
すいません。30代・会社員の方からご質問いただいてます。はじめまして。いつも楽しく拝聴しております。先日、カフェで隣の席の人が「すごーい!それ、お金もらえるレベルだよ」という会話をしていました。これを聞いて「お金をもらえる・もらえない」の境目があるのかと気になりました。ぜひ、境目研究家の安田先生のご意見をうかがいたく思いメールをしました。人がお金を払う・払わないを決める境目はどこなんでしょうか?ということです。

だから、「私は欲しい」っていう人がいたっていうのが、亜佑美ちゃんと結局同じ答えになるけど、お金を払って「私は欲しいです」っていう人がいたら……っていう境目だと思うんですよね。上手い下手じゃなくて、下手でもお金が払う人がいたら、それはもうもらってますし。

たとえばね、家でいれるコーヒーと喫茶店で飲むコーヒーあるじゃないですか。めちゃくちゃコーヒーに凝ってる人もいるし、必ずしも喫茶店のコーヒーのほうが美味しいとは限んないですよね。だけど、器がカッコイイのか、場所がゆったりしてんのか、時間が潰せるからなのか、お金払う人はいると。いない喫茶店もありますけど。なんで個人の家のコーヒーにはお金払わないんでしょうね。めっちゃコーヒー好きで、めっちゃ美味しいかもしんないじゃないですか。そういうときに言うんじゃないですか、「これ、お金払うレベルだよ」みたいな。

まあでも、お金払うかどうかでいくと、基本的には、マジメな話しますと、世の中には必需品というもんと、それから嗜好品みたいなもんがありまして、さっきの「欲しいか、欲しくないか」っていうとこでいくと、べつに切羽詰まってないんだけど、たとえばトイレットペーパーとかだったら絶対買わざるをえないじゃないですか。

ね。電気とか、今だったら携帯電話とか。そうなってくると、機能と価格のバランスなんですよね。トイレットペーパー絶対必要だけども、1万円は出せないなと思っても、いちばん安いのが1万円だったら買うかもしんないし、他の商品とのバランス、自分がどれほど必要か、いくら出せるかというとこのバランスってことですよね。

そうですね。だから、なくては困るもの、絶対に買うものっていうのは何が境目かっていうと、それと同じ機能をもったものがいくらで売ってるかってことですね。だから、それより安ければ売れるってことですよ。

払うか払わないかの境目は、だから競合商品との価格・機能の差っていうことですね。だけど嗜好品になるとそうじゃなくて、盆栽とか、いらない人にとってはいらないし、でも、欲しい人にとってはいくら出しても欲しいっていうもんがあるかもしれないし、それはまさに相手によるんですよね。さっき栃尾さんは「おまえ、金払う気ないくせに」っておっしゃってましたけど……

そういうふうに私は感じたんですが。まあでも、もしかしたら、そういう人は多いんですけど、本当に「お金出しても欲しい」っていう人いるかもしれないですよね。僕も「境目アート」なるものを売ってますけど、蝦名さんのイラストがあって、私が境目日記なるものを書いてて、それを和紙みたいなやつに印刷して色つけてもらうんですけど、ひとつ3万円ほどするわけですが、いろんな人に言われたんですよ、「これはお金出しても買いたい」「オレだったら買うよ」と。たしかに栃尾さんがさっき怒っていらっしゃったように……

多くの人は言うだけで買わないけど、実際に買ってくれる人もいるわけで、実際いっぱい売れてるんですよね。だいたい商品つくると7割ぐらいすぐ売れちゃうんですけど、そう考えると、やっぱり一定の人は3万円以上の価値があると思って、それを払ってでも欲しいと思ってくれれば買ってくれるわけなんで。その人が、でも、お金もってないと買えないんで、その人が出せる金額分の「欲しい」っていう思いが、その金額を超えるかどうかでしょうね、だから。欲しくないと買わないっていうのは事実なんですけど、じゃあ欲しかったら買うかっていうと、たとえば「100万円」って言われたら欲しいけども買えない人もいるわけじゃん。
*本ぺージは、2018年12月12日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから
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