
こんな質問いただいております。40代看護師さんからです。安田さん、栃尾さん、金子さん、はじめまして。私は今まで何も考えずにただ突っ走ってきたいち看護師です。ナースはただ素敵な看護をするだけだと思っていましたが、違うことにここ10年間ぐらいでやっと気づきました。今はある教授に「質の高い医療とは」を学び、ボトムアップだけでなくトップダウンな考えがやはり大切であることを知り、いち看護師ではなかなか組織を変えにくいことを痛感しています。いろいろと勉強しましたが、私には上に行く力がありません、いつも下にはとても慕われるんですが。先日も上司の高圧的な態度にどうにも納得がいかずケンカしてしまいました。前職場も10年ぐらい働きましたが上司ともめて辞めましたし、今回も1年経って自分のやりたい、みんながやりがいのある職場、ひいては質の高い医療が提供できるようになるために管理者になりたくて上司と上手くやることに集中していましたが、やり合ってしましました。もう私には上に行く道はないのでしょうか?安田さんも新人のとき上司に意見して周りが凍り付き出世できなかったとおっしゃっていました。今は上司から空気のような存在として扱われ、つらい毎日を過ごしています。上司のよいところを探して好きになる努力をしましたが、上司に嫌われてしまった今、嫌われているのがビシビシ伝わりとてもつらいです。私は辞めて逃げるべきでしょうか?自分が自分らしく大切にできる場所を自分で作るときが来たのでしょうか?今の仕事は大好きです。ある研究会でインストラクターにもなり全国を研修で飛び回っています。でも、職場の現実は嫌われたいち看護師なんです。悲しいです。昔、途中看護師を辞めてやった飲食業が本当に好きなので、この際、今の仕事を辞めて逃げればいいのでしょうか?主人はあまり乗り気ではありませんが、2人で小さなジャズライブができるようなお店をしたいなと考えています。漠然とですがずっと考えています。悩める40女の戯れ言ですがアドバイスよろしくお願いします。ということです。

つまり、今ナースさんなんですよね。それで、どっか医療機関に勤めてて、良い医療機関にするためには組織の上のほうに行かなくちゃいけないということに、はたと気づき上に行こうとした、だけどダメだったと、どうしましょうと、いう感じでしょうかね。

どうしたらいいんですかね。僕も新人のとき上司に意見してましたけど、そもそも僕は出世できるできないとか以前の人だったんで、ちょっと立場が違うような気もしますが。どうなんですかね。じゃあ、栃尾先生からビシッとアドバイスを。やっぱジャズライブやったほうがいいですか?

さっきも収録前にちょっと話してたときも言いましたけど、下に慕われるっていうことは結構ワイワイ話したり面倒見のいいタイプなんだろうなと思ったので、そういう方はスナックのママとかがいいんじゃないかな、なんて思ったりしました。

そう。ジャズバーではなくスナックでみんなが慕ってくるような。で、お酒の管理もそんな要らなくて、焼酎ボトルで入れてもらってボンって出すみたいな、「お喋りがウリよ」みたいなところって結構いいんじゃないかな、なんて思ったんですけど。

僕が経営者の立場だったら下がまったくついてこない人を上には引き上げないんで、やっぱ下の人が「この人の言うことだったら聞こう」という人を上に上げると思うんですよね。でも上がらないんですよね。「上司に嫌われてるから」っていうことですけど、なぜなんでしょうか。

下に慕われるにもいろんな慕われ方があって、ただ優しいだけだったら組織の上には持ってけないじゃないですか。だから、やっぱり中間管理職って大変だと思うんですけど、ひとつはやっぱり上の人にも厳しいことを、部下だけど上司に嫌われても言わなくちゃいけないようなこともあるわけですよね。ただ単に上司に気に入られりゃ出世するっていうもんじゃない。意外と出世って難しいんで。それは部下に対しても同じ。どういうふうに慕われているかが大事で、ただ単に仲良いだけじゃダメだと思うんですよね。だから、会社からしたら当然「こういう人に上に行ってほしい人」っていうのもあって、部下に対してちょっときついこととか、しんどいこととか、言いにくいこととか、部下があんまりやりたくないことを「その人が言うんだったら下の子が言うこと聞くよね」っていう人をやっぱリーダーにしたいわけじゃないですか。それがリーダーシップだと思います。そうじゃなくて、ただ慕われているだけじゃダメなのかなという気がしますね。上司の人の「高圧的な態度に納得がいかず」っていうのも、なんで高圧的なのかを、訳もなくいきなり怒鳴り散らすみたいな人は問題ですけど、やっぱりその原因がもしかしたら自分にあるかもしれないですよね。僕はこの長い長い質問を聞いてて思ったんですけど、やっぱりもうちょっと相手に対するサービス精神っていうか、僕らこうやって番組で読むわけなんで「こうやって書いたらきっと聞いてる人意味わかんないだろうな」とか「もうちょっと短くしてあげたほうがいいな」っていうのは仕事にも僕は通じると思うんですよね。だから、「上司の人にとって、部下にこういうふうに接して上げた方が、部下からは嫌われるけど、だけどやっぱ組織としては必要な人材だよな」ということを考えないといけないと思うんですよ。この人言うところの「素晴らしい医療機関にしたい」っていうのも、自分が素晴らしいと思ってるだけかもしれないじゃないですか。厳しいお話ではございますが。どう思いますか?

ジャズライブも「主人はあまり乗り気じゃない」って書いてありますけど、やっぱり仕事って1人じゃできないんで、周りの人をいかに上手く巻き込むかっていうことが大事。「上司に気に入られるから出世します」とか「嫌われたから出世しません」っていうのは結構勝手な思い込みなんじゃないかなっていう気が僕はしてます。やっぱ会社にとって上に上げたら組織としてメリットのある人は上に行くようにできてるんで、組織っていうのは。だから、上に行けないっていうことは、単に上司が高圧的だとかではなく、「やっぱ自分には何か足らないんじゃないか」っていうことをもう1回ちゃんと考えたほうがいいんじゃないかなと。それはジャズライブ店をやるとしても同じ課題に僕は当たりそうな気がしますけど。

この方「上に行く力はありません」って書いてあるんで、たぶん自分に非があるってわかってるんだと思います。なので、相手がどう受け取るかっていうのをもうちょっと考えたり、人をまとめる力っていうのがどういうものなのかっていうのを考えていただければ、もしそれが直せれば上に行けるように世の中的にできてるんじゃないかということですかね。
*本ぺージは、2018年3月21日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。
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