第210回 注意書きの狙い

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/注意書きの狙い

某大手さんにて「商品開発mtg」に同席させていただきました。

すでに「面白い新商品」が生まれており、その「広告」についての最終確認をなさっていましたが、

何やら、「※」「注1」「注2」などの記号がやたらと記され、さらには、ちいさな文字で「注釈」などが載せられているのです。

わたしたちが日頃触れる広告などにもよく見かける、ごくごく当たり前の「補足事項」ではありますが、

ここで新人さんが一言。

「 “補足事項” なんですが、大切なことなのに、小さな文字で見えづらいし、お客様にわかりづらいですよね、、」

「なんだかダマしているようで、ズルい感じがします。。」

確かに!!

広告や宣伝でよく見かけるものには、

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などの謳い文句の後に、

必ず、「※」印が添えられ

「自分たちに都合の良い短期間での集計データ」

「自分たちに都合の良い当社調べ」など

なかには、

「〜〜期間が終わり次第、自動継続とさせていただきます」

といった、まさに「自己都合のお約束」が記載されていることがほとんどですよね。

すっかり感心していたのですが、

新人さんは、

「小さくでも載せておけば、クレームがあった際などに

しっかりと書いてありますよね」

と言えるでしょうが、、、

「こっちは伝えているよね?」

「見逃しているそちらが悪いよね?」

ということを言っているようで、ぼくはイヤな感じがします、、

と、続けるのです。

あれやこれやと押し問答があった後に、

「デザインも含めて、最初からやり直そう。来週の同じ時間、また集まろう」と部門長が発言し、会議は終了しました。

重鎮たちが集まる場であっても、「自分の違和感」を大切に発言した新人さんも、

それを受け取り、「これまでの常識を変えよう!」と挑む先輩たちも、素敵!

新商品発表が楽しみなのであります!

 

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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