vol.23【歯の治療でその人の人生を変えたい  熱い想いがつまった絵】

 この記事について 

自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。

歯の治療でその人の人生を変えたい 熱い想いがつまった絵

「今日、実は勝手に依頼にきました」Aさんが茶目っ気たっぷりに切り出しました。「医院の待合室の、真っ白い大きな壁に絵を飾りたいのです。小さな絵はあるけど、好きではなくて。でも、夫である院長はぜんぜん乗り気でなく、「じゃあ、勝手にやれば」というのですよ。だから、勝手にきました」二枚目のオーダーなので、最初からすっかりくつろいでいました。

そして、大きな絵ですし待合室の雰囲気全体との調和が大切なので、実際に場所を見にいくことになりました。そこで、「乗り気でない」S先生にお会いしました。すると、絵が印刷された名刺を渡したとたん、「こういう作品がいい!」と、スイッチが入りました。

いったん、スイッチが入ると、S先生から言葉が溢れ出ました。全く止まる気配がありません。それは、S先生の仕事にかける熱意の表れでした。ほとばしる中で「消え入る様なピンクが気に入ったのだ」というのですが、実はS先生が気に入った、作品は、画家の目でみると、正反対の強い色。S先生のピンクって一体どんな色かな?と、戸惑いました。しかし、普通、言葉で色の濃さを説明するのは難しいものです。

こんな時は、その人が答えやすい情報から、画家に必要なことを類推します。「どんな患者さまが多いですか?」と、お聞きすると、年配の女性が多いのがわかりました。ピンクは女性にとても好まれます。年配の女性でしたら、薄いピンクは心の落ち着きにピッタリです。つまり、S先生が望んでいるのは、名刺の強いピンクではなく、淡いピンクだということが、わかりました。

私自身は、頭の中で色をイメージして判断できますが、普通は目で見ないと腑に落ちないものです。だから、次のセッションで名刺のピンク色そのままに、大きい構想スケッチを描いてみせました。オーダーでは、ご自身で判断して、一つ一つ進むプロセス自体を大事にしています。そうすることで、「ああ、これが、本当に自分がほしい絵なのだ」と、いう想いが、心の底から湧き出てくるからです。

S先生も、実際に目で見て「もっと薄いピンク色が欲しかった」と気が付き、その気づきから、「ピンク色は、花で表したい!」花が入ってきたら、「花は葉っぱがある!」と、自分から湧き出る想いが積み重なっていきました。そうするうちに、最初は乗り気でなかったS先生が、毎回2時間ノリノリで語るようになっていました。花々を描くうちに、「そうだ、バッチフラワーも描いて欲しい!」とS先生が思いつきました。バッチフラワーは、心と身体の調和を助ける花です。心のバランスを取り戻し、自分らしく生き、幸せになることを助ける花。みなの癒しを願うS先生の想いにピッタリです。医院の待合室の象徴にもなって、素晴らしいアイデアだと思いました。

そうやって時に、難しい話や専門的なことが次々飛び出す中で【歯の治療でその人の人生を変えたい】 熱い想いが生き生きと伝わってきました。そして、その壮大な思想だから、螺旋(らせん)で、銀河系みたいな大きいイメージがあることがわかってきました。螺旋(らせん)を、表す花の意味は、「いろんなところの人が一つのところに一緒に行こうよ」という想いの表れです。

でも、同時に、「自由でいい。何よりみんなで心地良く元気でいられればいい」S先生の皆を包み込む愛情も伝わってきました。

そうやって大きな絵だけど、気が付かないくらいさりげなくある絵。S先生の作品がついに完成しました。

そして、実際に飾られた後、絵は、S先生が思い描いた通りの役割を果たしていることを、Aさんが教えてくれました。

「本当にさりげなくて、気がつかない人もいると思うのです。その中で、弱っている患者さんが見て、「あ〜」といって、帰ったりします。「なんかいいわ」といって帰る人もいます。さらにスタッフも、タイムカード押す時に「これを見ながらホッとする」といって帰っていきます。S先生が望んだ通り、自然でさりげない癒しになりました。私自身は、朝の静かな待合室で見るのが好きです。早めにあけて、30分から1時間程独りで静けさの中でしみじみ『まるで私のためにあるみたい!』と、味わいます」

その後、医院は、さらにフロアを拡大し、スタッフを増やし、さらなる進化を遂げています。

 

今回完成した作品 ≫「慈愛の花の旅路」

 

 

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 著者の自己紹介 

ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。

今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。

人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。

人生

の節目には様々なテーマが訪れます。

経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。

こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。

でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。

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