このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/50代、海を渡る
世界シェアNo.1を誇る、某大手さん。
先日、人事関連部門のDさんに雑談の機会をいただきました。
・2022年カタール開催のワールドカップ。全6会場のうち、4つのスタジアムに自社商材を納品
・UAEの王族が進める、廃棄物を一切出さない「スマート・シティ建設計画」において重要な部分を担っている
・入社数年の若手社員がアフリカで東大発のベンチャーとサブスクモデルの新規事業を立ち上げている
などなど。
いくつもの刺激的なお取組みをうかがったのですが、中でもグッときたのが、「ベテラン人材の活躍推進」について。
同社では、かねて「人を基軸におく経営」をベースに、年齢や性別、国籍、経験の長短を問わない人材活用や育成に注力してきたのですが、その流れで「ベテラン人材の活躍推進」にも早くから取り組んできたとのこと。
・1991年:60歳の定年以降も働き続けられる再雇用制度の導入
・2001年:希望者には65歳までの雇用延長制度の構築
・2021年:70歳まで再雇用期間の延長
など、「ベテラン人材のさらなる活躍」をいち早く応援してきたのです。
コロナ禍の近年、2019年には、「定年が迫った50代以上のベテラン人材を海外拠点へ派遣する!」というチャレンジングなプロジェクトもスタートさせ、社内公募では、定年間際の(失礼!)58歳のベテラン営業さんたちがエントリーしてくれたのだとか。
その58歳のベテランさんは、「社内では有名な凄腕営業」ではあるものの、仕事では「近畿エリアをほとんど出たこともない、、」という国内営業一筋なキャリアの持ち主。
そのようなキャリアでも「ベテランはノウハウの宝庫だ!」と、海外チャレンジを推進しているのです。
世の多くの大手さんでも、50代が近づいてくる頃から、「晩年のキャリア」や「定年後の仕事」を意識するようになり、これまで培った「スキル・経験」をどう活かそうか?と悩むベテランは少なくありません。
「そんなモヤモヤを海外の新天地にて、スッキリと晴れさせることができ、未来を担う若手や現地スタッフへ、『歴史・経験を繋げられる』ことが、このプロジェクトの「最大の功績」ですよ」と楽しそうに話すDさんの醸し出す空気感は、居心地が良く、とても魅力的に映りました。
帰り間際にも、Dさんは楽しげに、
「ウチはもともと大阪は「堺のやんちゃな会社」。フランクで、オープンな人材が集まってきたから、なんでもはっきり言い合う文化が定着しています。だからこそ、チャレンジングな取組みも楽しめるのかもしれないですね」
「今や、『サカイの会社』が、『セカイの売上トップ企業』になっています。これからも『空気で答えを出す会社』として、混沌とした世の中の空気を変えていきたいと思っています!」
なんとも、素敵な会社ですねw