この記事について
自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。
『【天空の歌:構想画】|思い出の色から価値観や思考プロセスに気づくきっかけを得る①』
『人は見た目が9割』という本も出ていて、
視覚から入る情報が全てという訳ではもちろんないのですが、
相手へ与える印象や自分のモチベーションを高めるのに効果があります。
色彩心理を上手に使い、こうなりたいと思うイメージの色を取り入れて、
第一印象や自分の気持ちのコントロールに活かせます。
しかし、色は、それ以上の‥‥、
自分の価値観や、思考プロセス、自分のフィロソフィーまでも
引き出すことができる、
内省によって自分自身の行動をメタ認知して振り返れる、
底知れないパワーがあります。
でもまずそれは、
好きな色の大切な思い出から始まりました。
「寝室に、ピンク色の絵を飾りたいと思ってきました」と絵を依頼したKさんは、「ピンク色の絵を見ながら眠り、目覚めた時に、ピンク色の絵があったら‥‥、
毎日を明るく元気な気持ちで過ごせるような気がして」と、語り始めました。
「優しいピンク色に囲まれた痛烈な体験があります。アンテロープという、アメリカのグランドキャニオンのような雄大な地層がある観光地でのことでした。
グランドキャニオンは、茶色い地層ですが、アンテロープは、ピンクからオレンジの綺麗な色なんです。
あまりの美しさに感動して、ああ、これが毎日見れたらどんなに気持ちいいだろう!と思いました。そして、写真を買って、日本に帰り、家に飾ったのです。‥‥でも、飾ってみると違いました。私がアンテロープで体験したピンク色の幸せな美しい空気は、写真を見ても感じられません。がっかりしました。寝室の壁は、それからずっと空いたままです。
‥‥、でも。Oさんに描いた門間さんのオーダー絵画を見て、
門間さんなら、私が本当に欲しいピンク色の絵を描いてくれるのでは、と感じました」
Oさんの絵は、美しいピンク色で彩られた、女性らしい華やかな作品。OさんとKさんは、数年来の友人で、OさんからKさんを紹介されました。
Kさんは、男の子四人を育てている母であり、女性らしい柔和な物腰とともに、ハキハキきっぱりした男前な凛々しさが合わさって、不思議な魅力がありました。
Oさんとはまったく違った魅力を持つKさんの絵は、同じピンク色でも、全く違ったオーダーメイド絵画が出来上がるでしょう。
「はい、Kさんにピッタリあった、Kさんだけのピンク色のオーダーメイド絵画が必ず描けます」
Kさんはにっこりと笑って、「ありがとうございます。Oさんに紹介していただいた時、これはまったく新しいチャンスだ、と思いました。ワクワクします。私は物事を妥協しないで追求するタイプです。人によっては、大変だという人がいますが、大丈夫ですか?」
「はい、深く追及するのは大好きなので、私も楽しく仕事ができると思います。
例えば、色と一口に言っても、
暗記力、回想力、認識力を増す、理解•学習•誘導ができる心理的影響、
神経に影響を与えて、血圧をあげたり、リラックスさせる生理作用、
明るい気分や安心するなどの感情や気持ちに働きかける効果、
西洋文化では黒は死を象徴するのに対して東洋文化では白が死を象徴するなどの文化的背景など、
さまざまな作用があります。
Kさんだけのピンク色を、
まず、複数の構想画として描いて、それを次のセッションで見ていただくことで、
きっと、今、感じている以上の何かが、感じられる深い作品が出来上がっていきます」
アトリエに戻り、アンテロープのさまざまな画像を見ながら、同時に、写真には写っていない、Kさんだけが感じた崇高で美しいピンク色、暖かで包み込むような世界を想像しました、ビジョンクリエイターとしての私の役割です。
優美な曲線に彩られた構想画たちが、そこから生まれてきました。
次のセッションの時に、Kさんの目の前に絵を並べると、
「どれもほんとうにキレイで気に入っています」と満足気に絵を一つ一つ眺めました。
そして、ふと、一枚に目が留まりました。
「門間さん、太陽を描いてくれましたか?」
もちろん、地層のイメージしか描いていません。でも、この一言は、Kさんだけのオーダーメイド絵画の始まりになると直観しました。
「太陽に見えるって、素敵ですね。どんな太陽か教えていただけますか?」
そこから、Kさんの単なる好きな色の世界ではなく、Kさんの人生のさまざまな思い出、大切だったこと、忘れていた夢などの‥‥、
心の奥に眠る、深層の素晴らしい世界の扉が開き始めたのです。
その扉の先はまた、
『天空の歌 思い出の色から価値観や思考プロセスに気づくきっかけを得る②』
でお話しします。
著者の自己紹介
ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。
今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。
人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。
人生
の節目には様々なテーマが訪れます。
経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。
こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。
でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。