このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/ 紡がれる誇り
大手企業では「兄弟、親子、親戚。場合によっては親子3代」が同じ会社に勤めている(いた)という方が一定数存在します。
高松もこれまでに、およそ100名のそのような方にお会いしました。
社長や役員のお子さんや、親戚など「あの人は縁故ですから」などの声を聞くことも少なくありません。
就職関連サイトには、
・最近の新卒は「親の言いなり」が多いため、オヤカク(親への内定確認・承諾を取ること)は必須
・親世代の「大手信仰」が根強く、何としても大手に入社させたい親がまだまだ多い
・中には、自分で「口利き」をしてでも同じ会社に入社させる親もいる
と、やや批判的な意見も多く見受けられます。
一方で、
・会社によっては、親子の同時在籍は認めない、子供が入社するなら親は退職する
・何かにつけて比較されたり、本人の実力を正当に評価されづらいことも存在するので、人事としては勧めない
こんなスタンスを取る大手さんも存在しているようです。
先日、某大手メーカー現場にて働く、入社4年目のBさんに、同社の「より良い職場づくりプロジェクト」にてお会いしましたが、自職場について、以下のような思いを語ってくれました。
・子供のころから父が「誇らし気」に語っていた仕事に就けて、悪い気はしない
・父が最前線で活躍していた時代とは、社会や現場環境など変わっていることも多いが、「気概」を持って働いている先輩が多くいることには繋がりを感じる
・「やりがい」があるこの職場に、来年からは弟の入社も決まっている。職場の仲間や弟と切磋琢磨して、より良い職場づくりを進めたい
聞けば、就職の際には、父親に相談することもなく、事後報告したとのこと。そして、弟さんも事後報告だったそうです。
我が子を心配する親の気持ちも理解できますし、子が親を頼ることも想像できます。
自らの考えで決断したBさん兄弟。自らの想い、誇りを紡いだ父。そんな職場では、多くの素敵な仲間が活躍しているのでしょうね。