庭師でもない。外構屋でもない。京都の老舗での修業を経て、現在は「家に着せる衣服の仕立屋さん(ガーメントデザイナー)」として活動する中島さん。そんな中島さんに「造園とガーメントの違い」「劣化する庭と成長する庭」「庭づくりにおすすめの石材・花・木」「そもそもなぜ庭が必要なのか」といった幅広い話をお聞きしていきます。
第95回 高級品になった「庭石」のゆくえ

以前仰っていた「石の価格が上がっている」という話が気になっているんですけど、実際そんなに高騰してるんですか?

そうです。大谷石みたいな国産の石もありますけど、こちらはそもそもの希少性もあってかなり高額なんです。だから基本的には皆さん輸入品を検討するんですが、そちらはそちらで上がってしまったと。

あらゆるものが値上がりしてますし、売上や給料も同じペースで上がっていかないと厳しいですよね。このまま住宅のコストが上がっていったら、石が高いとか以前に、庭そのものにお金をかけられない人が増えるかもしれない。

そうですね。庭づくりの予算が限られる中で、素材選びも難しくなっています。しかも国産の石はそもそも種類が少なく、先ほども言いましたが希少性が高く非常に高価なんですよ。だから輸入品に頼る傾向が強まっていたんですが、その輸入品も今は高騰してしまっているという状況で。

なるほど。そうなると以前お聞きしたリフォーム時に出た石を再利用するというのが、有効なのかもしれませんね。かなり安く庭が作れると仰っていましたし。

仰る通り、それができたら最高なんですけどね。ただ石って、当たり前だけど重いんですよ。1メートルほどの石でも500~800キロある。再利用するにしても、運搬だけでかなりコストがかかってしまうんです。

なるほど、もったいないなぁ。まとまった量が集まれば色ごとに分けることもできそうですが、それも現実的には難しそうですもんね。ちなみに処分というのはどうするんですか? 最終的には粉砕されて砂利になるんですか?
対談している二人
中島 秀章(なかしま ひであき)
direct nagomi 株式会社 代表取締役
高校卒業後、庭師を目指し庭の歴史の深い京都(株)植芳造園に入社(1996年)。3年後茨城支店へ転勤。2002・2003年、「茨城社長TVチャンピオン」にガーデニング王2連覇のアシスタントとして出場。2003年会社下請けとして独立。2011年に岐阜に戻り2022年direct nagomi(株)設立。現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。