母から受け継いだ指輪をネックレスに、片方なくしたピアスをペンダントに、思い出の詰まった2つのリングを溶かして1つに――。魔法のようにジュエリーを生まれ変わらせるジュエリー修理・リフォーム専門店「Refine」(リファイン)。代表の望月信吾さんに、お客様に感動を届けるジュエリーリフォームの魅力、そして波乱万丈な人生についてお聞きする対談企画です。
第30回 ジュエリー職人だけが知る、金の裏側

笑。インゴット、つまり金の塊がありますよね。あれって封を開けていない状態だと、プラスチックケースに入っているんです。で、ケースに入っているからと安心して購入したら、中身が金メッキの貼られたタングステンだったことがあって。

比重検定機械ではチェックしていたんですけど、タングステンは比重が金と非常によく似ているので気が付かなくて。本当に調べるには、溶かすか特定の試薬を使うしかないので、簡単には試せませんしね。身分証も提示されていたので油断してしまいました。

基本的には、製造したメーカーや職人が入れます。例えば私たちが作るジュエリーでも、職人が18金の刻印を機械で打ちますしね。ちなみに刻印自体の品質も経験で分かるんです。刻印が雑だったり汚かったりすると、「これは怪しいな」となります。特に外国製のものは注意が必要ですね。

その時の相場プラス手数料をいただいて買い取りさせていただいてますね。最近は特に金の価格が上がっているので、買い取り価格を聞いて驚かれる方も多いですよ。ちょっとしたジュエリーが数十万円になることもあるので。

18金は金の割合が75%ということなんですが、残りの25%に銀や銅を入れると普通の18金になります。それをパラジウムにするとホワイトゴールド、銅を多くするとピンクゴールドになるんです。その中でも今一番値段が高いのはホワイトゴールドですね。

それでわかっちゃうんですねぇ。そう考えると「ジュエリーリフォームアドバイザーになりたい」という人は、日頃からたくさんのジュエリーを見ておくことが必要かもしれませんね。
対談している二人
望月 信吾(もちづき しんご)
ジュエリー工房リファイン 代表
25歳で証券会社を退社後、父親の経営する宝石の卸会社に入るが3年後に倒産。その後独立するもすぐに700万円の不渡り手形を受け路頭に迷う。一念発起して2009年に大塚にジュエリー工房リファインをオープンして現在3店舗を運営。<お客様の「大切価値」を尊重し、地元に密着したプロのサービスを提供したい>がモットー。この素晴らしい仕事に共感してくれる人とつながり仕事の輪を広げていきたいと現在パートナー募集中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。