
んー、どこからが仕事かって僕の場合ものすごい難しいんですけど。マンガ読むのも仕事だと思ってるときもありますから。お金を稼いでいる時間っていうところに限定するならですよ、「これをやった対価として報酬を受け取ってる」っていう時間が何時間あるかでいけば、1日3・4時間じゃないですかね、仕事してるのは。

はい。これまで何回もプロとアマチュアの違いっていうのを考えてきたんですけどね、たとえばスポーツでも、プロとアマチュアに決定的な違いがあるスポーツもあれば、そんなに変わらないっていうのもあるんですよ。「そんなに変わらない」って語弊がありますけど。たとえば100メートル走だったら、何回やっても、100回やってもボルトには1回も勝てないじゃないですか。

そういう意味で、「プロとアマチュアは何が違うんだろうか」って結構人生のテーマで考えてきてまして、いわゆる「プロは金稼げてアマチュアは稼げない」みたいなのは、いまいちどうも納得がいかないんです。特にいまみたいな時代ってね、お金稼げないプロもいれば稼げるアマチュアもいるんで。

たとえば、お金稼げるっていうとこでいったら、会社員さんはお金稼いでるけど、じゃあ何かのプロなのかって言われると、プロの方もいるけど、残念ながらプロって言えないだろっていうレベルでもお金稼いでる人いると思うんですよね。

これはむかし本に書いたことがあるんですけど、占い師さんで、行列ができる占い師とそうじゃない占い師の違いってことで、私は「断言できるかどうか」だというふうに考えたんです。つまり、占い師に未来を本当に予想してほしくて行くんじゃなくて、背中を押してほしくて行く人がほとんどなんで、うまく背中を押してくれるっていうか、「あなたは絶対この道に行ったほうがいいよ」って気持ちよく背中を押してくれることが大事だろうと思ったわけですが、これ、占い師に限らず何でもそうかもしれないと思いまして。私のお知り合いで、商品とかサービスのネーミングをやってるプロのライターさんがいて、名前を付けるプロなんですよね。その名前とかコンセプトをつくるときに、A案・B案・C案ってあったときに、まあ、自分でつくるんですけど、「やっぱりA案がいいよな」っていうことがその方にはわかるみたいで。

つまり、どれがいいかを断言できるってことですよ。でも、ぶっちゃけ、どの名前がいいかなんていうのはやってみないとわかんないわけで、当然のことながら広がりがあったりとか、物が売れたりとか、いろんな効果が出るのがいい名前なんですけども、意外とつまんない名前でも売れたりすることもあるわけじゃないですか。

だけど、その人は明確にその違いが見えるっていうか断言できるわけです。「この名前のほうがいい」とか。考えてみたら、僕も新しいサービスとかを開発するのが仕事なんですけど、その新しくつくった商品がいけるかどうかなんて、やってみないとわかんないんですけど、自分の中で「絶対これはいけるな」って思うときは「これはいける」って宣言するんですけど。

だから、つまり、プロっていうのは断言できる人のことを言うんじゃなかろうかと。たとえば法律の専門家とかでも、なかなか断言しない人とかもいるんです、政治家とかもそうじゃないですか、言ってるようで何も言ってないみたいな人が多いじゃないですか。

ポージングとかもパッと決められて、「ああ、これでいいよ」と。で、撮ったら「もう大丈夫」みたいな感じですぐ決められると。編集者さんとかでも、とにかく「押さえでいっぱい撮ってください」って言う人もいれば、「もう、これとこれとこれ撮ったんで大丈夫です」みたいな人がいて、たしかに決められる人のほうがプロっぽいなっていうか、できる人だなとは感じてました。

まあ、プロっぽいというか、グレーゾーンを明確にしてあげれるっていうか、まあ、それが合ってるかどうかはともかくとして、自分が明確にどちらか方向を示してあげて、その理由がちゃんと語れるっていうことなのかなと思うんですよ。

なんとなくじゃなく、たとえばカメラマンさんが早く終わるのは、いまの写真でOKだっていうことがわかるからだと思うんですよね。不安な人はたくさん撮っておかないとOKかどうかわからないと思うんですけど、じゃあ、なんでその写真がOKだったのかっていうことを、言語化のプロじゃないんで、うまく言語化できるかどうかはわからないですけど、たぶん語れると思うんですよ。

たぶんそれって、きっと100パーセントではなくて、80パーセントとか90パーセントだとしても、そこのちょっと責任を負うみたいなところなのかなと思ったんです。そういう覚悟があるみたいなところ。どうですかね。

まあ、自信ですかね。政治にしても、どっちに行ったほうが国がよくなるかなんていうのはわからないわけなんですけども、自分がそれを断言できるっていうのは、自分の中に明確な基準っていうか、「いい国とはこうである」っていう基準とか哲学みたいなものがないと断言できないんで。結果、その判断したことが国をよくするかどうかっていうのはわからないんですけども、明確な判断軸が自分の中にあるっていうことがその道のプロなんだろうなって思うんですよ。
*本ぺージは、2020年8月26日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから
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