その125「あなたはどっちのタイプ?」

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なぜこんなツマラナイものにこだわるのだろう。そういう「ちょっと変わった人」っていますよね。市川さんはまさにそういう人。でもそういう人が今の時代にはとても大事。なぜなら一見ビジネスになんの関係もなさそうな、絶対にお金にならなそうなものが、価値を生み出す時代だから。凝り固まった自分の頭をほぐすために、ぜひ一度(騙されたと思って)市川ワールドへ足を踏み入れてみてください。

「あたなはどっちのタイプ?」

「中小企業は自由だ」的な表現が、中小企業の採用シーンで度々使われます。
本当でしょうか?

僕の経営の師匠がこんなことを言ってました。

10億のプロジェクトの一部分にメンバーとして関われるのと、100万の予算を1人で任される、どちらにやりがいを感じるか?

大きな予算のプロジェクトにいちメンバーとして関わる場合、責任者や決済者ではない。
でも、社会を動かす商品やサービス、環境開発の開発に関わることになるかもしれない。(大成建設が掲げている「地図に残る仕事。」みたいな感じ?!)

一方で、予算100万円のプロジェクトを任された場合、裁量権があるので結果を求められる。
当然、予算の内訳については説明責任もあり、そこに相応の根拠も求められます。
権利と責任は必ずセットだから。

・・・と考えると、後者の方が窮屈に感じるし、限られた予算では選択肢も狭くなります。
まして、中小企業では100万円の決済さえ、そう簡単にはさせてはもらえません。
こう考えたときに、「中小企業は本当に自由なんだろうか?」と・・・

この話を聞いて、「なるほどなぁ…」って感じ、中小企業の弊社にも当てはまることで、ドキッとしたのです。

ところで、「自由だ」ということは、ルールが緩い、無いとも言えます。

例えば、最近、弊社ではDXの一貫として、バックオフィス業務のIT化を推進しておりて、勤怠管理も見直すことになりました。
その結果、残業と生産性や効率の相関をより詳細に把握できるようになるのです。(まぁ、普通のことですけど…)
すると、ちょっと残業するにしても、休日お客様からかかってきた電話に出て対応するにも、申請、許可が必要になってきます。
つまり、つまり、「自由に残業ができない」という事態になるわけです。
自分で起業する前から、僕は起業前、普通の勤務時間外に良い案が降りてきたら、仕事していたので、「勤務時間外に自由に仕事ができない」という究極の不自由がやってくることになります。(閃かない限り進まないタイプの仕事は困りますね)
また、これまでは、自分の勘違いでミスした場合、その人が終業時間を超過して対応ができたわけです。
自業自得みたいやつで、「すいません、自分のミスです。今日中にやっておきます!」のように。
ところが、申請が必要になり、理由も伝えなければならなくなると、「あれ!?この人、いつも同じようなミスして残業している…」と明らかになってしまうわけです。
加えて、終礼後に仕事のことやプライベートのことを楽しそうに話していると、「何してるの?残業許可してないよ。なにもないなら帰りなさい!」のように言われかねないわけです。
かなり窮屈で、従わないといけないルールも増えますから、ガチガチです。

中小企業にはそういうルール整備ができておらず、またあったとしても整備されて徹底した運用もできていません。
ルールがあり運用も徹底している大企業と比較して「自由だ」と言っているのかもしれませんが・・・まぁ、それはそれで確かに間違ってはいませんよね。

ある企業を訪問した際、スタッフの皆さんに自社の特徴を聞いてみると、「ルールが多い」って声があがったんです。
何か問題が起こると改善活動が行われ、その度にルールが追加・改定されるので、と。(素晴らしいことですよね)
それで思ったんですが、中小企業の中ではルールが多いその会社も、大企業と比較するとまだ少ない方だと思うんです。
大企業と比べれば、社員数、拠点数、取引企業数、取り扱いサービス数など比較にならないほど、規模は小さいわけで、組織運営に必要なルールも少ないでしょう。

考えてみれば、大企業向きの人と中小企業向きの人っていそうですよね。
僕はルールが増えると全く覚えられないので、完全に中小企業向きなのかもしれません。
ただ、改善案を出すのと、ルールを制定していくのは好きですw
また、オールラウンダーは中小企業では重宝されますが、規模が大きくなれば分業が進みスペシャリストが求められていくでしょう。
つまり、企業が大きく成長していく過程で、ついていけなくなる人が出てきても、それは単に向き不向きの問題なのかもしれませんね。

中小企業型の経営者であっても、組織規模に合わせてオーナー的な立場になり、より大きな企業の経営に向いた経営者に助けてもらうことで、自社を自分の器以上に大きくさせることも可能なのかもしれません。

と自分を慰めてみわけですが・・・

あなたはどっちのタイプですか?

 

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著者/市川 厚(いちかわ あつし)

株式会社ライオンハート 代表取締役会長
https://www.lionheart.co.jp/

LH&creatives Inc.(フィリピン法人) CEO
https://lionheart.asia/

<経歴>
三重県の陶芸家の家に生まれる。
(僕が継がなかったので、父の代で終焉を迎えることになる…)
大学時代、遅めの中二病を発症。経済学部に入ったのに、何を思ったか「ファッションデザイナーになるんや!」と思い立ち、大学を中退。アパレル企業に就職。
ところが、現実は甘くなく、全く使えない僕に業を煮やした社長から、「Webサイト作れないとクビだからな!」と言われ、泣く(T_T)パソコンの電源の付け方も知らなかったけど、気合でWebサイト制作を習得。しかし、実際のところは、言い訳ばかりで全く成長できず・・・怒られて、毎日泣く(T_T)そんな頃、「デザインにも色々ある」と改めて気づいて、広告業界へ転職、広告制作会社のデザイナーとしてのキャリアをスタート。
「今度は言い訳をしない!」と決めて仕事に没頭し、四六時中仕事していたら、黒目がめくれ上がってきて、眼科医から「失明するよ」と言われ、ビビる。2004年勤務先で出会った同僚や友人を誘って起業、有限会社ライオンハートを設立(現 株式会社ライオンハート)。ところが、創業メンバーとあっさり分裂、人間不信に。残ったメンバーと再スタート。
2014年、設立10周年を機に、創業メンバーで唯一残っていた人間を日本法人の社長にし、自身は会長になり動きやすい状態を創る。この頃からブランディングエージェンシーを名乗り始める。
2016年、フィリピン(マニラ)にITアウトソーシング企業(LH&creatives Inc.)を設立。設立準備期間から家族とともに移り住み、フィリピンで3年半を過ごす。
フィリピン人マネジメントを通して、猜疑心の塊になり、性悪説に変わる。
2019年6月、日本に帰国し、日本法人のマネジメントに復帰。社内コミュニケーションを充実させるために席替えしたり、誰も掃除しない椅子をきれいにしたり、「眠いときはしゃべった方が良いよねッ」ってスタッフに話しかけながら仕事をするなど、独自のインナー・ブランディングの理論を実験していたところ、会社の調子が上がった。そもそもブランディングってなんだ?と思っていたところに、BFIの安田さんと出会い、勝手にご縁を感じてコンサルを受けてみる。そしたら安田さんに誘われ、2020年、anote konoteに参加することに。

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