このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/ハリネズミのジレンマ
某業界最大手さん「イノベーション創出ワークショップ」でのひとコマ。
講師さんが「innovator’s dilemma(イノベーションのジレンマ)」について語ります。
業界トップに位置する企業が「さらなる高品質、高付加価値」を目指すものの、「顧客の声に耳を傾け過ぎて」、なかなかイノベーションが進まない、、
そんな事例を紹介し、
「自社の状況は一体どうなんだろう?」
と、振り返っていく。
そんな流れでワークショップは進んでいきます。
皆が思い思いに「自部署の業務状況」や「関係部門との連携強化の難しさ」などを語ります。
すると、どなたかが、
「『ヤマアラシのジレンマ』に陥ってしまっているんです、、」
タカマツは初めて耳にした言葉でしたので、
「???」と興味を惹かれたのですが、
参加者の皆さんにとっては「当然の知識」だったようで、普通に会話は続いていきます。
「ヤマアラシ」とは、鋭いトゲで覆われた体を持つ、まあハリネズミみたいな生き物であり、そんな生き物がジレンマを抱える。
「ヤマアラシのジレンマ」とは、人間関係に当てはめて考えられた心理学用語のことなのだそうです。
「二匹のヤマアラシが、親しくなろうとして近づくと、お互いのトゲで傷つけ合ってしまうことから名づけられた」ようで、
つまりは、「相手と親しくなりたいのに、近づきすぎると傷つけあってしまう、、傷つけたくない、、傷つきたくない」という「矛盾と葛藤」を意味しているのです。
営業部門と開発部門、、
こちらの両部門が、イノベーションを進めるにあたって、板挟みになってしまっている、、
そんな状況が存在しているのだそうです。
3時間程度のワークショップでしたから、「すごいイノベーションが生まれた!!」とか、「それを阻んでいる原因のすべてが明らかになった!!」というワケではありませんが、
皆にとっては有益な時間だったようです。
それにしても、皆さんは「ハリネズミのジレンマ」って、ご存知でしたか?
あの場では、タカマツ以外の全ての人が知っていることでしたが、
「みんなが知っていて、自分だけが知らない、、」
大手さんとお付き合いをしていると、この手の経験をすることが頻繁にあります。。
タカマツとしては、「教えを乞う日々」なのですが、、少々凹んでしまうこともあるのです。。
そんな時には、
「高松さんだけが知っていて、他の誰もが知らない特別なことがたくさんあるよ!」
と、すでにご退任なさっている大手の元社長さんからいただいた言葉を噛み締めるように生きているのであります。
そんなことがホンマにあるんかどうかはわかりかねますが、、