2011年に採用ビジネスやめた安田佳生と、2018年に採用ビジネスをやめた石塚毅による対談。なぜ二人は採用ビジネスにサヨナラしたのか。今後、採用ビジネスはどのように変化していくのか。採用を離れた人間だけが語れる、採用ビジネスの未来。
第271回「国内語学留学の真相」
公立学校なのに海外に修学旅行?
はい。東京都港区立の中学3年生を対象にした修学旅行の行き先は海外にしなさいと。
これ親が反対しないんですか?うちは貧困家庭なのにどうしてくれるんだって。
これね、自己負担じゃなくて区が出すんですよ。修学旅行の費用を。
え!自己負担なしで海外に連れて行ってくれるんですか。
「多感な時期に異文化に身を置き、刺激を受けて、将来の進路を考えてほしい」というのが区長のお言葉ですね。
「港区に引っ越してきてね」ってことですか。
たぶん予算が浮いたんだと思う。港区はお金持ちがたくさん住んでるから税収が結構入るんです。区長としても人気取りの子育て支援とかやりたい。次の選挙のために。
港区の子供達は恵まれてますね。一方で、お金がないから国内で語学留学する人も増えてるらしいです。
北海道のニセコですよね?
そうです。ニセコは外人だらけで、そこに行けば外国のように語学を学べちゃうって。これ、本当なんですか?
半分は事実ですけど、半分は間違ってますね。ニセコのインターナショナルスクールに通ってるのは、ほとんど大陸系の中華人のお子さんです。
え?そうなんですか。
ニセコはかつてオーストラリアが1番だったんですけど。時差がないから。今は中国人が1番多いんです。
中国の人が土地を買っているという話もありますよね。
華僑、大陸系中華人、あとはマレーシアの富裕層がガンガン投資してます。
ニセコに語学留学に行ってるのも中国人なんですか。
はい。日本人は極めて少数です。
ネットでは日本人も募集していましたけど。「語学留学しにニセコに来ませんか」って。
金額が高くて普通の日本人には払えません。
そんなに高いんですか?国内留学なのに。
そもそもインターナショナルスクールって1年300万ぐらいするから。
そんなに!
しますよ。
じゃあ海外に行った方が安かったりする。
そうなんですよ。
お金がないから国内留学するわけではないと。全然違うんですね。
この10年でインターナショナスクールはものすごく増えました。都内にインターナショナスクールって何校あるかご存知ですか?
いや、分かりません。だけど言われてみれば、うちの近所にもインターナショナル幼稚園がたくさんあります。
安田さんの近辺は多いんです。ちなみにお受験で入る都内の私立小学校が80。インターナショナルスクールは50くらいです。
えー!すごいですね。私立小学校と変わらないってことですか。
私立小学校の数にだいぶ追いついてきてます。
それだけニーズがあるってことですか?
かなり大陸系中華人が多いです。
そこも中国人ですか。中国の人ってそんなに英語を学びたいんですね。
もちろん英語もあるけど、なによりも日本に住みたいんですよ。
そうなんですか。
日本に来て永住許可が降りれば「不動産も所有できるし、町は綺麗だし、トイレも綺麗だし、食べ物は美味しいし、中国みたいにいい加減じゃないし、日本に住もうよ」って。
処理水問題であんなに騒いでるのに。
処理水で騒いでるのは中国の低所得者層です。気分発散のために政府が仕向けてるだけ。富裕層はよく分かっているわけです。
石塚毅
(いしづか たけし)
1970年生まれ、新潟県出身。前職のリクルート時代は2008年度の年間MVP受賞をはじめ表彰多数。キャリア21年。
のべ6,000社2万件以上の求人担当実績を持つ求人のプロフェッショナル。
安田佳生
(やすだ よしお)
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。