この記事について
自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。
『Mの像09』|「人に何か提供できなければ価値がない」と思うと豊かになれない
「何かを提供できなければダメだ」
「提供できなければお金が入ってこないでしょ」
「お金が入ってくれば、豊かになれる」
それが当たり前でしょ、という空気を感じることがあります。
でも、そうでしょうか?
お金は豊かになる手段。お金を持っていて「豊かだ」と感じる人がいれば「まだ足りない」と思う人もいます。さまざまな交流会や勉強会、そして、オーダー絵画を描く中で、さまざまな人と出会って感じたのは、意外と「豊かで満たされている」という人が少ないこと。
一方、興味深いことに、アーティストは豊かで満たされている人が多いのです。そういう人たちは、「私、満たされています」とはいいませんが、キラキラした目や笑顔に溢れています。中には貧乏な人もいたりします。でも「今、お金がなくて困っているだけど」言いながらも深刻そうでない人が多い。本人の代わりに周りが心配したりします、笑。
オーダーを描き始める約10年前から「この違いはなんだろう?」という疑問がありました。
何しろ、「いやぁ、全く売れない絵をたくさん描いちゃった」照れ臭そうに言いながら、ニコニコ幸福そうなアーティストがいる一方、世間が羨む生活をしていながら「毎日が苦しい」人もいるのです。
その疑問は、オーダー絵画プロセスの中で解けていきました。
豊かさは、与えようが与えまいが、自分に価値があると感じるのが鍵なのです。
「周りが」
「時代が」
合わせるのは大事ですが、もっと大切なのは、<自分が生きているだけでいい>と感じる時間。
「起業ブームと言われるけど、自分は会社員が好きなのだ」自分の個性を認めたら嬉しくなった人。
「休み時間に周りに合わせない時があっていい」思うだけで心からほっとしたというプロデューサー。
毎日1分1秒を削り出すように通勤していたのを、回り道をして散歩をしたら「人生が変わった」院長夫人。
そしてこの【小さな変化】が、毎日を変えていくのです。
「起業家の友人と話して焦りを感じなくなり、素敵な結婚相手も見つかった」
「楽しい人間関係が増えた。」
「医院の運営がスムーズになった」
自分には価値がある。いるだけで価値がある。そう感じることが豊かさにつながります。
人は皆、一人ひとり自分の心の世界を持っています。
でも、大人になると「何か提供しなければ」「貢献しなければ」「人に合わせなければ」「時代に合わせなければ」という外の世界に心の世界がだんだんと奥底に押しやられてしまうことがあります。
心の世界を押しやってしまうと、まるで傾いたシーソーのようにバランスが取れません。価値の提供や貢献をいくら繰り返しても「豊かだ」と感じることが難しくなるのです。
アーティストに滲み出る豊かさを感じられるのは、心の世界と外の世界の両方を見つめるからだと、考えらます。多くのアーティストは、無意識にそれをやっているのだ、という論文もあります。
アーティストが無意識におこなっている内と外のバランスをとる感じ方。それを、オーダープロセスの中で体感するのが私のオーダー絵画なのだ、と、学術的な研究をはじめて見えてきました。それはまた、別の機会にお話しできればと思います。
今回の絵は、2009年に描いた心の中の内的な世界を、優しい空気ですくい取るような感覚を伝える作品。
絵を見てホッとしていただけたら幸いです。
著者の自己紹介
ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。
今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。
人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。
人生
の節目には様々なテーマが訪れます。
経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。
こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。
でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。