小さな飲食店が逆にもうかってると。コロナバブルとか言われて。
みたいですね。
人を雇ってなければ1日6万で十分ですよ。ネット民の反応は「税金の無駄遣いだ!最終的に払うのは俺たちだ!」みたいになってます。
文句が出て当然ですよ。こんなに不公平なことをやったら。
今って、コロナの影響でバンバン国からお金が出てますよね。これって、いずれ課税されるんでしょうか?
地震の時にも復興税があったじゃないですか。今も払ってると思うんですけど。
はい。いつの間にか取られてますね。
今回も何かしら「コロナ復興税」みたいのが出るんじゃないですか。
それはいつ頃?
落ち着いてからでしょうね。ワクチン打って2年後ぐらいじゃないですか。
すでに年収はかなり下がってて、税金や社会保険料の負担も大きくて。これ以上やったら個人支出は壊滅的なことになりませんか?
なるでしょうね。
そうなったら会社の売り上げも伸びないし、給料も増やしようがないという悪循環なわけで。国の偉い人だって、もちろんそこは把握してるわけですよね。
はい。把握してるはずです。
コロナで沈みそうな経済を支えるために、お金をまいてるわけでしょう?なのに税金を上げたら意味なくないですか。経済がシュリンクすることは確実ですよ。
そうですね。可処分所得でいうと15年間で50万円ぐらい手取りが減ってますから。
50万円も!ということは月に4万円以上減ってるってことですよね。
そうですね。社会保険料が上がったり、特別控除の一時廃止もあったり。子どもの扶養手当の縮小とか。消費税はまたその後の話で。
その上コロナ税がきたら、さらに減りますよ。
減りますね。
コロナで打撃を受けて、さらに税金でもっていかれる。これは相当なダメージだと思うんですけど。そんなことしますか?国は。
そうですね。なんというか…使ったお金は、どこかから持ってくるしかないので。
お金を刷って配ればいいじゃないですか。いつものように。
その発想もありますよね。とにかく借金してガンガン進んでいくっていうのも、ひとつの手だと思う。
先送りしてるだけかもしれませんけど。
まあ国って寿命がないので。先送りするのはひとつの手ですね。
永久に先延ばしすればいいと。
日本人ってすごく不思議で。国家として負債が続くのも嫌だし、自分たちの手取りが減るのも嫌なわけですよ。
確かに。どっちに行っても文句言いそう。
でも二つ実現するのは無理な話なので。どっちかですよ。
財務省の人は「増税したら出世できる」って噂があるんですけど。本当ですか。
普通に考えればそうじゃないですか。KPIが違うので。基本的には税収を増やすのが財務省の役割じゃないですかね。
いま一番の問題は「人口が減ってる」ってことじゃないですか。
はい。だから一人当たりの生産性を上げなくちゃいけない。
でもいきなり「一人当たりの生産性を上げろ」って言われても、なかなか急には無理ですよ。
大変ですけど、やるしかないんですよ。
もうちょっと福祉のレベルを下げて、その分税金も下げて、みんなで低いレベルで生きていくってのはどうでしょう。
それもひとつの選択肢だと思います。ただ日本って「誰も取り残されない」という医療体制なので。福祉レベルもすごいんですよ。
国民にその自覚はあるんでしょうか。文句ばかり言ってますけど。
そこが問題ですよね。とんでもなく安いお金で医療を受けられるんですけど。多分やりすぎなんでしょうね。
やりすぎですよ。せめて3割ぐらいは負担してもらわないと。
それがシルバーデモクラシーですね。とにかく年金問題、社会保障問題に手をつけると政権が崩壊するので。
民主主義の限界ですね。高齢者に媚びてたら先のことなんて考えられないですよ。
今は企業に生産性をひたすら押し付けるスタイルですね。税金も社会保険もしっかり取らせてもらいますと。さらに従業員の給与も増やしなさいと。
企業はどう考えても「人を雇わない」という方向に舵を切らざるを得ないです。
そうですね。突き詰めると最後は「デジタル税」とかになってくる。
デジタル税?
雇わなくても税金は取るよと。
NHKみたいですね。テレビがなくても全員払わせるみたいな。
「仕事を与えるのは国家の役割だ」と国民が思ってるんです。だから選挙で勝つためにはそっちに行きます。
国民が悪いってことでしょうか。
正直それはありますよ。政治家を選んでるのは国民ですから。
もう投票はやめて、 AIに決めてもらうってのはどうですか。テニスの線審もAIにしたらみんな納得するようになったし。
AIに政策立案させるってことですか?
もしくはAIに国会議員を選んでもらう。国民が選ぶからこんなことになるんですよ。
AIが決めたら、とんでもなく失業者が出ると思います。
一旦はそうなるかもしれません。でもAIが判断するのなら、その一手はきっと正しいんですよ。将棋だって結局AIが最後には勝つんですから。
そうかもしれませんね。
ちなみに、どんどん借金が増えていくと、最後には日本ってどうなるんですか。
すごい批判を受けそうなんですけど。そもそも国には寿命がないので、借金が増えても特に問題ないんですよ。
なんと!
必ず回収してくれって話になると、逆に国家が崩壊します。
じゃあ回収しなくていいと。でも国際的な信用は下がりますよね。
日本人って不思議なことに、これだけ国の文句を言ってても、みんな日本の国債を買うんですよ。だから国家の信用が落ちづらい。
じゃあ借金を返すために、また新たな国債を発行して。つまり自転車操業ですよね。
貸し剥がしのない自転車操業ですね。
なるほど。いくらでも貸し続けてくれるんだったら、確かに潰れませんね。金利だけ払っとけばいいので。
そうだと思います。
普通の会社だったら、銀行に「もう貸しません」って言われて潰れますけど。
国の場合は、絶対そういうことはあり得ないので。
何があっても貸し続ける銀行を抱えてるみたいな。
国民が日本の国債を買い続ける限りは。
でも国債を買ってる国民なんて、ほんのひと握りですよ。
投資信託も定期預金も国債を買って回してるんですよ。つまりみんな日本という国を信用してるってことなんです。
信用した覚えはないんですけど。
だけど円で貯金するでしょ。それは日本を信用してるってこと。そういう国民性が日本を支えてるんですよ。
久野勝也 (くの まさや) 社会保険労務士法人とうかい 代表 人事労務の専門家として、未来の組織を中小企業経営者と一緒に描き成長を支援している。拠点は愛知県名古屋市。 事務所HP https://www.tokai-sr.jp/
安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。