第271回「国内語学留学の真相」

この記事について

2011年に採用ビジネスやめた安田佳生と、2018年に採用ビジネスをやめた石塚毅による対談。なぜ二人は採用ビジネスにサヨナラしたのか。今後、採用ビジネスはどのように変化していくのか。採用を離れた人間だけが語れる、採用ビジネスの未来。

前回は 第270回「ストの裏側はこんな駆け引き」

 第271回「国内語学留学の真相」 


安田

公立学校なのに海外に修学旅行?

石塚

はい。東京都港区立の中学3年生を対象にした修学旅行の行き先は海外にしなさいと。

安田

これ親が反対しないんですか?うちは貧困家庭なのにどうしてくれるんだって。

石塚

これね、自己負担じゃなくて区が出すんですよ。修学旅行の費用を。

安田

え!自己負担なしで海外に連れて行ってくれるんですか。

石塚

「多感な時期に異文化に身を置き、刺激を受けて、将来の進路を考えてほしい」というのが区長のお言葉ですね。

安田

「港区に引っ越してきてね」ってことですか。

石塚

たぶん予算が浮いたんだと思う。港区はお金持ちがたくさん住んでるから税収が結構入るんです。区長としても人気取りの子育て支援とかやりたい。次の選挙のために。

安田

港区の子供達は恵まれてますね。一方で、お金がないから国内で語学留学する人も増えてるらしいです。

石塚

北海道のニセコですよね?

安田

そうです。ニセコは外人だらけで、そこに行けば外国のように語学を学べちゃうって。これ、本当なんですか?

石塚

半分は事実ですけど、半分は間違ってますね。ニセコのインターナショナルスクールに通ってるのは、ほとんど大陸系の中華人のお子さんです。

安田

え?そうなんですか。

石塚

ニセコはかつてオーストラリアが1番だったんですけど。時差がないから。今は中国人が1番多いんです。

安田

中国の人が土地を買っているという話もありますよね。

石塚

華僑、大陸系中華人、あとはマレーシアの富裕層がガンガン投資してます。

安田

ニセコに語学留学に行ってるのも中国人なんですか。

石塚

はい。日本人は極めて少数です。

安田

ネットでは日本人も募集していましたけど。「語学留学しにニセコに来ませんか」って。

石塚

金額が高くて普通の日本人には払えません。

安田

そんなに高いんですか?国内留学なのに。

石塚

そもそもインターナショナルスクールって1年300万ぐらいするから。

安田

そんなに!

石塚

しますよ。

安田

じゃあ海外に行った方が安かったりする。

石塚

そうなんですよ。

安田

お金がないから国内留学するわけではないと。全然違うんですね。

石塚

この10年でインターナショナスクールはものすごく増えました。都内にインターナショナスクールって何校あるかご存知ですか?

安田

いや、分かりません。だけど言われてみれば、うちの近所にもインターナショナル幼稚園がたくさんあります。

石塚

安田さんの近辺は多いんです。ちなみにお受験で入る都内の私立小学校が80。インターナショナルスクールは50くらいです。

安田

えー!すごいですね。私立小学校と変わらないってことですか。

石塚

私立小学校の数にだいぶ追いついてきてます。

安田

それだけニーズがあるってことですか?

石塚

かなり大陸系中華人が多いです。

安田

そこも中国人ですか。中国の人ってそんなに英語を学びたいんですね。

石塚

もちろん英語もあるけど、なによりも日本に住みたいんですよ。

安田

そうなんですか。

石塚

日本に来て永住許可が降りれば「不動産も所有できるし、町は綺麗だし、トイレも綺麗だし、食べ物は美味しいし、中国みたいにいい加減じゃないし、日本に住もうよ」って。

安田

処理水問題であんなに騒いでるのに。

石塚

処理水で騒いでるのは中国の低所得者層です。気分発散のために政府が仕向けてるだけ。富裕層はよく分かっているわけです。

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石塚毅
(いしづか たけし)
1970年生まれ、新潟県出身。前職のリクルート時代は2008年度の年間MVP受賞をはじめ表彰多数。キャリア21年。
のべ6,000社2万件以上の求人担当実績を持つ求人のプロフェッショナル。

安田佳生
(やすだ よしお)
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

 

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