ネット情報って、自分でも調べられますよね。私なんか自分の名前入れると、いっぱい情報が出てきます。
そうですね。
普通の人が調べるのと、ネットの履歴書と、何が違うんでしょうか?
「探し方のノウハウ」としか言いようがないんですけど。
探し方のノウハウ?
はい。まず、一般の方が普通に検索して出てくる情報って、氷山の一角でしかない。
それは、GoogleやYahooで検索しても、一部分しか出てこないってことですか?
そうです。
なぜ全部出てこないんですか?
そもそも、Googleに「読み込んでいいよ」っていう許可を出していない。
どういうことですか?
Googleは勝手にロボットがきて、情報をとっていくんですけど、「来るな」っていうこともできる。
できるんですか!?そんなこと。
はい、もちろん。ディープウェブとかダークウェブと言われています。厳密には両者の意味は違うんですけど。
ディープウェブにダークウェブ?
どちらもなかなか普通の人が行けないような、行き着かないような特殊な通信空間ですね。
なぜ行けないんですか?
知らないといけませんし、危険ですから。そもそもGoogleという会社は、「ユーザーに優しいサイト」を評価して上にあげるんですよ。
ユーザーに優しい?
たとえば「ウイルスが含まれているようなサイト」って上位にあがらない。
そうなんですか!
そうなんです。Googleさんって、親切なんですよ。
たとえば「危ない人がいそう」だとか「事件に巻き込まれそう」だとか?
そういうのは、できるだけ拾わないようにしてくれてます。
へぇ。ホントに親切なんですね。
検索以外のサイトなんかも、迂闊に入ると、そこから逆に追いかけられちゃうわけです。
追いかけられる?
はい。IPアドレスっていうのを、辿って来られちゃうんです。それで自分のパソコンにウイルスを仕込まれたり、何かの犯人にされたり。
恐ろしいですね。
だから普通の人は、近寄らないほうがいいです。
プロはどうやって近寄るんですか?
IPアドレスをまったく相手に通知されずに、そこに入っていく方法っていうのがあるんですよ。
映画の世界ですね。
そうですね。かなり特殊な分野の知識ですね。
でもGoogleで検索しても、出てこないんですよね?
出て来ないです。
じゃあ、どうやってたどり着くんですか?
「ダークウェブの見方」などと検索したら、出てきます。
え!そうなんですか?
はい。
「ダークウェブの見方」は、Googleさんは出しちゃうんですか?
出しちゃうんです。ものすごい犯罪の温床になっていますけどね。
犯罪の温床?
はい、武器とか麻薬とか、企業の機密情報の売買場所になっていたり。仮想通貨が登場して、さらに酷くなりましたよね。
そんなのがあるんですか!じゃあGoogleさんも出しちゃダメじゃないですか。
そのサイト自体は、べつにダメじゃない。情報提供だけなので。
「どうやってアクセスするか」という情報だけなら、害はないと?
そうです。ただ、そこに貼られてるリンクが「詐欺サイト」などに繋がってると、ブロックされることもあります。
じゃあ、その先は自分で判断しろと?
そのサイト自体に問題がなければ、ただの情報なのでGoogleはあげてきます。
怖いですね。でもそのリスクを負えば、個人でも情報は手に入るということですか?
もちろん大きなリスクを追ってトライするのは個人の自由ですが、意味のある情報に行きつくのは難しいでしょうね。
なるほど。じゃあ、個人で検索するのは危ないし、検索しても出てこない情報があると?
あとはスピードですね。私たちが一瞬で集めて来れる情報も、普通の人が集めると丸2日かかるとか。
じゃあ情報の質も違うし、自分でやろうと思ったら、とてつもない時間がかかる?
個人でツールもないとなると、ちょっと無理ですね。
素の人物像を見極めるとなると、表に出てこない情報が大事になってきますしね。
消されてしまったサイトとかもありますし。
消された情報も見つけられるのですか?
コピーをとってるサイトが、世界中にたくさんあるんですよ。そういう情報をどれだけ知っているかも大事です。
なるほど。
あとは日本人の場合、同姓同名の方が多いので。
確かに。漢字まで一緒だと、どれが本人か見分けがつかないですもんね。
同じ名前の人がたくさん出てきた時に、情報を仕分けするだけですごく時間がかかります。
ちなみに、同姓同名の人をどうやって別人だと認識するんですか?
基本的には名前と、生年月日と、あと写真ですね。
写真って難しそうですね。撮り方とか、髪型で、ぜんぜん変わりますよね
「特徴点が何個一致したら本人として出す」という社内ルールが決められています。
なるほど。
まずは履歴書情報をいただいて、それを照合していくところから始まります。
いきなり違うってことも、あるんですか?
学歴・経歴は結構ありますね。職歴を飛ばして書いていたりとか。
いたことを、あえて書かないみたいな?
はい。あえて隠して書いている。
怪しいですね。
中途の職歴は、そういうの多いですよ。
へぇ!多いんですか?
だって、削りたいでしょ?数日しかいなくて、ポッと辞めちゃったとか。
確かに。 またすぐに辞めんじゃないのか、みたいな。
でも、ちょっとした書き込みでバレちゃうんですよ。
自分で書き込んでるんですか?
たとえば、お客さんが「担当してもらいました」とか。取引先の人が「誰々さんって人に会いました」とか。
なるほど。本人が知らないところで、書かれてるかもしれないと。
膨大な情報量ですからね、ネットは。
たとえば「水商売やってました」というのは、どうなんですか?
そのつもりで探しにいけば、見つけられますね。でも通常の採用では調べないです。
意外ですね。たとえば銀行とかってOKなんですか?「むかし水商売してました」みたいなの。
会社にもよりますけど、結構そこはOKですね。
・・・次回へ続く・・・