
僕は、まあ、いまも子どもいますけど、いま、学校行かなくても勉強するやり方って、いっぱいあるじゃないですか、YouTubeとかね。特にYouTubeとかで、いろんな先生がいろんなことを教えてくれたりして、「歴史の教科書を読むよりも、あれで歴史の解説を読んだほうが、よっぽどよくわかるし」みたいに思ってて。

ええ、それは栃尾さんじゃないです(笑)栃尾さんのお話を聞いてたら、「子どもは、まず遊んであげなくちゃだめなんだ」ということを聞いて「ほほう」と思った次第なんで、そこをリスナーのみなさんにも詳しく教えてあげてほしいんですけど。

どっから話しましょうか。えーと、まず、うちの子はやりたいことしかやらないんですけど、うちの子も「動画を見ましょう」って言っても見ないし、勉強もしないんですけども、まあ、やっぱり遊……どっから話せばいいのかな(笑)えーと、昔、子ども哲学をやってる方に取材したときに、特に小さい子っていうのは、子ども哲学って子どもどうし対話するんですけど、「じゃあ、みんなで対話しようか」って言っても、ちっちゃい子なんかは言うことを聞いてくれなくて、まずは一緒に遊んで、すごい楽しい思いをして、「あ、この大人はいい人だ」とか、「この人信頼できるな」とか、「気持ちを預けられるな」みたいな、そういう気持ちができてから「じゃあ、ちょっとだけお話ししよっか」みたいなふうに言うと、結構言うことを聞いてくれるっていうのを聞いたんですね。だから、やっぱギブアンドテイクじゃないんですけど、「“僕とか私のためにやってくれたから、ちょっとぐらい言うこと聞いてやるか”みたいな、子どもってそういうとこがあるんですよ」っていうのを聞いて、うちの子も不登校になりたてのときとか、心を開かないっていうか、まあ、ふさぎがちだったんですけど、そういうときにも一緒に遊んであげるみたいなことが結構元気になるし、私のことも信頼してくれるなっていうのは、親子でも結構感じるんですよね。

学校も、たぶん「先生が楽しいと成績が上がる」みたいなこともあると思いますし、あと、先生とふざけたりするのが学校のひとつの楽しみだったりしたと思うんですけど、そういうのがどんどんなくなっているなあ、というのも感じてますね。話がずれましたが。

で、奥さんに「いつになったら話するんだ」って言われたんですけど、結局、子どもが大人になって、ようやく話できるようになって、「子どもはべつに会話を求めてるわけじゃないんだな」っていうことが、こないだ栃尾さんと話してて、「そうか、遊んであげなきゃいけないんだ」と、すごい気づきましたね。

まあ、自分が必要と思ったことは聞きに来るけど。でも、やっぱり、なんていうんでしょうねえ、YouTubeって子どもが見ても、「歴史の教科書は面白くないけど、YouTubeだったら面白いんじゃないか」と思ってたんですけど、そもそも「なにかを学ぼう」っていう意欲が出てくる手前に、まず、やるべきことがあるんじゃないかなというのに栃尾さんと話してて気づきまして。栃尾さんも、お子さんとゲームで遊んでもらうために、学生さんにバイト代払ってやってもらってるって言ってたじゃないですか。

子どもはどっかに出かけるのも結構おっくうで、まあ、引きこもっているんですけど。なので、世の中にすばらしい施設っていっぱいあるんですけど、ぜんぜん利用ができないんですよね。でも、やっぱ社会との接点は必要で、あと、親以外の大人を信頼するとか、親以外の大人で知り合いができるっていうのが、結構子どもにとって大きいんじゃないかなと思って。それで「オンラインでゲームできるじゃん」っていうところで、これはいいなと思って、ちょっと、やっていただきました。ちょうどご縁があって。

それが、「ほんとにそのおかげでこうなった」っていう直接的な因果関係はもちろんわからないんですけど、やり始めてからすごく、なんか、意欲的になったって感じがしますね。自分からしゃべったり、自分から物をつくって、マイクラっていうゲームなんですけどね、ブロックを重ねるような、そういうので物をつくって見せてきたりとか、あと、ちょっと、ほんとに「出かけたい」みたいなことを言い始めて、結構びっくりしてますね。

やっぱり世界が広がるっていうのと、世の中に興味もつのに、僕、子どもって生まれたときから好奇心ない子っていないんで、ほんとはすごい好奇心が旺盛なものが、だんだんだんだん狭まってきて好奇心のない大人になるって思ってたんですけど、でも、話聞いてて、順番としてはちがうんじゃないかなと思って。

好奇心が膨らむきっかけみたいなものを、そういう遊びのなかで与えてあげると自ら好奇心が膨らんでって、いろんなものを勉強したくなったりとか、知りたくなったりとか、どっかに行きたくなったりとか。そしたら、いまの時代、そこまでいけば勉強する道具っていっぱいあるんで。

でも、ゲームの場合は、まあ、大人のほうがうまい場合もありますけど、うちの子なんかは……大学生のほうがうまいんですけど(笑)、大学生は「そんなこと知ってるよ」とか言わないで、うちの子が教えてあげてる体で聞いてくれるんですよね。だから、すごい自信になるんですよね。「俺のほうがうまいし、俺のほうが知ってるぜ」みたいな感じで、子どもにとってゲームが自信になるっていうのは、すごいあると思いますね。
*本ぺージは、2021年10月13日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから
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