原因はいつも後付け 第17回 「売る方法を考えるのは楽しくない」

// 本コラム「原因はいつも後付け」の紹介 //
原因と結果の法則などと言いますが、先に原因が分かれば誰も苦労はしません。人生も商売もまずやってみて、結果が出たら振り返って、原因を分析しながら一歩ずつ前進する。それ以外に方法はないのです。28店舗の外食店経営の中で、私自身がどのように過去を分析して現在に至っているのか。過去のエピソードを交えながらお話ししたいと思います。

《第17回》売る方法を考えるのは楽しくない

「売る方法を考える。」と言う、シンプルなお題。
実はこれ、店舗のオーナーでも考えるのが苦手な人が多いのです。

そして何を隠そう、実は私も「売る方法を考える」のが苦手なのです。
とは言っても、「売る」という行為なくして商売は成り立ちません。

苦手な事を考えるのは、楽しくないし、無理やり考えたって成果も出にくいもの。
では、どうやって「売る方法」を考えれば成果が出やすくなるのでしょうか?


「売る方法を考える。」

私が仕事でお付き合いをしているオーナーさん達は、元々飲食経験のある方ばかり。
ただ、実は調理や接客の経験は豊富でも、1から集客を考えて実行した事がある人はほとんどいないのが事実。

そこで立ちはだかる壁が「売る方法を考える」という行為。
この行為に苦手意識を持ってしまう一番の理由。

それは、「自分自身が売り込まれることが好きじゃない」という事。

このコラムを読んでいただいている方の中にも、この
「売り込まれるのは好きじゃないけど、売る方法は考えないといけない」
というジレンマに悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

では、どうすれば良いのか?
そこで私がいつもやるのが、「売る方法を考える」のではなく、「自分が買いたくなる理由を考える」ということ。

自分だったら、商品にどんなタイミングで出会いたいのか?
自分だったら、商品にどんな価値を感じたいのか?
自分だったら、どんな人から買いたいのか?

「売る方法」から考えるよりも「自分が買いたくなる理由」から考えることのメリット。
それは、「自分」という具体的なお客さん目線から販売を考えられること。
そして、考えること自体が楽しいという事。

商品を売る方法を考えるのは楽しくないけど、自分が買いたくなる理由を考えるのはワクワクしてくるもの。

そして、この「自分が買いたくなる理由」から逆算して、販売するアイデアを考えることで、「売る方法」という視点からでは見つけられなかった販売方法を作り出すという訳です。

「苦労して売る方法を考えたにも関わらず、成果が出なかった。」という結果。
この結果を招いている原因。それは、

自分が苦手なことをやろうとしているから。
楽しくないことを無理やり考えようとしているから。

だから、売る側から考えるのではなく、お客さん側になって考える。

同じ「販売」も売る側から考えるか、買う側から考えるかで、出てくるアイデアは大きく変わり、自分というお客さんを想定することで、より具体的なアイデアが湧いてくるのです。

著者/辻本 誠(つじもと まこと)

<経歴>
1975年生まれ、東京在住。2002年、26歳で営業マンを辞め、飲食未経験ながらバーを開業。以来、現在に至るまで合計28店舗の出店、経営を行う。現在は、これまで自身が経営してきた経験をもとに、これから飲食店を開業したい方へ向けた開業支援、開業後の集客支援を行っている。自身が経験してきた数多くの失敗についての原因と結果を振り返り、その経験と思考を使って店舗の集客方法を考えることが得意。

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