いきなり聞きますけど。
はい。
そもそも三澤さんって、何屋さんなんですか?
ソルナの企業コンセプトは「会社の病院」です。
会社の病院?
会社も病気になるんですよ。「今の会社の状態って病気だな」となった時に、相談できる場所。それが会社の病院。
たとえば人間だったら、症状によって行く病院も変わるじゃないですか。耳の病気なのに眼科行ってもしょうがないわけで。
そうですね。
そういう意味では、ソルナは何科の病院なんですか?
皮膚科、眼科、内科みたいな分類でいうと「情報科」ですね。
情報科ですか。
はい。現代社会には「情報の病気」っていうのがあるんですよ。
情報の病気?
インターネットとかスマホの普及によって、今までになかった新しいウイルスが登場したんですよ。それがネットの書き込みとか口コミ。
ネットに書き込まれることによって、会社が病気になる?
そうです。書き込まれることによって「会社のイメージが毀損している状態」。それが情報の病にかかった状態。
ブランドが毀損している状態ってことですか?
そうです。企業ブランドが病気になってる状態。
じゃあ、会社のブランドが病にかかったときに、それを治してあげるのが仕事?
ひとつは治してあげること。もうひとつは人間ドックみたいに、いち早く病気を見つけてあげること。
人間ドックですか?
はい。人間ドックに定期的に行くから、早期に病気が見つかるわけです。
でもネットの書き込みって、病気と違って目で見えるじゃないですか。自分で分かるんじゃないですか?
いやいや、手作業では無理です。膨大な情報量ですから。
確かに、書き込みってどんどん増えていきますからね。
その中には「いい書き込み」もあるし「悪い書き込み」もあるし「どちらでもない書き込み」もある。
なるほど。それを見極めなくちゃいけないわけですね。
そうです。
じゃあ、膨大な情報の中から「会社のイメージを毀損する書き込み」だけを探し出すってことですね。
はい。それを、いかに早く見つけ出すか。それが私たちの技術。
スピードが大事ってことですか?
「ガン」とか「火事」とかと、似てますね。
ガン?火事?
ガンは発見が早ければ早いほど、助かる確率が高い。火事も発見が早ければバケツ1杯の水で消せる。
ネットの病気も、時間とともにどんどん悪化する?
本当に燃えてしまうと、バケツ100杯の水があっても消せません。最大のポイントは、とにかく早く発見すること。
長い間放置しておくと「いろんな人が見ちゃう」ってことですよね?
はい。そうなると対策が後手に回って、大変なことになります。
じゃあ、まだ5人しか見てない場合と、1万人ぐらいがリツイートしてる場合では、対策がぜんぜん違う?
対策の大きさが、ぜんぜん違います。
かかる費用も違うんですか?
かかる費用も、時間も、企業の被害も、ぜんぜん違いますね。
被害を最小限に止めて、できるだけコストをかけないためには、予防が大事ってことですね。
そういうことです。
発見した後には、どういうことをするんですか?書き込まれたものを消しちゃうわけですか?
弁護士が削除申請をするんですが、いまは本当に削除が厳しくなりましたね。だって「あの店は美味しくなかった」っていう書き込みって、別にデマじゃないですから。
まあ確かに。その人の主観ですもんね。ではどうするんですか?
消すのではなく、表示されにくいようにする。つまり見つけにくくするしかできません。だから理想は、やっぱり先ほどからお伝えしてるように、予防が重要なんですよ。
それってつまり、書き込みの監視ってことですよね?
そうです。書き込みをいち早く発見するための監視。
でも早期に発見しても「完治」は難しいですよね?
難しいです。だから我々は更にその先を行く必要があるわけです。
最近リリースされた「ネットの履歴書」が、それなんですか?
そうです。監視の更に一歩手前の予防。
それは一言でいうと、どういうサービスになるんでしょうか?
一言でいうと「この人たちは採用しちゃいけない」という人を、採用前に発見するサービスです。
なぜ採用が予防につながるんですか?
企業に関する書き込みのほとんどが「元社員」や「元アルバイト」による書き込みだからです。
なんと!逆恨みってことですか?
元々キレやすい人って、いるじゃないですか。
はい、いますね。ちょっとしたことですぐ腹を立てる人。
そういう人って、SNSの情報とかにハッキリと傾向が出るんですよ。
キレやすい人を特定できるってことですか?
キレやすい人、ネガティブな書き込みをする人、犯罪を犯した人、その予備軍。
そんなことまで分かるんですか?
今やネット上には膨大な情報がありますからね。
たとえばネガティブな書き込みする人って、どんな人ですか?
上司に向かって「バカ」だの「死ね」だの「ぶっ殺す」だの言ってる人とか。
それはネット上で言ってるってことですか?
はい。
なるほど。そういうことを書く人って、何か決まった傾向があるんですか?
これは心理学の先生に入っていただいて、調べてるんですけど。
はい。
たとえば子どもとぶつかって、子どものことをすごく罵倒したり、激高したりする人。
それは、危なそうな人ですね。
そういうタイプの人って、会社で何かあった場合に「自責ではなく、他責に向かう」という傾向があるんですよ。
そういう人がネットに書いちゃうと?
はい。
そういう人って、全体の何%ぐらい、いるんですか?
犯罪にかかわっているレベルの人が1.4パーセント。SNS上でトラブルを起こしそうな人が12.3パーセント。
実際の犯罪者も混じってるんですか?
はい。知らずに採用しているケースは多々あります。
それって大問題ですよね?
はい。企業責任が問われる場合もありますから。少なくともブランドイメージの毀損は甚だしいです。
じゃあ、そういう犯罪者も含めて、避けるべきトラブル予備軍は何%ぐらいですか?
合計すると14%ですね。
結構いるんですね。
でも逆にいうと、86%の人は問題を起こさないということです。
確かに。もっと書き込みしてそうですもんね。
SNSでの発信はみんなやってるんですけど、普通の人は理性があるので問題になるような書き込みはしないんですよ。
じゃあ、その「理性ある86%」の中から採用していれば、リスクはかなり抑えられると?
理性とリテラシーのある86%ですね。それを見抜くことが、ネット時代の最大のブランド対策です。
・・・次回へ続く・・・