vol.11 【どうしたら自分自身が「自分の最大の味方」になるのか?】

 この記事について 

自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。

どうしたら自分自身が「自分の最大の味方」になるのか?

「不思議ですね。絵の注文のはずなのに、いつの間にかいろいろ発見があります。門間さんに促されると、どんどん想いが溢れ出します。なんとまぁ‥‥、『自分の中に、伝えたいことがこんなにあったのか!』と、感動しています。そして、引き出したものが、整理されていくのがまた嬉しいです」
Yさんは、柔らかく微笑みました。

実は、Yさんのように、絵の話の中で、自分自身を再発見することは、珍しいことではありません。【自分らしい人生を送りたい】と考える人は、心深くに豊かな水脈を持っています。汲み上げる井戸さえ掘れば、水は自然に沸き出ます。

ビジョンクリエイターは、井戸掘り人のように、隠れた想いを掘り当てるのです。

Yさんは幼少の頃からのアトピーを克服するために様々な心理ワーク、ボディワークを受けてきました。そうして、アトピーを克服しました。その後、「今度は自分が辛い人のために役立ちたい!」と一念発起。今までの仕事を辞めて、サロンを立ち上げました。 そして、サロンに絵を飾りたいと、訪れたのでした。

Yさんの想いをたどる中で、3つのイメージが浮かび上がってきたので、アトリエで構想をねり、絵にしました。そして、画像をメールで送付しました。
すると、Yさんから「3枚とも素敵で迷います。構想の解説をしていただけますか?」と、返信が返ってきたので、解説しました。

そして、最後に、「絵で一番大切なのは、魂と魂の触れ合いです。心で感じるものを最優先にして、選んでください」と伝えました。陶工の河井寛次郎が言ったように、「芸術は頭で考えるものでなく、身体を通して感じるもの。魂と魂の触れ合い」なのです。

そうして‥‥、迷いに迷っていたYさんがついに選んだのは、「送られてきた画像から目が離せません」といっていたイメージでした。

この後は、画家の出番です。Yさんの想いを乗せて、下絵、そして、本画に着手しました。構想で思い描いたやわらかな空気感を、より深く描き出していきます。 深みを出すために、絵肌のうすい、厚い、の変化などを大事にしながら、絵の具を重ねていきます。イメージ自体が呼吸しているように、ピンクからベージュ、白を繊細に重ねては削ってを繰り返していきました。

画家マティスは、印象派の絵をみて「振動だ」と言いました。それは、色の無数の重ねで、時間や心のひだを表現できるからです。何層もの絵の具の重なりのなかに、Yさんの長年の想いを込めました。
絵を見て、今までの想いを全て受けとめる自分を感じることができるように。過去のすべてを未来につなげられるように。

そしてピンクからベージュ、白と、繊細に入り交じったやさしい絵が完成しました。抽象的なイメージで、呼吸するような揺れ動きを表現しています。呼吸するという意味があるYさんのサロン名と共鳴した絵です。

完成した絵を見たYさんは、

「絵って生きている。動くのだ、と感じます。
本当に良いです! 優しさと強さ、ひろがりや深さ、包容力を感じます」と微笑みました。それから9年余り経って、今、Yさんは、着実に自分オリジナルのサロンを発展させ続けています。

今までの想いを丸ごと受け入れる。それは、自分自身が【自分の最大の味方】になることです。自分を丸ごと受け入れる深さは、人を受け入れる懐の深さに通じます。そして、自他を真っ直ぐ見つめることで、人は、あるべき道へと歩んでいくことができるのです。


今回完成した作品 ≫「内と外からの癒し」

 

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 著者の自己紹介 

ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。

今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。

人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。

人生

の節目には様々なテーマが訪れます。

経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。

こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。

でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。

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