「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。
第70回 会社は誰のものなのか?

前回の対談に引き続き、今回も「会社経営」について踏み込んだ話をお聞きしていきたいと思いますが…大丈夫そうですか?(笑)

今ちょうど7期目に入った『マメノキカンパニー』は、中辻さんにとっては初めての会社経営なわけですよね。それなのに、ゼロから事業を立ち上げて今や売上2億円規模の会社になっている。かなり自信がついたんじゃないですか?

いやぁ、そういうことは全然考えてないです(笑)。もちろん今後も経営者として「やりたいこと」はたくさんありますけど、今のメンバーと一緒にやりたいんで。だから別会社を作るとか、1人で丸儲けとか、そんな考えは微塵もないですね(笑)。

でもね、例えばの話ですけれど、オーナー株主である久保さんが「マメノキカンパニーを売却しよう」という判断をするかもしれない。法律的には「会社は株主のもの」であって、そういう判断をするのも自由なんです。

そうそう。その結果、新しいオーナーによって経営方針や会社の雰囲気がガラッと変えられてしまう可能性もある。今のマメノキカンパニーは女性が働きやすい会社ですけど、新オーナーが「そんなの認めない」って言うかもしれないんです。

理屈としてはよくわかるんです。ただ、なんていうのかな…、久保さんって私のことを「親」のような気持ちで見守ってくれている気がして。20代そこそこで経営の「け」の字も知らないような私をここまで育ててくれたのは、やっぱり久保さんなので。

中辻さんと久保さんが「親子のような関係」だというのは、傍から見ていてもよくわかるんです。ただそれはあくまでも「ような」であって、「本当の親子」ではない。つまり万が一久保さんになにかあった場合、中辻さんが株を相続することはできないわけですよ。
対談している二人
中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役
1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。