ネットの履歴書
第15回『アバターくんの役割』

株式会社ソルナが開発した究極の履歴書。それがネットの履歴書』これまでの履歴書や職務経歴書とは何が違うのか。なぜ究極と言えるのか。その秘密に迫ります。

小さなブルーオーシャンを追え
〜ネットの履歴書〜

第15回『アバターくんの役割』

 

安田

先日、人工知能の専門家って人と対談しまして。

三澤

AIの専門家ですか。

安田

はい。インターネットの次は、人工知能とうまく付き合える人が成功者になるそうです。

三澤

でしょうね。

安田

で、面白かったのが、アバター的なインターフェイスが出来るんじゃないかという話。

三澤

アバターですか?

安田

はい。アバターってご存知ですか?ゲームに出てくる自分の分身みたいなやつ。

三澤

はい。知ってます。

安田

欧米では音声をインターフェイスにしようとしてるみたいで。

三澤

ですよね。スマートスピーカーとか。

安田

はい。欧米はクルマ文化なので、声と耳を使うインターフェイス。

三澤

で、日本はアバターが出てくる可能性もあると。

安田

はい。自分のアバターをインターフェイスにして、ネットの世界に入って行く。面白いですよね。

三澤

まさしくオタクの世界ですね。

安田

テレビの中の人って、素顔とは別に、芸能人としての顔があるじゃないですか。

三澤

はい。

安田

あんな感じで、ほぼ全員がWebの中に「もうひとつの顔」を持つようになる。

三澤

別人格ってことですよね。日頃のリアル社会とは違う。

安田

そうです。そこに人工知能がくっ付いて、どんどん成長して行くわけです。

三澤

でも、要は自分ってことでしょ?アバターだから。

安田

Webの中のもうひとりの自分みたいな感じなんですけど、人工知能がついてるのでちょっと違うわけです。

三澤

それはどのように?

安田

たとえば自分が寝てる時にも活動してくれたり。自分の代わりに勉強しておいてくれたり。

三澤

それこそ映画の「アバター」みたいですね。

安田

はい。ひとり1アバターの時代。

三澤

でも、それって何が楽しいんですか?

安田

たとえばツイッターとか。酔っぱらって変なことを書いてしまうときに、ちゃんと止めてくれたり。もうちょっとわかりやすい言葉で発信してくれたり。

三澤

良きパートナーみたいな。

安田

そうそう。そんな感じです。そのパートナーをどう育てていくかで、人生が変わる。

三澤

人間は勉強嫌いなので、社員の代わりにアバターに勉強させるとか。

安田

そうなんですよ。アバターにアポ取らせるとか。企画書を作らせるとか。

三澤

もはや本体の方は、あまり関係がないですね。

安田

アバターがめちゃくちゃ優秀だったら、勝手にアポイント取って、勝手に営業成績を伸ばしてくれる。

三澤

いいですね。欲しいです。そんなアバター。

安田

そういう時代が近いんじゃないかと言われてます。でもそうなってくると、書き込みとか風評被害ってどうなるんですかね?

三澤

この前、ある大学教授と話したんですけど。ネットの書き込みが、どんどんひどくなっていくのは「相手の顔が見えない」という要素があると。

安田

それは絶対にありますよ。

三澤

なので、これ投稿したら「相手がこんな悲しそうな顔する」みたいな、それこそアバターができたら、抑止力になるかもしれません。

安田

確かに。アバター同士の方が、健全なやりとりになるかもしれませんね。

三澤

人間みたいにドロドロしてませんからね。

安田

たとえば出会い系サイトとかも、アバター君どうしが先に話をつけた方が健全かもしれませんね。

三澤

いろんな相性もわかるし、その方がちゃんとした出会いになるんじゃないですか。

安田

そういうサービスってないんですか?

三澤

聞いたことないですね。でも、直接コミュニケーションを取りたくないっていう人、多いですからね。

安田

増えてる気がしますね。

三澤

会うのは嫌、電話も嫌、メールにしてください。みたいな。

安田

いま流行ってる「退職の代行サービス」もそうですよ。本人は辞めたいけど「辞める」って直接言えない。

三澤

面倒くさいんでしょうね、やっぱり。

安田

面倒くさいんですかね。

三澤

言えなくはないけど、やっぱ面倒臭い。男女間の別れ話とかでも「今日言わなきゃ」「今日言わなきゃ」「今日も言えなかった」みたいな(笑)

安田

そういう人いますもんね。一定数。

三澤

たくさんいると思いますよね。とくに悪い話とか、相手をがっくりさせてしまう話とかが苦手な人。

安田

でも会社の悪口とかは平気で書くんですよね。

三澤

ですね(笑)

安田

ちなみに会社の悪口を書く人って、辞めたあとに書くんですか?

三澤

どちらもいますけど、多いのは辞める前ですね。

安田

辞める前に書くんですか。

三澤

転職活動するときに書いちゃうんですよ。

安田

それはなぜ?

三澤

いま自分が働いてる職場の情報を書かないと、他の情報がタダで見れないから。

安田

そんなシステムになってるんですか!

三澤

はい。「もうこの会社辞めようかな」となった時に、在職しながら情報を交換して、転職活動していくっていう。

安田

じゃあ転職サイトに書かれるのがいちばん多いんですか?

三澤

「転職会議」とか「Vorkers」とか「キャリコネ」とか。「内部告発を奨励します」っていうスタンスの会社があるので、そういうところに書きます。

安田

「いや、これは事実じゃないよ」っていうことでも、消してもらうのは難しいんですか?

三澤

いまはもう消してくれません。「個人の意見なので消せません」という立場。

安田

なぜそんな強気なんですか。

三澤

企業と相当数裁判で争ってるんですよ。で、転職会議がどんどん勝っていったので「消さなくていいじゃん」みたいになった。

安田

裁判で勝てるのは、「事実じゃない」って認定するのが難しいからですか?

三澤

難しいですね。

安田

本人がパワハラと感じたら、もうそれはパワハラだと。

三澤

そういうことです。いきなり電車で手をつかまれて「この人痴漢です!」ってやられたら、痴漢してないって証明できない。

安田

それと同じだと。

三澤

会社は「パワハラしてません」って主張しても「じゃあ、パワハラしてない証拠を出しなさい。そしたら消してあげます」となる。

安田

転職会議の側も、そういう「ちょっと過激な書き込み」を増やしたいんでしょうね。

三澤

増やしたいと思いますね。

安田

だから、できるだけ消したくないっていう。

三澤

そうなんですよ。

安田

やっぱりアバターくんじゃないですかね。

三澤

アバターくん?

安田

もう、部下とか上司とは直接やりとりしない。お客さんも含めて、やりとりは全てアバターくんがする。

三澤

そしたらパワハラもセクハラも起こらないと。

安田

仕事だってもっとスムーズに進みますよ。

三澤

余計な根回しとか会議もなくなりますね。

安田

はい。いい事だらけです。

三澤

でもそうなったら、本人は何するんですか?

安田

アバターくんに指示されたことだけ、やっとけばいいんです。

三澤

どっちがアバターかわからないですね(笑)

・・・次回へ続く・・・

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