「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。
第55回 仕事の中から「好き」を見つけ出す方法

中辻さんを見ていると、「好き」という気持ちが物事をうまく進めるための原動力になっていると感じます。

でも、多くの人は「好き」だから成功しているわけではなくて。例えば音楽が好きだからミュージシャンになれるわけでも、野球が好きだからプロ野球選手になれるわけでもない。どうしたら中辻さんのように「好き」を「自分の武器」に変えていけるのか、今日はその秘密を聞かせていただきたいです。

そんなこと言ったら怒られますよ(笑)。みんな好きなことで稼げないから、仕方なく「生活のため」「家族のため」と我慢しながらやっている。中辻さんみたいに「好きなことをやっていたら稼げました」だなんて、そんなうまい話はない、というのが大多数の人の意見ですよ、きっと(笑)。

あぁ、そうなんですかねぇ。でも何かしら好きなことがあるから、その仕事を選んだんだと思うんですけれど。例えばミュージシャンを目指していたけど断念して、普通の会社に就職した方だって、働いているうちに会社や仕事内容を好きになるもんじゃないんですか?

印刷会社に入社した時なんて印刷の「い」の字も知らなかったですもん。好きになる以前の問題(笑)。でも働きながら知識をつけていって「特殊印刷ってすごいな」という感動があったから、そのあと頑張り続ける気になったわけで。

もちろん興味がゼロだったわけではないです。でも自分が取り組んだ仕事で成果が出て、お客様にも喜んでもらえたらすごく嬉しくて。そういう経験をたくさん積めたことで、広告のお仕事にやりがいや誇りを感じられるようになりましたね。

ああ、そうか。ヤクルトレディとして活躍されていた時なんかはまさに、「競争心」のみで成績をアップさせていたわけですもんね(笑)。

あくまでも「やりがい」を突き詰めていった先に「稼げた」という結果があったわけですね。ということは、「生活のため」とか「とりあえず稼ぐため」という気持ちで我慢しながらする仕事は、そもそもやっちゃダメだよ、と?

というか、今お話しててふと思ったんですけど、もしかすると私の場合、「仕事を任せてもらえる」というのがキーだったのかもしれません。どんな仕事でも、任せてもらったことで俄然やる気が出てくるというか。

そうそう。たぶんそれは私の学歴も大きく影響していて。だってろくに中学も行ってなくて、漢字もまともに書けないような私を「一人前」とみなして信頼してお仕事を任せてくれる。そんなのもう、仕事も上司も好きになっちゃうじゃないですか!(笑)

なるほど(笑)。そうは言っても、やはり中辻さんの「好きを見つけ出す能力」と、それを「形にする能力」には毎回驚かされます。6月オープン予定のベニエ屋さんだって、「ベニエが好き」という気持ちがスタートなわけですから。

はい。私の場合は「営業成績アップ」でしたが、「良いプレゼンをしてライバル社に勝つ」とか「資格試験に合格して給与アップを目指す」とか、なんでもいいんです。とにかく「脇目も振らずに頑張れること」を探してみるといいのかなって。
対談している二人
中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役
1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。