第160回 感動のつくりかた

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/感動のつくりかた

某大手さん、営業部門が主催する社内勉強会に同席しました。

「マーケティング」をテーマにした時間でしたが、冒頭に、A部門長が紹介してくれた「感動のつくりかた」なる話が興味深く、こちらに共有いたします。

「感動って作れること、みんな知ってる??」

ワタクシ、のっけから興味を惹かれました。

「広辞苑によると、『感動』とは『深くモノに感じて心を動かすこと』とあるようだけど、『感動を意図的にデザイン』できれば、ウチのサービスをもっと広げることができるよね」

「『感動は作れる』ってことを研究し続けている慶應の教授がいるんだけど。彼が言うにはね、、、」

・感動する人は幸せ

・幸せな人は健康で長寿

・創造力も高く、生産性も高い

・自己肯定感も高く、利他的で周囲に貢献できる

「数字でも表れているんだけど、、」

・幸せだと創造性は3倍に

・生産性は31%アップ

・売上も37%アップする

「どう?感動できる人生を過ごしたくない??」

ここまで聞いて、すでに高松に、感動が広がりつつあります。

「感動・幸せ」が求められる背景には、

効率化・合理化を追求し続けた、これまでの大量生産・大量消費の時代に多くの人々が疲れ、違和感を抱き、

「多様性理解」「個の尊重」なる動きが広がりはじめたことがあるのかと。

他にも、

「ハーバードビジネススクール」の研究結果も共有いただきましたが、

「お金で幸せは買えるのか?」

「実はね、『正しい使い方』をすれば、幸せはお金で買うことができるんだよ」

「正しい使い方とはね、、」

・自分以外の誰かのために使うこと

・学生各自に、「5ドル、または20ドル」の現金と、
-「午後5時までに、このお金を自分のために使ってください」
-「午後5時までに、このお金を誰かのために使ってください」
上記どちらかのメモが入っている封筒を渡した実験では、

・自分のために使った学生たちの幸福度に変化は見られなかった

・一方、自分以外の人のために使った学生たちの幸福度は向上していた。しかも、金額の大小には関係がなかった

「要するにね。より高い幸福感を得るためには、お金を自分のために使うよりも、誰かのために使うことのほうが重要なんだよ」

「でね。ここに、5,000円分のAmazonギフトカードが人数分10枚あるんだ。みんなの日頃の頑張りに感謝してるので、これを差し上げるから、自由に使ってよ」

「おおおーーー!!!」

と、湧き上がる歓声!!

「感動がつくられた瞬間」を目の当たりにしました。

「これで何買おうかな?」
「書籍購入に使おう」
「ちょっと高めのワインを買う足しにしよかな」

なる声がそこかしこに漏れていましたが、

「あ、誰かのために使ってみてね」とAさんからのコメント。

「あ、、そりゃそうですよね。でも感動薄れた気がする、、、」

実験通りには、いかないモノですねw

 

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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