令和4年度 税制改正大綱の説明を試みる【読むPodcast | マネトレ117-後半】

令和4年度の税制改正を説明する回。本後半では、賃上げ税制について紹介します!(音声はこちら
円道

今後は高校で早めに勉強して、大学入って税理士の資格を取っちゃって、「もう免許持ってます」ってインターン生が来ることがあるってことですか?

大久保

そうじゃない。だから、やっぱり高校生を今度だましにいかなきゃだめだな。

円道

日本語ね(笑)

大久保

いやいやいや(笑)

円道

今日、方言の話さんざんしてるから。「だました」って。

大久保

あと、「事務所が該当するかどうかは物理的事実によって行わない」って書いてある。ほんとは「いなきゃいけない」っていう常駐義務があるんだけど、そもそも俺ももうコロナで常駐してないじゃん。

円道

あ、ついにそこ?

大久保

コロナ前も常駐してないけどさ。こういうこと言うと税理士会に叩かれる。

円道

それはだめなんじゃないんですか。

大久保

いや、出張してるからさ。

円道

あ、そういう意味ですね。

大久保

うん。でも、それがね……

円道

えっ、ついになくなったんですか!?

大久保

なんかあいまいな書き方なんだけど。「運用を対応する」って書いてるから、結構……ね。ま、そんな話はどうでもいいんですけど。

円道

たしかにどうでもいいけど……(笑)

大久保

いやいや、税理士さんも聴いてるから結構重要ね。


円道

税理士界隈からしたら、かなり、結構大事な話ですね。

大久保

やっぱ、でも、いちばんはあれじゃない?賃上げ税制じゃない?

円道

賃上げ税制ね、はいはいはい。

大久保

いまもあるけど。今年は大した税制改正がないのよ。だけど、賃上げ税制がかなり強くなって、要するに、あれじゃない?ほら、日本人、給与が安いとかさ、急に騒がれ出してんじゃん。

円道

ああ、世界的にね。

大久保

「いま気づいた?」みたいな。いやいや、だって、ずっとそうだけど?って思うけどさ。まあ、いいんだけど。で、4月1日以降始まる事業年度、3月決算の人は4月から、給与総額が全体の雇用者の1.5パー以上あがると、増加額の15パーセントを税額控除。だから、税額控除っていつも言ってるけど、永久に払わなくていい。課税の繰延じゃなくて、ほんとに払わなくていいお金だから、給与は給与で損金になってんのに、もう1回税額控除で税金安くしてくれるよって金額が15パーセントで、さらに……

円道

さらに?

大久保

さらに2.5パーセント以上あがった場合は、プラス15パーセントで30パー。これは中小だけど30パー。要は「給与総額で1,000万上がりました」っていったら、300万は税額控除してくれるっていう。

円道

へぇ~。

大久保

でかいよね。法人税の20パーまでだから、利益出さなきゃいけないんだけど。

円道

なるほど。

大久保

その場合は30パー。さらに……

円道

なになに?バーゲンじゃないんですから(笑)

大久保

教育訓練費。教育訓練費を前年比で10パーセント上げたら、プラス10パーセント。

円道

え、10パー上げたら10パーセント?

大久保

給与は2.5パー以上あがってて、教育訓練費は別で。今年ぜんぜん教育してなかったけど、10パーセントだから結構簡単くない?

円道

ですね。

大久保

そうすると40パーだから、1,000万上がったら400万なわけですよ。結構すごいよね。

円道

は~。え、これって賃金の1人あたりの何パーとかって話じゃなくて賃金総額なんで、人を採用してたら結構簡単に上がっちゃいません?

大久保

そう、増加するから。だから、あと1,000万上げたら400万だけど、納税額は法人税の20パーが限度だから、2,000万納税する人が400万控除されて「1,600万でいいですよ」みたいな感じで。

円道

ふーん。

大久保

これね、これはね、あれですよ、あんまりやっちゃいけないかもしれないけど、たとえば賞与を来年に回すとかね、べつにいいわけ。たとえば決算書出そうかなっていうのを、普通は期内に入れたいなと思うけど、来年は変わったら対象になる可能性ももちろんあるし、あとは、もうその年にドカン!って先に…あ、先払いしちゃいけない(笑)優秀なやつに賞与をバン!って払っちゃったりね。だって、40パー返ってくるんだから。今期との比較だから、設計上、今期の決算をどうするかっていうことも戦略的に考えなきゃいけない案件だと思うんで。

円道

なるほど。

大久保

あと、教育訓練費だよね。これは士業は提案すべき……って言って、俺もやってないんだけどさ(笑)

円道

ああ、なるほどね。

大久保

だって、顧問料で……いや、顧問料でもらってんのはだめだけど、要は経理の教育とか、たとえばそういうのを提案して。

円道

社内体制整備のためのコンサル的な、そういうことね。

大久保

そう。それで事業計画とかつくってるんだろうから、お客さん共有してるんだろうから、その増加額がいくらってわかってれば、これやってもらって、年間100万円の、ちゃんとやるって意味だよ?セミナーじゃないけどやって、そうすると、「1,000万増えるんだから、100万円多く税額控除できるんで」って言ったら、やるよね。

円道

ほんとですね。

大久保

うん。税金100万払って社内に教育してくれて、その分経費も増えて、いいことしかなくない?

円道

これ、控除上限は当然あるんですよね。

大久保

控除上限は法人税の20パーセント。だから利益出さなきゃいけないんで。

円道

法人税の20パーか。

大久保

そう。利益出してる会社でなきゃだめなんで、「ちゃんと利益出しましょう」っていうのが、えーと……

円道

ベースにあって?

大久保

いやいや、べつにないんだけど、あれだよね、ドローン禁止されたね。

円道

……は?

大久保

え?ドローン節税が禁止されたよねっていう。

円道

もう?

大久保

うん。もうっていうか、あれって結局、税法の隙を突いて、10万未満が損金算入だから、まあ、30万の限度額あるけど損金算入だから、9万円のドローンをいっぱい買って、貸し付けた事業になってるからっていうのが節税。足場もそう。

円道

あれ、抜け穴節税手法みたいな感じで「ドローン」「ドローン」だったんですね。

大久保

そうそうそうそう。

円道

ああ、そういうこと。

大久保

で、結局、貸付がだめだっていう。貸し付ける資産は10万円未満であっても、損金算入しないっていう形に変わったので。

円道

ほおほおほおほお。小額な資産?足場のような。

大久保

そうそうそう。なくなったよねっていうところが大きいのと、まあ、あとは「住宅ローン控除はちょっと下がるよね」ぐらいはいいんだろうけど、まあ、個人の人で気にしてる人はね、気にしてればいいんだけど。

円道

うんうんうん。

大久保

これ、もう、あれだね、与太話が長すぎて、もう1回やったほうがいいね。

円道

あ、延長ありますか?いいですね、住宅ローンの話はね。

大久保

住宅ローンというか、他のもちょっと。

円道

あるんですね、他にも注目すべき……

大久保

そうね。

円道

じゃあ、いったん今日のところは、ドローンなくなったという話と賃上げ税制。

大久保

まあ、賃上げ税制が今回のメインなんで、来週は与太多めで。今週もじゃねーかよ(笑)

円道

今日もだいぶ多かった(笑)まあ、ということでね、税制改正の話、次回もやっていきたいと思いますので、ぜひお楽しみにしていただけたらと思います。

大久保

はい。


円道

ありがとうございました。

大久保

ありがとうございまーす。

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