この記事について
自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。
『ブルーローズ|画家Kさんがさらに才能を開花させるための絵』
体験の積み重ねが、人生と個性をかたち作っているのに、玉ねぎのように、幾重にも層になって見えにくくなっていることがあります。
自由や自分らしさ、生活の心豊かさは、自分にとって心地よい選択を選んだり創ったりすることで、形作られて行きます。例えば、競い合わなければならない時さえも、いや、争うからこそ、心地よい選択を選んだり競ったりする必要があるのです。
ここでいう、心地よいとは、単に楽だ、という意味ではありません。
自分を生かし切って生きるにはどうしたらいいのか、を繰り返し考えて行動することなのです。
スポーツはわかりやすい例ですが、「体格が戦う相手に劣る」時でも、勝利を競うことを決めたのならば、「欠点を欠点として捉えるのではなく、欠点を一つの条件にすぎない」と考えて行動するのです。
近年、ワールドカップでの活躍が目覚ましいラグビーの選手たちは、体が小さいのを一つの条件と考えて、それを補うために低い体の姿勢と深い洞察力、スピードを磨いたそうです。
自分自身に立脚して考え行動することで成果を上げたのは、先週の記事で書いたフロイトとユングという心理学の二台巨匠も同じです。彼らは歴史に大きく名を残しましたが、その出発点は、それぞれの個性と関係が深いです。
フロイトの自我論では心を、イド(無意識)、自我エゴ(意識)超自我スーパーエゴ(無意識)の3つに分けました。そして、それらは互いに力を競い合い、その力のバランスによって人格の特徴を形成していると考えました。ちなみに、これを発展させたのが、現代の交流分析エゴグラムです。
フロイトの【競い合う】という発想は、美しい母をめぐって父とフロイトが子供の頃競い合っていたことと深い関連があるとも言われています。また、父権的な立ち位置で自分の学派を作るなど、彼の行動や思想にピラミッド的な序列パターンが見受けられます。集団に対する考え方も同様で、指導者が群衆に影響を与えると考えていました。
他方、ユングはどちらかというと、野暮な母親の元に育った人でした。そして、美しい母をもったフロイトが提唱した「少年は皆母に恋する」を一蹴しました。一時、フロイトの弟子で後継者とさえ言われた時期もありましたが、ユングは自分の個性と興味に従って自分の選択を切り開いていきました。
インドとチベットと中国の哲学に興味を持ち、心を相補的に考えました。互いに影響し合うコミュニケーションを大切にし、意識全体が相補性を持つ、心の旅のプロセスがある、など、東洋的な側面を自分の心理学に取り入れたと考えられます。
フロイトにどっぷり浸かって学んだユングですが、自分の選択で生きていくことを選んだのです。
自分の選択で生きることを大切にしたい、と、セミオーダーの依頼した画家のKさん。
「画家は自分の選択で自由に生きているものなのでは?」と思われることが多いです。しかし、社会的な様々な制約や、自分の環境的制約と戦っているがゆえに、【自由に生きている】ように見えていると言った方が良いかもしれません。
私自身、会社員とのダブルワークから出発して、画家として生きるまでのプロセスをたどりました。
だから、Kさんの話を聞いて、まさに、自分に正直に生きたいが故に、今、勇気を持って戦っている最中だとすぐわかりました。
Kさんは、セッションが終わった後、「今、自分の中がとても自然に柔らかくなっている感じがします。
お話しさせていただき本当によかったです」とにっこりしました。
セッション後に描いた作品では、Kさんの画家としてのユニークな個性を肯定。枠を超える、ことを表現した凹凸による、遠近や陰影、光での変化を大切にしました。
完成した作品を送った後、届いたと連絡がありました。
「初めて観た瞬間に、鳥肌と共にわあ〜っと自然に声が出ていました。
青い薔薇もゴールドの光や優しいピンクとパールの輝きも私自身があちこちに散りばめられているような不思議な感覚になります。
自分に自信を持っていい、これからの可能性が楽しみ!と絵が力を与えてくれます。なかなか言葉がみつからないくらい、素敵な絵をありがとうございました」
Kさんの鋭い感受性にてすでに絵との対話が始まっています。「絵を通じた自己対話、近藤さんの才能を引き出す後押しになります」とお伝えしました。
その後、程なくして、メールが返ってきました。
「描いていただいた絵は、寝室に飾っています。 忙しく揺れることがあっても、絵をみていると自分がそこにいるようで、芯にもどる感じがします。 本当にステキな絵をありがとうございます」
著者の自己紹介
ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。
今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。
人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。
人生
の節目には様々なテーマが訪れます。
経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。
こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。
でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。