このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法:目的を突き詰めるな
ある中小の社長さんから悩み・愚痴というかお気持ちを共有いただきました。
「大手と仕事をしているのですが、先方に目的意識がまったくなくて困っているのです」
聞けば社長さん。
働き方改革推進のためのプロジェクトをサポートしているとのこと。
打合せの場では、社長が提案することに対して「良いですね!」「それ実行できると良いですね」と前向きな反応ばかりをいただけるのだそう。私には活気ある打合せシーンが目に浮かびましたが。。
「ポジティブな反応はありがたいのですが、いかんせん、なんも考えていないように感じますし、目的や背景を理解していないのではないか。。。」と社長の顔はすぐれません。
この社長。勉強熱心な方でトヨタ自動車さんの生産性向上や人材育成方針のひとつにある《五回のなぜ》というものを試しているとのことでした。
これは「ひとつの事象に対して《五回のなぜ》をぶつけ、繰り返し自問自答することで物事の因果関係やその裏に潜む本当の原因を明らかにできたり、また仕事の意味や目的も明確になる」という考え方なのだそうです。
→次頁は「“5回のなぜ”の先に待つものとは?」