売上は誰が作るのか?
社員の営業力に頼った店舗経営の失敗。
この失敗の原因、それは私がビジネスモデルを真剣に考えていなかったから。
「社員の力がうちの会社の強みである。」
当時はそんな風に考えていましたが、結局のところ、自分がビジネスモデルを作れないから、売上を作ることを社員の営業力に頼っていただけのこと。
でもこれは、私だけの失敗に限った話ではないような気もするのです。
「スタッフの接客力がお店の強みだ。」
こんな言葉を未だに耳にします。
店舗経営における「スタッフの接客力」。
これが店舗の業績に影響を与えることは私も否定しません。
実際に接客の良し悪しでお客さんの満足度は大きく変わります。
ただ問題なのは、お店が売れている一番の理由がスタッフの接客力になっているという事。
これは、当時の私の失敗と同じように「自分のお店にはビジネスモデルがない」と言っているようなものだと思うのです。
スタッフが変わったら売れなくなるもの。
それはビジネスモデルとは呼べません。
店舗の売上が順調だった時、私がやるべきだったのは「社員の営業力で売ってもらう努力」ではなく「社員が苦労せずに売れるモデルを作る努力」でした。
本当にスタッフの力が素晴らしいと思うのであればこそ、経営者自身が売れるモデルを考える。
そして、その売れるモデルの上で、スタッフに活躍してもらう。
お店が売り上がっている根拠。
その根拠を自分で作らず他人に頼っている限り、売上の安定も他人頼みにならざるを得ないのだと思います。
著者/辻本 誠(つじもと まこと)
<経歴>
1975年生まれ、東京在住。2002年、26歳で営業マンを辞め、飲食未経験ながらバーを開業。以来、現在に至るまで合計28店舗の出店、経営を行う。現在は、これまで自身が経営してきた経験をもとに、これから飲食店を開業したい方へ向けた開業支援、開業後の集客支援を行っている。自身が経験してきた数多くの失敗についての原因と結果を振り返り、その経験と思考を使って店舗の集客方法を考えることが得意。