母から受け継いだ指輪をネックレスに、片方なくしたピアスをペンダントに、思い出の詰まった2つのリングを溶かして1つに――。魔法のようにジュエリーを生まれ変わらせるジュエリー修理・リフォーム専門店「Refine」(リファイン)。代表の望月信吾さんに、お客様に感動を届けるジュエリーリフォームの魅力、そして波乱万丈な人生についてお聞きする対談企画です。
第19回 「Refine」ショップに最適な立地条件
望月さんは現在Refineを3店舗やってらっしゃいますね。この3店舗、割と立地はバラバラじゃないですか。なぜこの3箇所にお店を作ったんですか?
それでいうと、特に共通点はないんですよね(笑)。それぞれお話をいただいたり、タイミングが合って出店しているだけでして。
ああ、そうだったんですね。3店舗とも成功しているから、何かものすごい戦略があって選んだのかと思っていました(笑)。
いやいや、結果的にうまくいっただけで。だから、過去に戻ってもう一度同じ場所にお店を出すかはわからないかな(笑)。やっぱり立地って、やってみないとわからない、っていう部分がどうしてもありますよね。
それは確かに。一方で、逆に「この立地では無理だろうな」という場所はないですか。一番シンプルに考えると、「過疎地だと難しい」とは言えそうですけど。
それはもちろんそうでしょうね。人がいないとそもそも商売にならないので。でも、仮に人通りがあっても、うちみたいなビジネスはいわゆるオフィス街だと難しいです。
ああ、確かに。忙しく働いているサラリーマンさんたちは、ジュエリーショップには来そうもないですもんね(笑)。ということは、住宅街とかの方がいいわけですか。
そうですね。オフィス街に比べたら圧倒的に住宅街の方がいいと思います。ただ新興住宅地のような、若い人がたくさん住んでいるところはあんまり向いてないですね。
ああ、そうか。40代~60代のお客様が多いということでしたもんね。
ええ。そう考えると周りに古くからの住宅が多くて、50代以上の人が多く住んでいるところが狙い目かもしれません。
高級住宅街はどうなんですか? 白金とか根岸とか。
うーん、以前桜新町にお店を出していて、そこは道路1本挟むと深沢というかなりの高級住宅街だったんです。でも、そちらからのお客様はほとんどいらっしゃらなくて。おそらくデパートに行かれるんだと思います。
ふーむ、なるほど。ジュエリーはたくさん持ってそうですけど、あんまり修理したりリフォームしたりっていう感覚がないのかもしれませんね。
そうかもしれません。そう考えると、下町のような雰囲気の場所がいいような気がします。長く住んでる人も多いし、年齢層も高めなので。
ああ、確かによさそうです。あんまりお金持ちでもダメだけど、かといって毎日の生活に困るようではリフォームにお金を掛けられないですもんね。それに、高級住宅街だとお店の家賃も高くなってしまう。
そうそう。1人のオペレーションでやるなら、5~10坪の広さで15万円くらいの家賃が妥当かなと思います。
なるほど。路面店で、しかも1階がやっぱりいいですよね。
それは間違いなくそうですね。商業施設だったら別ですけど、2階以上だとすごく入りにくくなってしまうので。
確かに。中が見えづらいし、なかなかフラッと入れないですもんね。
そうそう。あとは片側2車線3車線あるような大通りの繁華街は向かないですね。人通りがそこまで多くないのと、店も多いので素通りしてしまうんですよ。
ふーむ、なるほど。ちょっと裏通りとかで、「何のお店だろう」と足を止めたくなるような雰囲気の方がいいってことですかね。
それもすごくいいと思いますし、住宅街にポツンとあるような雰囲気でもいいと思います。
へぇ、そうなんですね。確かに言われてみると、そんな場所にお店があったら気になりますもんね。ちなみに「人口がどのくらいだと成功しやすい」とかはあるんですか?
あまり明確な基準はありませんが、東京や大阪などの首都圏とか、その近辺のある程度大きな都市がいいでしょうね。関西だと兵庫あたりとか、九州だったら福岡とか。……とはいえ、やはり「やってみないとわからない」というのが正直なところです。実際いろんなチェーン店もプロが分析して出店地を決めますけど、全部がうまくいくわけじゃない。
なるほど。つまり、失敗する可能性をなるべく下げた状態で、まずは挑戦してみることが大事だということですね。
対談している二人
望月 信吾(もちづき しんご)
ジュエリー工房リファイン 代表
25歳で証券会社を退社後、父親の経営する宝石の卸会社に入るが3年後に倒産。その後独立するもすぐに700万円の不渡り手形を受け路頭に迷う。一念発起して2009年に大塚にジュエリー工房リファインをオープンして現在3店舗を運営。<お客様の「大切価値」を尊重し、地元に密着したプロのサービスを提供したい>がモットー。この素晴らしい仕事に共感してくれる人とつながり仕事の輪を広げていきたいと現在パートナー募集中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。