vol.49【航海|スピリチュアルサロンの内装に合わせた大きな額装コーディネート】

 この記事について 

自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。

航海|スピリチュアルサロンの内装に合わせた大きな額装コーディネート

「セッションルームに絵を飾るのが夢なので、額装をコーディネートしていただけませんか?」
と、作品を購入したヒーラーのSさんに言われたのは、10年ほど前になります。

Sさんは「芸術というと遠い感じだけど、門間さんの絵は身近な気がします」と、購入。「絵と、日々の生活のなかで気づかないくらい自然に対話しています。なんだか交流している感じです。あちこちで楽しんでいます。今日はソファーの上に、絵に座ってもらいました」送ってくれた写真を見ると、2枚の作品が居心地良さそうに座って(?)いました。そうしているうちに、額装をしようと思いついたそうです。「以前から考えていたのですが、自宅でスピリチュアルサロンをやりたいのです。イメージ通りのイスとテーブルを買い、リビングで想像を膨らませました。すると、この青い絵がテーブルの横に飾ってあるのが浮かんできました。大きな額装なのは感じるのですが、細かいところがイメージできません。家具の自然でやさしいタッチに合わせて、コーディネートを考えてくれませんか?」

Sさんの言葉から、ビジョンクリエイターとしてサロンに思いを馳せました。テーブル横の壁に鎮座する、大きな額装。部屋に入った人が、自然とゆったりした気持ちになるバランス感覚・・・。

「シンプルで上質な家具にピッタリ合わせます。数種類見積もるので、気に入ったものを選んでください。オーダー額装ですから、選んでから1ヶ月前後かかります」と伝えると、Sさんはにっこりと笑って言いました。「ありがとうございます!ちょうどいいです。実は、私、これからお遍路に行くのです」

そして、Sさんは鎌倉の自宅から四国のお遍路に旅立ちました。お遍路とは四国4県1400キロ巡る旅。元は弘法大師が歩いた道を修行として巡ることから始まりました。マインドフルネス(「今ここを生きる」実感)を、ひたすら歩くことで鍛える、シンプルな旅。いかにもヒーラーのSさんらしい選択だと感じました。

10年経った今では、マインドフルネスはビジネス力UPの手法として欧米の経営層に広まっています。

 

この後、Sさんとのやりとりは、まるで文通のようなゆったりしたものになりました。
シンプルで上質な木目の額で、絵の3倍ある大きさに決まりました。額と絵の間を、マットという色のついた厚紙で色を厳選し、お遍路に行っているSさんにメールしました。

「Sさん、こんにちは。元気に充実した時を過ごされていると思います。昨日、額装を頼んできました。ホワイトとほとんどホワイトに近いさりげないグレーの二重マットで発注してきました」

「ご連絡ありがとうございます。マットも決まって楽しみです。明日は桂浜辺りを歩く予定です。毎日ただただ歩くだけの生活は、シンプルで気持ちがよいです。物事はただおこるだけでそこに意味を付けているのは自分なのだと改めて気付かせてくれます。では、戻りましたらご連絡します」

「シンプルできもちよい時間を過ごしていること、伝わってきます。
旅の後半、ゆっくり堪能してください」

しかし。
このやりとりの後、私の頭の中で、もう一つのマットの組み合わせが浮かんできました。最初のマットの組み合わせは額装のセオリー通りで間違いないのですが、新しいアイデアが頭を離れなくなりました。理屈を超えて【絶対、これがいい】と感じるのです。こういうときは、やってみるしかありません。
画家の体感だけでなく、元外交官で作家の佐藤優も「ワンランク上の仕事や、心の安定を得たりするためには、論理を超えた直感に身を任せることも重要」と言います。

Sさんにメールを送りました。「Sさん、もう一パターン、イレギュラーなマットの組み合わせを思いつきました。だから、もう一パターン、発注します。2つを比べて、より合うものを、と思います!」

「いや~、恐縮ですが、楽しみです。ぜひお願いします」

そして、セオリーを超えた、珍しいマットの組み合わせが現実化しました。発注のとき「こんな幅をとるようなマットの組み合わせはしませんよ?!」と、言われましたが、私の頭の中ではしっかりとイメージが出来上がっています。店員さんはプロの額屋ですが、色彩構成のプロは画家です。どう言われようと自信がありました。

「今日、もう一つのマット、発注してきました。出来上がったらまた写真を送りますね。では良い旅を!」メールを送りました。しかし‥‥何日たってもSさんから返信が来ません。何しろお遍路の終盤です。きっと返信する余裕がないのだろうと感じました。

そして、いよいよ額装コーディネートが完成しました。

「Sさん、完成しました。やはり、後で思いついた方がより広がりを感じたのでこちらに入れました。最初のものと比較してくださいね。引き続き、よい旅を」

すると、ついに‥‥返事が届きました。

「おかげ様で、無事に結願し、一番札所と高野山にお礼参りに行き、知人宅におりました。旅の終盤はヘロヘロで、知人宅に着いてからは倒れ伏しており、ご連絡が遅くなり申し訳ありませんでした。額装、確かに後に考えていただいた方がより広がって行く感じで良いですね。これから鎌倉へ帰ります。まるで、お遍路のご褒美みたいなタイミングで嬉しいです」

そして、帰宅した後。いよいよSさんは、心に温めていた計画、スピリチュアルサロンを始めました。サロンに大きな額装コーディネートされた絵を飾ると、まるではじめからあったかのように、ピッタリと馴染みました。

 

今回完成した作品 ≫「航海」

 

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「門間さんに描いてもらい」とひそかに思いを育んておられた皆さま、是非ご確認くださいませ。

https://brand-farmers.jp/blog/monma_vision-paint/

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 著者の自己紹介 

ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。

今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。

人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。

人生

の節目には様々なテーマが訪れます。

経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。

こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。

でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。

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