vol.132【幸せ:構想画】|心理的な安全という大切な動機がわかることでほしい絵の色が変わったYさんの場合

 この記事について 

自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。

『【幸せ:構想画】|心理的な安全という大切な動機がわかることでほしい絵の色が変わったYさんの場合』

 

「なんか、めちゃくちゃ幸せ。
愛されているから大丈夫って思える空気を表したいですね。

解放されて、自由だって。

人が安心安全と感じられる場を作りたい、

私なりの安心で安全なイメージが伝わる絵が、ほしいです」

Yさんが優しい笑顔でいいました。

完成作品は、淡いピンクがメインの絵になりましたが、最初は光を感じるイエローの絵から始まりました。最初はピンク色がどこにもありません。
vol.121で完成作品の画像が見ると、色の違いがよくわかると思います。
なぜ、こんなに変わるのか?と思うかもしれませんが、特殊なオーダーメイド【対話できる絵画】では、よくある変化です。

セッションをしていく間に、「ほしい絵は最初と違うのだ」と気づいていくのです。

さらに詳しく聞く中での深い個人的な大切な体験と、
薬剤師として人を治し、癒してきた想いが伝わってきました。

Yさんの言葉から、安心安全が、ビジネスと医療の両方で注目されていることを思い出しました。自分のサロンを持ち、安心安全な場を提供できたら、という想いは、時代にマッチしています。

医学の世界では、心理的安全が大切だと捉える「ポリヴェーガル理論」の本が出版されています。

ビジネスでは、「プロジェクトアリストテレス」で、心理的安全が脚光を浴びました。
Googleが行った生産性が高いチームの共通点を発見するためのプロジェクトということで、あらゆる業界の企業から注目を浴びました。

「プロジェクトアリストテレス」という名前は、古代ギリシャの哲学者・アリストテレスの言葉、「全体は部分の総和に勝る」から来ています。

心理的安全性(Psychological safety)、信頼性(Dependability)、構造と明瞭さ(Structure & clarity)、仕事の意味(Meaning of work)、インパクト(Impact of work)の5つが、生産性向上の柱だとしています。

心理的安全性とは、他人の反応を気にしたり、自分の発言を恥ずかしいと感じたりすることなく、ありのままの自分で過ごせるような環境のことを指します。チームのメンバーに対し「無知」「無礼」などのネガティブな印象を与えるような行動をしてしまった場合でも、メンタル的に問題ないと感じられるのが大切です。自分の過ちを素直に認めたり、気軽に質問をしたり、積極的にアイデアを提案したりできるということです。

ビジネスだけでなく、夫婦、友人、子供との関係性も、安全や安心を感じる場を大切にすることで、お互いを生かす人間関係が育まれます。

「Yさんのように、いろんな分野の人が、「何だかホッとするな」「落ち着くな」と思える場を作ることは、 今の時代から考えても、大きな意味がありますね」と伝えると、嬉しそうにニコニコしました。

構想画を見ながらセッションいくうちに、「若いとき、そういえば‥‥、その後の人生を左右するくらい特別な体験をしました」と詳しく教えてくれました。

その体験の中に、ピンク色のイメージがありました。Yさんが、最初に絵を依頼した時には、思いつかなかった色です。でも、話したYさんも、話を聞いた私も、

「なんか、めちゃくちゃ幸せ。
解放されて自由だ、
愛されているから大丈夫って思える空気を表した絵」

Yさんの安心で安全なイメージが伝わる絵は、黄色ではなく、ピンクだとわかりました。

それくらいインパクトがある体験だったのです。でも、絵を頼もうとする時には、思い浮かばなかった体験だったのです。

いつもビジョンをクリエイトする、ビジョンクリエイターの役割を意識しながらセッションをするので、サロンにつながる大切な動機と、絵にピンク色が必要だとつかめたことで、作品の完成に大きく近づいたのがわかりました。

ここから、2枚の下絵が生まれてくるのですが、
それはまた別の物語です。

今回完成した作品 ≫『幸せ:構想画』

 

著者他の記事見る


 著者の自己紹介 

ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。

今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。

人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。

人生

の節目には様々なテーマが訪れます。

経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。

こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。

でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。

>>著者へのお問合せはこちら

感想・著者への質問はこちらから