第101回 少ない予算でも人が採用できるコツ

この対談について

「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。

第101回 少ない予算でも人が採用できるコツ

安田

今日は中辻さんに「人と仕事とどっちが先?」というのをお聞きしようかと。中小企業の経営者さんに聞くと、「仕事を作るのが先」と言う人が多かったんですけど。


中辻

それはつまり「仕事が増えた後で人を採用しよう」ということですか?

安田

そういうことです。でもこの採用難の時代、「仕事はあるけど人がいない」という会社も多いんです。その結果、「人を先に採用しておいて、それから仕事を増やしていく」と言う経営者も増えてきている。中辻さんはどちら派ですか?


中辻

ポスティングスタッフに関しては、完全に「人が先」です。一番忙しいのは1〜3月の間なんですけど、基本的には通年で補充していますね。

安田

繁忙期だけ増員するんじゃなく、通年で採用しているんですか。それはどうして?


中辻

入ってすぐのスタッフさんに、いきなり大切なお客様のチラシを任せるのはリスクが高いので。じっくり研修もしながら、安心してお任せできるレベルに育てる期間が必要なんですよね。

安田

なるほど。じゃあ『マメノキカンパニー』の内勤業務や『コビトベニエ』はどうです? こちらもやっぱり「人が先」になります?


中辻

いえ、そちらに関しては「仕事=何をやりたいか」を先に考えていますね。売上を増やすために何をするかが課題になると思うので、今までになかったサービスを始めるのか、新しい商品を作るのか…みたいなことをまず考えます。その上で、今いる人材だけでは難しそうだとなったら人員補充をするかな。

安田

ポスティングスタッフは固定給ではないので、何人抱えておいても人件費はかからない。そういう意味では先に人を増やしやすいとは思うんですが、社員雇用だと雇った瞬間からお金が出ていくじゃないですか。


中辻

そうですね。しかもこちらの期待通り活躍してくれるとは限らないし。

安田

そこが経営者の悩みどころ・考えどころなんだろうという気もするんです。ともあれ中辻さんには採用力がありますもんね。だから先に仕事を作って、後からそこにマッチした人採用すればいいか、という感覚なんじゃないですか?


中辻

確かにウチは採用に困ったことがほとんどないんですよ。でもそれは私の採用力と言うより、「女性に限定した採用をする」という特徴があったからなんだろうなと思ってます。

安田

もちろんそれも1つの要因でしょうが、私はやはり中辻さんが採用上手だからだと思いますよ。求人内容も中辻さんが考えているわけで。


中辻

ありがとうございます。それでいうと1つ自慢したいことがあって(笑)。実は先日、広島のうどん専門店のお客様からチラシの依頼を受けまして。そうしたらオーナーさんから「チラシに求人も入れてください」って言われたんですよ。

安田

あれ? チラシに求人広告は載せちゃダメって以前仰っていましたよね。


中辻

仰るとおりです。だから私も「それは絶対やめた方がいいです」ってハッキリお断りして。でも現実問題、オーナーさんは求人にも困っていらっしゃるわけですよ。それで「私がIndeedで求人出しましょうか?」って言っちゃったんです(笑)。

安田

いや〜さすがです(笑)。つまり「採用コンサルやりますよ」って自分から言ってしまったと。


中辻

そうなんですよ。それであれこれヒアリングして原稿を作って。心の中では「うどん屋さんの求人なんてやったことないし…」「大阪と広島、人口も全然違うし、ほんまに応募くるんかな」ってめちゃくちゃ不安でしたけどね(笑)。

安田
へ〜。それで結果はどうだったんですか?
中辻

2万5000円の広告費で、既に6〜7名の応募があったそうです。過去に10万円かけて地域紙で募集した際は1〜2名の応募だったらしいので、だいぶ改善されました。

安田

それは素晴らしいですね! …ちなみにいったいどうやったんですか?


中辻

いつも通り、めっちゃ頑張って求人文を書いただけです(笑)。強いて言うなら、現スタッフが女性が多かったので、女性視点で書いたのが良かったのかもしれません。

安田

いやぁ〜素晴らしいですね。ライターの才能もありますよ。


中辻

ありがとうございます(笑)。自分で勝手にストーリーを作り上げながら書くの、得意なんです。今回も実際に働いている人になりきってあれこれ書かせてもらって。

安田

素晴らしい。求人広告って、ほとんどの人は「会社目線」で書いてしまうんですよね。「ウチの会社はこんなにいい会社なんです」とか「こんな人が欲しいです」というように。そういう中で中辻さんの書くようなコピーを見たら、そりゃ興味湧きますよ。


中辻

嬉しいな〜、ありがとうございます(笑)。

安田

中辻さん、採用事業も立ち上げたらどうです? たぶんチラシだけじゃなくて求人広告でもお金取れますよ。今回の求人だって何十万円かの価値はありますね。


中辻

いや〜実は今回うまくいくかどうかがわからなかったので、執筆費用として1万円くらいしかいただいてないんです(笑)。

安田

え?! 自分のスキルを安売りしちゃダメですって。最低でも15万円くらいはもらった方がいいですよ。


中辻

でもそれで成果が出なかったら大変じゃないですか(笑)。まだまだポスティングほどの自信はないので…。

安田

20万円で設定して、「半年間で応募0だったら、全額返金します」ってすれば、きっとうまくいくと思います! 集客だけでなく求人にも困っている方がいたら、ぜひ中辻さんにご相談してみてください!!

 


対談している二人

中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役

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1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

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