vol.10 【やる気スイッチをONにして行きたい方角へと向かう】

 この記事について 

自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。

やる気スイッチをONにして行きたい方角へと向かう

「人の上に立ちたいと思ったことは一度もありませんでした。
それなのに、なんだか気がつくと前に立たされていて‥‥。それが嫌で、職場をやめてしまうくらいでした。」

Aさんは、ふ〜っと、ため息をつきました。

「でも、この人だ、と結婚を意識したのが、病院の院長でした(苦笑)。その時、『ああもう、上に立つことから逃げられないな』と、あきらめました」

それを聞いて、人は、無意識に使命を引き寄せることってあるのだな、と感じました。

結婚した当時は、院長と2人三脚でのスタート。でも、仕事に打ち込み続けて、今では、30人以上を抱える医院に成長。Aさんが、結婚前に意識したように、上に立って経営を切り盛りするようになりました。

Aさんにとっては上に立つことが当たり前でも、普通は違います。だから、ふと、Aさんは上に立つコツ、を、自然に実践しているのではないか、と思いました。そうして、色々質問すると一つの言葉が浮かび上がりました。

「私はただ、中途半端が嫌なだけなのです」

中途半端は、誰だって嫌だけど、やり切るのが苦しいものです。特に、幾多のトラブルを抱えながら仕事を完遂させるのは大変です。Aさんだって、それは同じはずです。

「もちろん、大変ですよ」と、Aさんは微笑みました。
「だから今回、【やる気スイッチ】がONになる絵、に、たどり着いたのだと思います」

実は、脳科学では【やる気スイッチ】があるのがわかってきました。
それは、脳の線条体(せんじょうたい)という部分です。このスイッチは、自分がワクワクすることや、楽しみにしていることを思い浮かべたりするとONになります。

やる気スイッチをONにする意識を持つ。これが、Aさんと他の人を分ける秘密でした。

そして、ワクワクや楽しみをイメージするのに、絵は最適です。Aさんと一緒に【やる気スイッチ】がONになるイメージ探しが始まりました。

オーダー当初、Aさんのやる気スイッチは、<イケメン龍>でした。
「毎朝、イケメンを見たら、やる気になるでしょ?それが龍だったら、開運もしてくれそうだし」
確かに、女性にとってイケメンはやる気スイッチです。Aさんのワクワクする気持ちを、構想にのせて描いてみました。しかし、絵にしてみると、Aさんにもっとやる気をONにしてくれるものが浮かんできました。
「描いてもらって、私を一番やる気にさせてくれるのは、【未来の自分を象徴する白龍だ】と、気づきました。驚きです。」

欲しいと思っていたイメージが、途中で変化したことにAさんはびっくりしましたが、画家としては普通のことです。思い浮かんだものを、絵にすることで、触発され、さらに心の奥にあるイメージが引き出される。これは、私自身、美術大学に通っている頃から今まで、体験し続けています。だから、

「本当によかったですね。ご自分を象徴する白龍、描きましょう!」

と、おどろくAさんの背中を押しました。

そうして、龍は、心洗われる花々に囲まれた女性的な白龍へと発展しました。イメージは幻想的ですが、Aさんが木々に差し込む光に惹かれていたので、自然界の法則にしたがう「ナチュラル・ハーモニー」の配色で描きました。

深い緑にまっすぐ入ってくる光の中で、龍が祈っています。内からも光を放って、解き放たれていく龍。深い自己信頼が他者信頼を生み、想像を超えた自他の道を開く。威厳と慈愛につながる凛とした姿です。

そして完成した絵に、「龍は、優しい感じできゃしゃなのに、思ったより力強くパワーを感じます」
と、Aさんは目を輝かせました。その後、Aさんの医院は、さらにスタッフが増え、医院の広さも大きくなり、さらに発展を続けています。

やる気スイッチを押すのは、難しくありません。ただ、心の奥深くの自分だけのイメージを信じて、解き放てばいいのです。人は、誰でも独自のエネルギーと世界観をこころに秘めています。それを信じて引き出せば、スイッチをONにする方法が見えてきます。

そして、無理矢理自分を奮い立たせなくても、自然にいきたい方角へと向かうことができるのです。


今回完成した作品 ≫「愛の祈り」

 

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 著者の自己紹介 

ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。

今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。

人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。

人生

の節目には様々なテーマが訪れます。

経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。

こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。

でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。

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