第148回 I Love Youの伝え方

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/I Love Youの伝え方

この「タイトル」を見ただけで、「オチ」がわかってしまう人がほとんどなのが、大手企業。

「ん??」となってしまうのが、私のような教養不足。。

先日、某大手さんにて、「新任管理職」を対象に「リーダーシップ研修」を実施しましたが、そのオープニングの際、Y人事部長に「話が伝わるリーダーが実践している素敵な手法」なるメッセージを紹介いただきました。

Yさんは、

「前提として、『リーダーとリーダーシップの違い』を理解しておく必要がありますが、、」

・リーダーとは?

役割・立場として、なさなくてはならない機能

・リーダーシップとは?

その人が役割や目的を遂行するために必要な手段のひとつ

と、紹介し、

「リーダーシップとはポジションに関係なく、周囲を巻き込み、サポートを引き出していくこと」

「これから、さらに活躍してもらいたい皆さんには、『伝える技術』ではなく、『伝わる技術』を磨いてもらいたいのです」

そして、

・伝わる技術とは?

具体的なイメージや映像、印象的な絵が相手の頭に浮かびやすいよう描写を交えること

と語るのです。

その上で、

「お気に入りのマンガを、まだ読んでいない誰かに薦める場合に、、」

「『これ、めちゃくちゃ面白いから、読んでみてよ!』でも良いけど、それでは、『抽象的』ですし、イメージが湧きづらい。すなわち『ただ伝えているだけにすぎない』と思うのです」

「例えば、、」

キングダムを読むとさ、、『戦争のない世界を、心底本気で作り出したくなる』んだよね」

ワンピースを読むとさ、、『友達や仲間を命懸けで守りたくなる』そんな気持ちになるんだよね」

スラムダンクってさ、、『自分の限界を突破するために、凄まじい努力をしちゃいたくなる!』そんなマンガなんだよね」

「こっちの方が、イメージや絵を描きやすいんじゃないかな?」

と、ドヤ顔で語るのです。

続けて、

『I love you』って言葉を、夏目漱石がどう訳したか知ってるだろ?」

「あなたをお慕い申し上げております」

と、想像した高松でしたが、、

皆、口々に、

「『あなたといると、月がきれいですね』ですよね?」

と反応するのです。

確かに、印象的やし、きれいな絵が浮かびます。

「素敵やなぁ。そんなことを伝えられるようになりたいなぁ」と、心底感じた高松だったのであります。。

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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