするよね。
テクニックみたいなもん?
まあ、でも、だいたいそうやって集めると思う。そう大きく集めないんだとすると、増資のタイミングっていうのは、やっぱり……どうだろうね。
増資って資金調達的な発想なんですか?
資金調達だね。あ、えーと、ごめん、どういう意味?
普通に考えたら、お金と株の交換じゃないですか。
そうそう。だから、増資のタイミングっていうと、通常は第三者から集めるってことだよね。
第三者割当?
そうそうそう。のタイミングで資本政策組んで、時価どれぐらいっていうのをやっていくんだろうけど、自分自身が増資するタイミングっていうのがまた別にあるじゃん、たぶん。株主割当増資とか。
なるほど。割り当ての増資。
うん。それは、あれじゃない?まあ、あんまりよくないときが多いよね。債務超過だったり。
感覚的には、社長が手金を突っ込むっていうニュアンスのときの増資ってことですね。
そうそうそうそう。増資。要はそれがないと借りれないとかね。自己資本比率が低すぎて銀行が貸してくれないよってときに。収益上げるのも限界あるから。そうすると、B/S改善するのに手っ取り早いのは増資だよね。
なるほど。
自分の持ってるお金を入れちゃえば自己資本比率がグッと上がるわけだから、そのへんを考えてやるってことはある。特に社長が会社にお金を貸し、債務超過になるとお金突っ込んでいくから、その突っ込んだお金を、DES、デット・エクイティ・スワップをして増資するっていうのが多いかなって感じはする。
なるほど。それは想像できそうな、生々しいやつですね。
そうそうそう。あとは、個人でお金があるときに、これ、難しいけど、それを入れて増資して会社の財務よくして、調達を増やして、事業を伸ばすっていうのはあるかもしれないね。
ああ、なるほど。
結局、株への投資だから、個人としたら。そうすると、自分の会社に入れたほうが利益が出るんだったら入れるっていうことはあるよね。その分、会社として使える金額を伸ばして調達額を増やして、レバかけたら利益が出るっていう。
そのときは、事業として勝負しにいきたいときに……
そうそうそう。だから、個人のお金をファンドに投資したり、株買ったりとか、債券やったりとかよりも、自分の会社のほうが伸びるということであれば突っ込んで、っていうのはあるけど。
なるほど。
ただ、いったん個人のほうに入ったお金って、ぜんぶ納税したあとのお金じゃん、基本的に。
ですね。
だいたい給与所得だったりするわけだからさ。
はいはい。
そうすると、そこそこ税金払ってのお金だから、それをもう1回会社に再投資すると、回収がまた大変だったりするので。
流動性が下がると。
すげえ伸びるとか、今後M&Aが出口で高くなるとかだったらいいけど、そうじゃない場合、やっぱ利益で純資産を厚くしちゃったほうが、増資で厚くするより、個人のお金は個人のお金で残しておけるかなというのはあるけど。
なるほどね。事業戦略とかイグジットとかいうところを見ないと、一概には言えない?
うーん、言えないよね。
たしかに事業投資してこうってタイミングで増資しちゃって、自己資本比率を上げといて、そのタイミングでデッドで引っ張ってきてみたいなのは、わかりやすく攻めれますもんね。
そうね。それか、はじめに資本政策組んだときに、大規模に調達する前に、自分の株入れといて厚くしとくっていうことはあるかもしれないね。
ああ。
要は株価が安いうちに自分は入れといて。
なるほどね。そのあと、エクイティとかデッドで引っ張ってくるときに……
そうそう。そのときに株をガッと上げるみたいなこともあるかな。
なるほど。
結構深いよね、資本金ってね。
ホントですね。
だからフワッとした質問で、ちょっとイラッとしたんだ(笑)
いや、そうですね、やっぱこういう話になるんだな。面白いですね。なるほど、いやいや、勉強になりましたし。個別具体的な質問だと、より答えられそうでね。具体的に欲しいですね。
そうね、はい。
まあ、この話聞いてありましたら、ぜひ、増資・資本金関係、ご質問ください。
楽しそうだね、なんか。
え?
楽しそう(笑)
いやいやいやいやいや(笑)ありがとうございましたー。
ありがとうございまーす。