第78回 運を拾う

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/ 運を拾う

企業研修に携わっていますと、気づき、学びの機会を多くいただきます。

先日、某大手さんでの研修開講挨拶にて人事部長Kさんから伺った話もそのひとつ。

「僕は、ずっと自分のことを『運が良い』と感じていて、最近、運をつかむために自分自身がコントロールしていたことに気が付きました」

以下、運をつかむための決め事。

・誰かに「お前は運が良いよな」と言われた時に素直に喜ぶ!
(以前は「運じゃない。俺は努力しているんだ!」と反論したい思いでモヤモヤしていた)

・素敵と感じる友人、知人との時間を増やす
(一緒にいて心地良い、または憧れている人との時間を増やしている)

・言葉遣い、表情を整える
(丁寧な言い回し、穏やかな態度を取り続けていると誠実な方との縁が増える)

なるほど。確かに上記の態度は自身で選んで実践することができます。

続けて、Kさんは
「『人との良縁を運』と呼ぶのなら、それは呼び込めるものです。それには『感謝と謙虚』が大事です。」

さらに、
「メジャーで大活躍している大谷翔平くんは、ゴミが落ちていることに気づくといつでも拾って、片付けるのだとか。聞くと『僕は運を拾っている』と謙虚に答えたそうです。我々もそんな人でありたいですね」と受講前の皆さんに語りかけ、オンラインの画面上では、各々が頷くなどしていました。

そんな時に、ひとりの受講生から全体へチャットが続々と。

「同じくメジャーの菊池雄星投手も、目の前にゴミが落ちていると『神様が自分を試してくれている、ありがたい』って、拾うんですよ!」

「自分、岩手県花巻の出身なんですが、部長のお話。花巻東の佐々木監督が、高校時代の大谷君、菊池君たちへ伝えていた教えとも同じで、驚きました!」

「菊池世代が甲子園で準優勝した時、地元の中学で有名だった大谷君を佐々木監督は熱心に勧誘しなかった話も有名です。『縁があれば花巻に入学してくれるだろう』ってスタンスだったみたいで」

「大谷君は『僕が中3の時に、岩手の人たちが熱狂して岩手のチームを応援して、高校野球で岩手が一つになっていたことが強く印象に残っている。その花巻東には日米で争奪争いを起こしたすごい男がいて憧れました。雄星さんのように尊敬される選手、愛されるプロ野球選手になりたい。ドラフト1位で』と語っているんです」

K部長のお話がご自身の気づきなのか、佐々木監督の教えからの拝借かは、わかりませんが、、

「良縁、運は呼び込める」という気づきを得た高松でした。

 

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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