「オモシロイを追求するブランディング会社」トゥモローゲート株式会社代表の西崎康平と、株式会社ワイキューブの代表として一世を風靡し、現在は株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表および境目研究家として活動する安田佳生の連載対談。個性派の2人が「めちゃくちゃに見える戦略の裏側」を語ります。
第58回 クリエイティブ職が生涯年収を上げるには?

この対談でも営業の話はたくさんしてきたんですけど、今日はクリエイティブ職についてお聞きしたいなと。トゥモローゲートさんにもデザイナーさんとかライターさんがいると思うんですけど。

クリエイティブ職の人っていろんなタイプがいるじゃないですか。でね、聞きたかったのが「生涯年収を上げる」という観点で考えた時に、どうなんだろうと。とんでもないクオリティのものをじっくり生み出す人と、ある程度のクオリティのものをコンスタントに作る人、どっちが儲かると思います?

私自身は割と使い分けてますね。案件によって、「今回はちょっと普通のデザインじゃ弱いな」という場合はアーティストタイプに頼みますし、そうじゃない場合は別の商業デザイナーさんに頼んだりして。生涯年収という意味ではどうでしょうね。意外とアーティストタイプって稼げてなかったりしますもんね。

なるほどなるほど。ところでクリエイティブ職の方って、トゥモローゲートさんの社員さんみたいに会社に所属しているならいいんですけど、フリーだと「年齢の壁」みたいなものがあるんですって。40代とかになってくると、だんだん仕事が取れなくなっていく。

センスが古くなっていくとかそういうこともあるんでしょうけど、どちらかというと「発注側の年齢が若くなっていくから」みたいです。なんていうか、年上のデザイナーに仕事頼むのってちょっと気を遣うじゃないですか。

ありますよ。実際、いまの取締役常務はもともとクリエイティブ職の人間です。うちは戦略経営部と意匠制作部の2部門あるんですが、後者の責任者を任せてます。

へぇ~、それはいいですね。クリエイティブ職のキャリアプランとしては理想な気がします。でも、そういう人事を考えても、やっぱりトゥモローゲートさんは営業とクリエイティブの関係性がいいんでしょうね。一般的にはだいたい仲が悪いもんですけど(笑)。

ありがとうございます。そういうスタンスなので、ウチは初回の打ち合わせは全プロジェクトメンバーで参加するようにしているんです。クリエイティブ職のメンバーも全員出てくるので、クライアントさんにはちょっとビックリされるんですけど(笑)。
対談している二人
西崎康平(にしざき こうへい)
トゥモローゲート株式会社 代表取締役 最高経営責任者
1982年4月2日生まれ 福岡県出身。2005年 新卒で人材コンサルティング会社に入社し関西圏約500社の採用戦略を携わる。入社2年目25歳で大阪支社長、入社3年目26歳で執行役員に就任。その後2010年にトゥモローゲート株式会社を設立。企業理念を再設計しビジョンに向かう組織づくりをコンサルティングとデザインで提案する企業ブランディングにより、外見だけではなく中身からオモシロイ会社づくりを支援。2024年現在、X(Twitter)フォロワー数11万人・YouTubeチャンネル登録者数19万人とSNSでの発信も積極的に展開している。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。