「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。
第65回 そのチラシ、何点ですか?

『日本ポスティングセンター』では、「チラシの無料診断」をされていますよね。これは中辻さんが診断してくれるんですか?

ええ。営業マンが会社の特徴や強みを上手に表現できていればいいんですけど、その逆のパターンもあるわけです。チラシに載っている写真が粗悪だったりフォントがチグハグだったり、あるいはイケてないデザインだったりすると、むしろ「悪いイメージの営業」になってしまう。

ははぁ、なるほど。確かに「どこどこに塾をOPENしました」とだけ言われても、「ああ、また塾ができたのね」くらいにしか思われませんもんね。こちらにしてみれば「ついにOPENしたぞ!」という感じですけど、一般の方から見れば数多ある塾の1つに過ぎないわけで。

なるほどなぁ。うーん…でもそうは言っても、具体的に何を入れたらいいのか…。会社の理念・社長の人柄・サービスの詳細・顧客にどんな価値提供ができるか、みたいなことを全部入れたほうがいいってことですか? そんなにいっぱい入るかな。

そこが私たちの腕の見せ所で、「ここがフックになると思います」と提案することも多いです。複数あって1つに決められない場合は、配布ごとにフックを変えたりします。1回目は「会社の特徴」、2回目は「サービスの内容」、3回目は「金額の安さ」というように。

「この層に届けたい」というイメージは、基本的にお客様の中で固まっていますね。例えば先日、スポーツ用品店のチラシ作成をしたんですが、これまでは男性客がメインだったけど、女性や子どもさんにもPRしていきたいとリクエストがありました。

春先のタイミングだったので、ピンク色で可愛く「スプリングフェア」と書いて、桜のイラストを散りばめました。女性用のランニングシューズや子ども靴の写真を大きく載せて、「シューズのプロがいるので、サイズ合わせや履き心地のお悩み相談もできます」と。このようにして、女性が来店しやすい雰囲気を落とし込んだわけです。

そうですよね(笑)。だから男性向けの商品でも、奥様に「これ、いいんじゃない?」と思ってもらえるような造りを意識したりしますよ。そういう意味で、基本的には「女性の目に留まるチラシ」を前提条件として考えますね。

なるほど、おもしろい。ただ「女性向け」を意識し過ぎると、本来の商品やサービスとイメージが違っちゃうこともあるんじゃないですか? あまりにオシャレ過ぎて、「なんだか敷居が高そうだな」と敬遠されちゃったり。

そのあたりの塩梅は、売りたい商品の価格帯によって変えていきますね。例えば20万円くらいするエステサロンのチラシ。この場合のターゲットは「ある程度の富裕層」で「美意識の高い方」ですよね。そういう方たちには、相応に上品なデザインでアプローチします。

整骨院とか不用品の回収業者さんなどですね。そういうお店は中年からご年配の方がターゲットになるので、あまりビシッとキレイに作っても、とっつきにくいイメージを持たれてしまう。だから親しみが持てるフォントで、なるべく大きめの文字にして、金額やお店の情報もはっきり大きく書いてあげるといいかなと思います。

一応「辛口診断」って言っているんで(笑)。ただ見るからにひどいチラシばかりということじゃなくて、むしろ見た目はすごくキレイで、「デザイナーさんが一生懸命作ったんだろうな」というチラシが多いんですよ。でもそういうチラシって、先ほど安田さんも仰っていたとおり、キレイすぎるんです。

対談している二人
中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役
1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。