「自由とは何か?」ということを安田が問います。【読むPodcast | ゲリラマーケティング】

第534回「自由とは何か?」ということを安田が問います。

時間通りにちゃんと休める仕事と、受けてしまったら納品するまで休めない仕事。
自由なのはさてどちら?
栃尾

こんにちは。安田佳生のゲリラマーケティング。ナビゲーターの栃尾江美です。

金子

人それぞれの人生にフォーカスして、認知症介護を勉強中です。金子亜佑美です!

安田

安田佳生です。

栃尾

勉強してるんだもんね。

安田

でも、認知症ってどうなんですかね、認知がなくなってくるじゃないですか、現実社会のね。

金子

そうですね、なにもかもが。

安田

だから、まわりは大変だと思うんですよ。認知を失った人って感じで、つながりがなくなってる感じで。

金子

そうですね。

安田

本人どんな感じだろう?っていう。

金子

いや、それなんですよ。

安田

ね。

金子

ええ。よく思います。

安田

どこかのちゃんと世界でちゃんとした状態なのか、つまり、なんていうんでしょう、電波がうまくつながらないだけで。

金子

あ~。でも、なんか、「“ちゃんとした”っていう概念が、そもそもどうなんだ?」みたいなところまで、結構考えちゃったりしますね。

栃尾

うんうんうん、なるほど。

安田

うんうん。

金子

たとえば「トイレでうんち、べつにしなくてもいいじゃん」みたいなとか、「食べちゃっても、べつにいいじゃん」とか。

安田

まあ、この社会に、なんていうんでしょう、生きていくための、お互いの暗黙の了解とかルールみたいなもんですからね。

金子

そうですね。

安田

人に迷惑かけなきゃいい、ってことなのかもしれませんけど。認知できないと迷惑かかっちゃうんでね、いまの社会だと。

金子

かかっちゃいますねえ。

安田

それがむずかしいとこ。

金子

そうですねえ。

安田

はい。で、今日はですね、私が最近ちょっと考えてる「自由」というものについてですね、お二人に聞いてみたいなと。

金子

おぉ。

栃尾

いいですね、自由。

安田

はい。

金子

はい。いい響き。

安田

なんでこれを考え始めたかっていうとね、僕も長いあいだ経営者やってましたけど、正社員を雇うときに、やっぱ、できるだけ優秀な、「この人にしかできない仕事ができる人」みたいなのをとりたいわけです。

栃尾

はい。

安田

だけど、いまの会社って、それじゃ回らないんですね。

栃尾

ふーん。

安田

なんでかっていうと、「社員は残業させちゃいけない」とかね、「ちゃんと休ませなきゃいけない」とかいうルールがいろいろあってですね。働き方改革とか労働法。

栃尾

うんうん。

安田

そうすると、「私がいなくなったら、この仕事はもう動きません」みたいな人がいると、困るわけなんですよ。

金子

あ~。

安田

その人も残業させれないんで、「5時になったんで帰ります」とか、「休日は休ませてもらいます」とか言ったら、止まっちゃうわけですよ、会社が。

栃尾

うん。

安田

だから、どうしても代わりがきく仕事をやらせざるをえなくなってくるわけなんですね。「いざとなったら、その人がいなくなっても回りますよ」っていう、これが健康的な会社なわけなんですけど。

金子

うん。

安田

そこではたとですね、「代わりがきく人材と、きかない人材は、いったいどっちが自由なんだろうか?」と思ったわけですよ。

金子

お。

栃尾

うん。

安田

代わりがきかないとですね、休めないわけですよ、当然。自分がやんなくちゃいけないし、自分がやんないといけないんで残業も増えたりとかね。

金子

うんうんうん。

安田

だけど一方で、代わりがきかない人っていうのはですね、他の人じゃできないんで、条件を交渉したりもできるわけですよ。

栃尾

はい。

安田

「これだけ休みを取らせてもらって、これだけの報酬じゃないと私はやりません」とか、でも、代わりがきく人だと、そこは「じゃあ、他の人にやってもらうからいいよ」みたいになっちゃうわけですよ。

金子

わあ、つらっ!

安田

ね。どっちがいったい自由なんだと。お二人はどっちだと思いますか?

金子

ぜ、前者。

安田

前者?もう、どっちが前者だったか忘れちゃったんですけど。

金子

(笑)

栃尾

代わりがきかない人?

金子

代わりがきかない人。

安田

のほうがいいと?

金子

のほうが自由度が高い、仕事において。

栃尾

うん。

金子

ただし、プライベートにおいては自由度が低いと捉えました。

安田

ほお。なんで?

金子

えーと、まあ、仕事を優先せざるをえないような状況なので……

安田

うん。

金子

えー……です。

安田

べつに優先させなくてもいいと思うんですが、「その人じゃないといけない」ってなると、迷惑がかかるかもしれないですよね。

金子

ですね、はい。

栃尾

うん。

安田

たとえばフリーランスって「フリー」って言うけど、じゃあ自由かっていうと、休むのは自由なんだけど、そのかわり、休んだら収入がパタリを止まってしまって。

金子

おー。

安田

ケガして入院しても、社員さんだったらいろんな手当てとかあって、生活保護とかありますけど、まあ、もうね、ケガしたら自己責任で収入ゼロになっちゃうっていうですね、どっちが自由なんだ?っていうのは、なかなかむずかしいとこですけど。

金子

おお。

栃尾

なるほど。ケガして収入なくなっちゃうのは、あんま自由と関係ないんじゃないかと思ったんですけど、でもたしかにそういうものは不自由って感じしますね。

安田

そうですよね。

金子

うんうんうん。

安田

だから、会社で受けるときって、だいたいチームで仕事を受けるので、ひとり抜けても他の人で回しておけるというかですね。

栃尾

うんうん。

安田

退院して帰ってきたら「あ、やっときました」みたいになると、非常に快適なわけですけど。

栃尾

うん。

安田

ね。個人でね、フリーランスの人とかでも、ずっと下請け的に仕事をやってる人、いるじゃないですか。そういう人って、やっぱり不自由だなあって僕は感じるんですね。つまり、「この商品をいついつまでに、この値段で納めてね」って言われて、やらざるをえないっていう。断ったら他の人に行っちゃうんで。

金子

うん。

安田

だけど、自分の商品を持ってて、自分で集客できて、自分で納品のポリシーとかも決めれる人は自由だなと思うんですけど、でも、裏を返せば、商品は自分でつくんなくちゃいけないし、集客もしなくちゃいけないし、自分自身で納品しなくちゃいけないとか、いろいろ制約もあるわけで。

金子

ああ。

栃尾

はい。

安田

ね。

栃尾

やるかやらないかは別にして、私は、自分で決められるってことが自由なんだっていう感じがしてるんですけど。

安田

なるほど。

栃尾

つまり、「責任があるから、やんなきゃいけない」っていう場合に、やるかやらないか決められるのであれば、「まあ、でも、ここで仕事なくなっても死なないし」って、やらないことを決められるのであれば、自由なんだと思います。

安田

なるほど。

金子

お~!ほんとですね。

栃尾

決断の選択肢を持ってるかっていうことですね。どっちでも思ってますけど。

安田

たとえば家族がいてね、子どもが学校行ってたり、いろんな事情があって、「仕事を選べない」とか「辞めたいけど辞めれない」みたいな不自由もあるし。

金子

わあ、不自由だ。

安田

そういう社会的かかわりがなかったら、自由ともいえるわけじゃないですか。

栃尾

はい。でも、まあ、たとえば「生活レベルを落とそう」という選択肢が生まれるかどうか。それで、家族に「ごめんね」みたいに言うことも含めて、選択肢として取れるかどうかっていう、それがもはや選択肢に生まれてないんだったら不自由かもしれないですけど、そういう選択肢も含めて自分で選べれば、やっぱり自由だと思いますけどね。

金子

お~。生活による、うん。

安田

なるほど。たとえば、コロナのすごいバージョンのウイルスがまん延して、世界中の人が死んじゃうとするじゃないですか。

栃尾

はい。

金子

やびゃ!

栃尾

やびゃ(笑)

安田

で、自分だけがなぜか特異体質で、ひとりだけ生き残ったとするじゃないですか。

金子

ああ、つらっ(笑)

安田

そしたら、もう、明日から皇居に住んでもいいわけですよ。

金子

わーい!

栃尾

はいはい(笑)

安田

ベルサイユ宮殿に住んだっていいし、銀座の高級時計とか両手に20個ぐらいはめて家に帰っても、誰も怒らないわけですよ。だけど、電車は自分で動かさなきゃいけないし、ベルサイユ宮殿まで行けないしって。だから、自由と不自由って結構、コインの表裏というか。

金子

ああ。

安田

「この不自由を受け入れると、これが自由になる」みたいな、そういう関係なのかなっていう気が最近してまして。

栃尾

なるほど。

安田

つまり、「どの不自由を受け入れるか」っていうのをまず決めないことには、人間っていうのは自由になれなくて。

栃尾

うんうん。

安田

たとえば、結婚も不自由じゃないですか。

栃尾

っていうイメージはありますよね、はい。

安田

イメージ、そういうもんもあるじゃないですか。

金子

ありますね。

安田

だけど、それを受け入れることによって、新たな自由も手に入るんじゃないのかなって気もしますね、なんか。

栃尾

はい。それを逃れられないものと思ったり、誰かに与えられたものだとか思っちゃうと不自由な気がしますけど、「自分の選択なんだ」って思えたら自由になれるっていう感覚なんですけどね、私は。

安田

まあ、でも、国とか、いきなり明日からイタリア人になれなかったりとかしますけど、生まれた場所とかによって。

栃尾

ああ、はい。

安田

基本的に、自分で選べないもんって、あんまないと思うんですよ、そういう根源的なもの以外は。

栃尾

「選べない」と思ってるケースがあるってことですかね、私が思うのは。

安田

そうですよね。

栃尾

そうすると「自由じゃないな」って感じがします。

金子

おぉ。

安田

僕は「自由じゃない、不自由だ」と思ってる人の多くは、意識して不自由をチョイスしてないから、自分の意図せぬ不自由を押し付けられてる気がするんですよね。

金子

えーっ。

栃尾

うんうん、なるほどなるほど。そもそも決断してないっていうことなのかなって思います。

安田

そう。「どの不自由を受け入れるか」っていう決断をすれば、それ以外は自由になるんじゃないのかなと。

栃尾

うん。

金子

うん、なるほど。「甘えんな!」と。

栃尾

(笑)

安田

そんなこと言ってません(笑)。そんなこと言ったらリスナーが減っちゃうじゃないですか(笑)。どうしてくれるんですか(笑)

栃尾

気にしてるんですか?(笑)

安田

(笑)

栃尾

いつも厳しいこと言ってんのに。

金子

はははは(笑)。なるほどー。

安田

……ということで、はい。

栃尾

どうしましょう?

安田

おまとめしましょう。

金子

おまとめを。

栃尾

まとめるんです!?!?

安田

はい。自由について。

金子

(笑)

栃尾

えーと、不自由を選び取ると自由があるんじゃないかということですね。私は、決断と自由はセットだと思います。

金子

おぉ。すげー。

安田

なるほど。僕は、不自由と自由がセットだと思ってるということで。

栃尾

なるほど、うんうん。

安田

はい。ということで、本日は以上です。ありがとうございました。

栃尾

ありがとうございました。

金子

ありがとうございました。

*本ぺージは、2022年12月21日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから
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安田佳生
境目研究家

 

 

 

栃尾江美
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金子亜祐美
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